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あいドルのフェロモン4

「ムキムキっ 直ぐに渋滞になったしょねぇ、さすが旧友だしょ。」

何処に電話したのか不適な笑いの水上会長


「これで夜のカウントダウンスタジオでの企画はオジャンになるっしょね」

先ほど連絡した関東スポーツの大柳から情報を収集し、妨害工作を済ましたのだ。




「伊藤くん,ワイン貰えるかな」


「1970年のロマネ・コンティが飲み頃かと」




「ああ、頼むしょ」


「かしこまりました。」




(この後の番組進行が見ものしょね)


ホテル支配人の伊藤が、自らワインのコルクを鮮やかな手際で抜き取り

丁寧な動作でグラスに赤ワインを注ぐ


その動作を見ながらゆったりとした仕草で葉巻をゆらす会長の水上


部屋中央の壁にプロジェクターで映し出される大型の画面には

CM明けの夜のカウントダウンスタジオ。




番組進行するVJがひき続きランキングを発表する。

『第3位は至上最強のスマイルガール、鈴原藍さんのラブ☆100%です!!』


曲の前奏が流れはじめると

スタジオのショットから地下駐車場のライブ映像に切り替わる。




【ラブ♪ラブ♪ラブ♪♪♪ラブ100パーセンットォ♪】


画面に映し出されたのはバイクの後部座席に座り

マイクを握る鈴原藍



鈴原の歌と一緒に、地下駐車場にこだまするバイクの爆音

そして急発進


その動作を俊敏に捉えるカメラワーク


バイクの走行でなびく鈴原のミニスカートからは鍛えられた

綺麗な太ももが見え隠れする。




国道に出ると、道路は結構な長さの渋滞

鈴原を乗せたバイクは巧みにその車の間をスルスルと走り

ライブカメラは絶妙な速度でその姿を捉えたままだ。



交差点で停止した瞬間

カメラはズームで鈴原藍の表情を映し出す。


終始危なげな状態で歌う鈴原の顔は、何故か楽しげな表情。




【貴方の心に注入するわ♪ラブ♪ラブ♪ラブゥ~】


【インスタントなラブじゃないのよ♪ラブ♪ラブ♪ラブ♪♪♪本物のラブよ♪】


【ラブ♪ラブ♪ラブ♪ラブ100パーセンットォ♪】



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


横浜グランデューナ国際ホテル プロジェクターに映し出される鈴原藍




「何だこれは?! 」 驚いた表情の水上

飲みかけたワイングラスをテーブルに置きソファから立ち上がる。


「こんな感じの進行、どっかで観ましたね」伊藤が呟く


「この間やった、梨木隆弘の特ダネ特捜部隊しょ・・・・・・」


そう言って携帯電話をかける、「交通課の木村部長にまわしてくれ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


再びバイクで移動中の4人

2台のバイクは赤信号で停車中




『この調子なら次のハマミクが歌ってる間に現着できそうだぜ』

ハマミクを後部座席に乗せた如月英治がコメントすると


『当たり前でしょ、誰が運転してると思ってるの!?』と強気の発言をする坂本あけみ




そんな会話を交わす事が出来るのは

鈴原藍が歌い終わった後に、スタジオに画面が切り替わっていたからだ。


『ハマミクさんカメラこっちに渡してください』


『大丈夫かしら、結構重いわよ』




『大丈夫ですよ、私けっこう力持ちなんですからぁ』


『あら頼もしいこと言っちゃってぇ大丈夫かしら?!』




『もちろん大丈夫ですよ★』


『フフフっ、それじゃ奇麗に撮ってもらう事を期待しているわ』




『信号青だぞぉ!! お前ら、くっちゃべってないでしっかりつかまってろぉ』


『放送もこっちに戻るわよ』如月と坂本が相次いで叫ぶ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『それでは今週のランキング第2位、ご存知歌姫 浜田未来で私の恋はGTR です!!』




【心のぉランプがGOサイン♪ライバルなんかに負けられないわよ♪初めのコーナー全開よぉぉ♪】


【先行者なんてすり抜けちゃうから♪突然ぇん貴方に接近遭遇♪そんなスリルにハートはドキドキ♪】


【私の恋は♪私の恋は♪いつだぁあてぇ~♪じぃてぃあぁぁぁ~るぅ♪】



白の皮ツナギにピンクのヘルメット姿の浜田未来はレーサーのコスプレの様子

歌の歌詞とバイクで走行中と言う事もあり、歌う浜田はノリノリだ。





【ぶぉん】【キキィ!!】


赤信号でもないのに、渋滞の間をすり抜けていた2台のバイクが停止


異変に気づきつつも浜田は歌い続ける。




前方に警官、そして移動交番車両の上に設置されている電光掲示板には通行止めの文字

如月英治と坂本あけみは、ヘルメットのカウルを上に開き顔を見合わせる。


「なにぃ? 通行止めなのぉ」


「なんでだよぉ、他に迂回する道なんてねーぞぉ」




「警察を突破するワケにいかないわよね・・・・・・」


「ここからバイクを降りて走って行っても放送時間に完全に間に合わねぇ」




「何か打つ手はないの」


「もう少しだってのに、くそっ!!」




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