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あいドルのフェロモン8

「私が鈴原さんを助けたって知ったら、王子様(川崎君)の雰囲気変わったわね」


「そうですか?」




「何故だか気が置けないと言うか、魅入ってしまう存在ね★」


「何言ってるんですかハマミクさん、何時もの拓ちゃんですよ」




「うぅん 瞬時に観ている人を惹きつけるってことは、彼もこの業界の素質を持っているってことよ」


「あははっ、拓ちゃんがですか、冗談言わないでください」




「冗談なんかじゃないわ、貴方と同じアイドルのフェロモンを感じるわ・・・・・・・・。」


「変な事言わないで下さいハマミクさん」




「私が言うんだから間違いないわ」


「そんなこと言って、拓ちゃんに惚れちゃたら駄目ですからね」




「生で演奏聴かされたら、惚れちゃうかもよ フフフっ」






「ギターのスタンバイはイイかしら川崎くん」

モニター越しの星野さんから僕に声がかかる。


「ええっ、何時でもOKです!!」




僕はもう演奏する事に迷いはなかった。


緻密に計算された星野さんの喋りの間は、本当に会話をしているのと

間違うほどだった。


星野さんは胸に手を当て、大きく深呼吸

アングルが顔のアップに変わり、星野さんが笑顔で話す。




「じゃ私の役目はここまでよ★」



「えっ?」




「この楽曲を歌うのは鈴原藍さん アナタよ!!」


「すっ鈴原っ!?」

僕は思わず横にいる鈴原に向かって声を上げる。




「えっええっ? 私が歌うんですか???」

どうやら鈴原も聞いていない話の様だ。


「そうよ、この詩はアナタたち2人の為に作ったものなの」

星野さんが当たり前の様に答えると鈴原が言葉を返す。




「でも、これはアイコンタクト(星野さんと拓ちゃん)の曲じゃないですかぁ?」



モニターに映っているのはVTRなのに

ホントに会話している様に会話が進行していく

僕らは既に録画されている星野さんと話していることを忘れていた。



「この曲を歌うユニット アイコンタクトのアイは私の(あい)じゃなくて鈴原さんの(あい)なのよ」


「そっそんな・・・・・・。」




困惑している僕ら2人に向けて星野さんは真剣な顔で続けて話す。

「そう言うワケだから本物のアイコンタクト メンバー 鈴原藍さん、そして川崎くん 後は任せたわ★」


最後にそう言うと笑顔を残し、星野さんの映像が途絶える。


映像が途絶えたということは、すべてが僕ら2人に進行がゆだねられたのだ。




「どうする鈴原、歌えるか?」


「何度も聴いてた曲だから歌詞は大丈夫なんだけど、人前で歌った事がないからチョッチ心配」




「なら大丈夫だ」


「どうして大丈夫ってワカルのよぉ?」




「だってお前は本物のメンバー鈴原藍なんだろ☆」


「何それ」




鈴原が僕に突っ込みを入れたところでギターを弾く

【ポロロロン♪】



柔らかい

そしてゆっくりとした曲調ではじまる前奏

そこに鈴原の伸びやかな歌声がのる。



【ねぇ♪】


【初めからわかっていたんでしょ?こうなるってこと♪】


【遠回りしても近道しても行き着くところは同じなんだって♪】


【アナタの奏でるメロディが♪教えてくれた道しるべ♪】


【♪♪♪すべては心のままに♪赴くままに】


【風の様に♪ながれるリズムはアナタの鼓動♪】


【もう迷わない♪もう迷わない♪】




事の成り行きを心配そうに観ていた人々たちは

次第に2人の歌と演奏に見入っていく




【ザンザンザザァン♪】


【ザンザンザザァン♪】




曲の中盤でギターのサウンドは軽快に流れを変える。

既に歌う鈴原からは不安な表情は消えていた。


僕らはユニット名さながらに

鈴原とアイコンタクトしながら演奏し歌い続ける。




【ねぇ♪】


【初めからわかっていたんでしょ?こうなるってこと♪】


【好きっ♪とか言わなくても♪行き着くところは同じなんだって♪】


【アナタの奏でるメロディが♪教えてくれた全ての答え】


【それがアナタの♪ラブソング♪】


【それがワタシの♪ラブソング♪】



曲のエンディングで激しく

そして情熱感を讃え印象的なフレーズで幕を閉じる。




「クックッククッ・・・・そう言うことだったのか・・・・」

モニター室では、長谷川さんが涙目で笑いながら

僕のギターで歌う鈴原を観ている。




「ここで鈴原くんに歌わせるなんて考えもつかなかったよ」


「よかったですね上手くいって、でも星野さんの歌声聴けなかったのは残念です」


藤川が長谷川の傍らにきて言葉をかけると

「いいじゃないか、こんなにすばらしい歌とギターの演奏が聴けたんだ」と長谷川さん





スタジオのゲスト席、小室鉄馬とジャーニィー坂野は

画面に映る2人を観て、唖然としている。



「なんなんだ・・・こいつらは」


「クオリティが高いとか、そう言う話ではないぞ」




「存在感といい、引き込まれる力がある」


「星野愛が持っていたものと同じもの・・・なのか・・。」




「フェロモンか!?」


「うむっ、これがアイドルのフェロモン・・・・・・」



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::



この日以来

僕と鈴原はアイコンタクトとしてデビューした事となり

星野さんの発言は自身の引退宣言したとみなされた。




僕の身辺もまた、変わりだし

自分の考えの整理もつかぬまま、テレビやラジオへの出演と

今までの生活では考えられない展開


テレビの威力は僕の考えを遥かに超えているようだ。



それでも鈴原は「芸能活動と勉学の両立を目指すのだ★」と

受験のカリュキュラムも忘れずこなしている。



一緒に行動している僕は、想像通りに巻き込まれる毎日


僕は

そんな多忙な日々でも楽しかった。




一緒にいる相手が鈴原だから





その後

浜田未来も加わった森田プロは慌ただしさを激増し

あっと言う間に数ヶ月が過ぎようとしていた。




僕は何故か大学を合格してしまい

鈴原と一緒に来月から学業と音楽の世界と二足のわらじ確定





【森田プロ事務所】


「おめでとう川崎君、そして藍」鈴原の親父さんが珍しく事務所に顔をだしコメントする。


「ありがとうございます。」




「2人には大変だと思うが、これから勉学とここの仕事をこなしてもらうことになる。」


「そんなこと言われなくてもワカッテルわよ★」バカにしないでって顔で鈴原が父である森田社長にかえすと




「藍っ、話は最後まで聞いてから返すように!!」と怒られる。


「だってぇ~」甘える様に答える鈴原は父との会話を楽しんでいるようだ。




「ウチの事務所もタレントの数も増えて、個々のスケジュール管理が難しくなってきた。」


「そうですよね、浜田さんの殺人スケジュールを長谷川さんが捌いた上に僕らの管理してるんですよね」




「そうだっ、新人関連も藤原くんに管理してもらってるがもはや限界だ。


そこで、長谷川をお前たちのマネージャーから外し藤原くんにも中堅の管理に配属する。」




「長谷川さんを僕らのマネージャーから外すんですか?」


「駄目よっ私たちの管理は長谷川さんじゃないと!!」




すると、今まで社長の横で黙りこくっていた長谷川さんが口を開く

「別に俺じゃなくても君たちのマネージャー適任者はいるよ」


「そんな事言わないでくださいよ長谷川さん」


「私たちを見捨てないでください。」




「見捨てるなんて とんでもないよ」


「そうだ、その為に新しく2名のマネージャーを採用した。」

社長がそう言うと長谷川さんが隣の事務所のドアを開ける。




【ガチャ】




「ぉ・ま・た」


出てきたのは、なんとゴットシン




「ぇぇぇぇぇっ!! ゴットが僕らの マネージャー!!」


「鈴原殿、タクト殿 ご無沙汰でゴザル」




「こらこら神谷ゴットシンくん、キミは新人の育成係だよ」

社長が鈴原に触るなとばかりに首根っこを引っ張る。


「社長、乱暴はイケナイルージュマジックでゴザル」




ゴットシンが森田プロ、新人育成の担当に配属


いままでの行動や活躍をみれば、新人育成には適任だと僕も思う配属だ。


しかしゴットシンが森田プロに来るなんて、ホントに驚きだ!!

僕らの担当じゃないにしても、一緒に仕事が出来るとは思わなかった。





「ゴホン、君たちの担当になるの次の人だ、入りたまえ!!」



【カツ・カツ・カツ】



「ぉ・ま・た★」


ハイヒールの音を響かせて入ってきたのは





なんと 星野さん!!




『  !  』





「あれっゴットの真似してみたんだけどウケなかった!?」




『どっどっどどどどど、どう言うことですか!?』

僕と鈴原が同時に答えると平然としてかえす星野さん


「あら驚かないで、火星から地球に戻ってきただけでしょ(笑)」




「かっ火星って、冗談言わないでくださいよ」


「冗談なんかじゃ無いわよっ、現にココにいるじゃない フフッ」




「えっええええーーーーーーーっ」




色っぽい話し方、振る舞い、素敵な笑顔

少し痩せた感じだけど、どう見ても星野さんそのものだった。


「さぁ今日からみっちりスケジュール管理させていただきますからね★」




「ホントに星野さんなんですよね!?」鈴原も信じられない様子


「本当も嘘も無いでしょ鈴原さん、私はここにいるんだからさっ★」




「僕たち、星野さんが本当に死んじゃったって思って心配したんですよ」


「心配ご無用、星野は無敵よ☆」




そんなノーテンキな星野さんの発言はさておき

事実を長谷川さんにこっそり確認


死んだ真似をした星野さんと梨木が面会した後

スェーデンの病院に移って手術をしていたとのこと。

もちろん無事成功して、目の前の星野さんがいるらしい。




僕らは

このノーテンキなアイドルのフェロモンを持った星野さんに

ゲイノウカイの何たるかを仕込まれることとなるが

いったいどうなるのだろうか?


前途多難が予想されるこの先に嬉しい不安がよぎる。

隣にいる鈴原も顔の表情からも同じ考えの様子が伺える。


「何ボーとしてるのかしら川崎君」星野さんの鋭い指摘


「いやっ何でもないです・・・・」


「鈴原さんも大丈夫かしら?」


「えっあっハイ、大丈夫です。」





「じゃ早速お仕事してもらっても大丈夫かしら」


「明日のランキング番組ですか?」




「うぅうん、今夜の番組 特ダネ 特捜部隊よ★」


「すっスッポンの梨木の番組ですか!?」




「そうよ」


「でも梨木さんは星野さんに騙されて怒ってるんじゃ・・・」




「怒ってるかどうか何て解らないわ」


「どう言うことですか?」




「だってアポ無しですもの★」


「えっえーーーーーーーー!!」




僕も鈴原も想像を超える展開で進む

星野さんのスケジュールはジェットコースターの様だ。


でも

そのエピソォードは、星野さんでは無く

僕らがこれから作り上げていかなければならないんだ。


それがアイドルのフェロモンを持った

僕ら2人の物語だから




「こらっそこの2人!! ボヤッっとしてないで行くわよぉ」


「フフフっ★ 了解でーす!!」



あいドルのフェロモン おしまい★

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