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あいドルのフェロモン1

『キッキィィーーー』

『バタン!!』


「なっなにすんだぁ!!」


『ドタバタッ、バタン!』



翌日学校が終わり

校門を出ると突然男が車の中に僕を押し込める。


これって拉致ってやつなのか?


僕を拉致? した男は見覚えのある顔

スッポンの梨木だ。




「何をする!! 警察に電話するぞぉ」


「ひゅーうっ、威勢がいいねぇ 如月英治をぶん殴っただけはある。」




「子供だと思ってオチョクルなよっ!!」


「そんなに尖がるなっ、騒がなければ手を離してやる」




「ふん!こんな事してただで済むと思うなよ!! 」


「判ってるっ、ただで済むなんて思ってないよ」


「くっ」




「まあまあ、そんなに興奮するなっ 本番で全力を出し切れなくなるぞぉ」


「はっ?全力を出し切れなくなる?」




「そうだっギターの演奏に影響するってことだ」


「僕がギターの演奏するってぇ?」




「そうだっ今夜の【夜のカウントダウンスタジオ】で星野愛と一緒に演奏してもらう!!」


「星野さんと?」




「そうだ星野愛とだ」


「何を言っちゃってるんですか?星野さんは芸能界を引退してるんですよ!!」




「芸能界引退? そうだった引退だったな・・・」


「だから僕を無理やり連れて行ったって無意味ですよ」




「意味はある・・・ワシが直接 星野愛から頼まれたのだからな」


「嘘だっ!! そんな事ある訳ない」




「それがあったんだよ」


「だいたい星野さんはお前にツケ狙われて迷惑していたんだぞぉ信じられるかっ!!」




「星野愛の周りでは、信じられない事が結構起こる・・・川崎くんだって見てきたんだろう?!」


「星野さんがスッポンの梨木に頼むなんて絶対ない! 信じられるか!!」




「そうなんだよ川崎くん・・・ワシも信じられんのだよ」

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


「一週間のご無沙汰ぶり、夜のカウントダウンスタジオっ


今夜の出演は何時もよりも


更に豪華なラインナップとなっておりますので、みなさんお楽しみに!!」




正装した男女VJが、軽快なテンボで進行。

CD販売やDL数、着歌など総合データからランキングを決定し

ベスト10圏内に入った楽曲を生出演して歌う番組が

夜のカウントダウンスタジオだ。




番組は

今年の【キラコン】出身者が全員ランクインするということで

キラコンの審査員の如月英治や坂本あけみ

そして小村鉄馬とジャーニィー坂野がゲスト出演し、ランキング発表前から期待が高まっていた。




「それでは早速ランキング・スタートです!!」




スタジオ裏のモニター室には、長谷川修、如月英治。


『ガチャ』 そこに藤原紀子が入ってくる。


「長谷川っ シナショウ(品川翔子)だいぶ場慣れてきたみたいね、緊張してなかったわ」


森田プロ所属の品川翔子は、【恋の空手チョップ!!】でじわじわと人気を獲得

写真集との相乗効果で7位にランクインしていた。




「ヒュ~っ、相変わらず良いプロポーションだね紀子っ」


「ぐっぉっ、きッ如月くん・・・何でココに居るのよ」




「俺のユニット【スシネタ】のプロデューサーがココに居ちゃ可笑しいかい?」


「そんな事は無いわよっ別に・・・」




「俺も一応ゲスト(キラコンの審査員)なんで、直ぐに出て行くよ」

赤い顔でもじもじしている様子は、何時もの藤原紀子では考えられない。


そんな藤原に、如月はサーバーから注いだコーヒーを手渡す。

「あっアリガト」


「ところでさぁ、紀子に頼みがあるんだ」




「頼み?何よ改まって・・・」


「星野愛と連絡とれるかなぁ?」




「ぶっ!! その話をしたくてコーヒー持ってきたの!!」

コーヒーを口から噴出し、頬を膨らませる。


「何怒ってんだよ」




「如月君っ、そんな事 紀ちゃんに聞いたら失礼だって」長谷川が笑いながら如月に話す。


「なんでだよっ 長谷川が教えてくれれば、なにも紀子に聞きませんよ」




「だから、さっきも言った通り 愛には、この番組で会えるよ」長谷川が間髪入れずに答える。


「気休めだろっそんな話」




「気休めじゃないわよ如月くん」


「この目で見るまで信じないね」如月はそう言って、両手を上に向け信じられませんのポーズ




「紀ちゃんっ川崎君は順調にこちらに向かっているのか?」


「ええ大丈夫よ、さっきスッポンの梨木から連絡入ったわ」


「川崎君とかスッポンの梨木とか俺の天敵ばかりの話じゃねぇ!?」




「今日の夜のカウントダウンスタジオのキーパーソンたちだよ」


「キーパーソン?」




「そう、愛が最後に仕掛けるアトラクションのね」藤原紀子が口を挟む。



「そして、その扉を開けるのが川崎拓都くんなんだ」

長谷川が返すと如月は


「アトラクション?そんな夢見たいな話、信じられるかよぉ」と呆れ顔




「そうよ信じられないことが起るってことよ」


「笑わせる話だな・・・お前らの脳ミソ疑うね」


「如月君こんなとこで油売ってていいのかい?そろそろキミのユニットの出番だぞ」




「おっとぉ、こりゃ失礼」イソイソとモニター室から如月英治が出て行く。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

横浜グランデューナ国際ホテル




「浜田未来の出番は最後なのか?」


「はいランキングでは最後の出番だと聴いております。」




「ランキングが終わったら、いよいょ星野愛のイベント開始ってこと?」


「その時に浜田未来と鈴原藍の移籍の発表は間違いないと思われます。」




「くそっ、鈴原藍だけならともかく未来ちゃんまで森田プロに引き抜くだとぉ」


「お嬢様、いや社長がご判断なさった事なので・・・・・・・・・」




「結局 里香決めた事しょ、ボキがこのまま引き下がる訳にはいかないしょ」


「もうヤメてください会長ぉ、お嬢様が警察沙汰にしない様に話し合った結果でしょ」




「伊藤くん、何時からボキに口答えするようになったしょ」


「しかし・・・・・」




「ボキをこのホテルに閉じ込めれば済むと思ってること自体、浅はかしょ」


「1Fフロアはお嬢様が手配した監視員が数名いらっしゃいますので、ここからの脱出は無理かと」




「誰がここから出るなんて言ったしょ」


「えっ」




「電話をするしょ」


「電話ですか?」




「ボキの知り合いは沢山いるしょ」


「・・・・・・・」




「まずは、関東スポーツに連絡するしょね」

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