ラブソング15
横浜中華街
「ごめんね拓都さん」
「えっ何がだよ」
「セッカク中華街まで来て、お店を見つけられないなんてぇ」
「そんな事 気にしてんのかよ(^o^)」
「だって、美味しそうなお店チェックしてきたのにさぁ」
「中華街だったら幾らでもお店あるじゃん、2人で美味しそうな店 見つけようぜ!!」
「うん2人で探そう!!」
「でも、何か空の状態が怪しいなぁ~雨が降ってくる前に何とかしないと」
「って、えーーーっ、降ってきちゃったよ拓都さん」
【ザアァァァァァーーーーーーーーーー】
「げっ 速攻で、どしゃ降りかよっ!!」
交差点の横断歩道で信号待ちしていた2人は、屋根のある場所に行く前にずぶ濡れ
「なんだよこれぇ~」しなしなな前髪を持って僕
「びしょびしょだよぉ」フワフワだったミニスカートの両端を摘んでめぐるちゃん
「なんか、服絞れば水が出てきそうな勢いだな・・・」僕が呟くと めぐるちゃんは微妙な表情
「なんか雨で服が透けちゃってるみたい・・・」
「うおっ」マジでエロイ状態に・・・・・・・
「えーんっ、恥ずかしいよぉぉぉ」
「チョット待ってて、めぐるちゃん」
そう言って僕は、近くにあったユニクロとコンビニを3分以内で駆け巡る。
「お待たせ!! 早速、着替えよう めぐるちゃん」
「うんっ、でも着替えるったって ここ中華街だよ」
冷静になって考えれば、ビルのトイレでも着替えれたハズだった。
僕らは、気が動転していたのかもしれないし
お互い そうなる事を求めていたのかもしれない。
いずれにしても、僕らの選択したのは近くのホテルに入る事だった。
----------------------------------------------------------------------------
神谷医院 個室
「どうかしたか 愛」
「忙しいのに、ごめんね 修」
「ぷっ 下の名前で呼ぶなんて何時ぶりだい?」
子供みたいな笑顔で答える長谷川修
「あの時、修に助けて貰った後以来かな」
「そうか、俺がマネージャーでキミがタレント 2人だけの会社誕生だったよな」
「そう、2人だけでやっていこうと誓った日からだね」
「でも直ぐにやっていけなくなるなんて思ってなかったよ」
「修は頑張ってたじゃない、それはエムベックスの力が大きかったって事よ」
「ああっ森田社長に拾ってもらわなかったら、ここまでやってこれなかった」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「ねえ 修 」
「なんだい 愛」
「わがまま聞いてくれてありがとね」
「急に、どうしたんだい」
「最近色々と振り回しちゃたじゃない」
「川崎君の事かい?」
「そうよ」
「俺はワガママだなんて思ってないよ、それにお気に入りなんだろ川崎くんは」
「そうね・・・私のお気に入りの川崎くん・・・」
「彼は人を惹きつける不思議な魅力がある子だよ、俺も気に入ってるんだ」
「川崎くんが困った時は必ず助けてあげてね」
「わかってるよ」
「川崎くんみたいな男の子・・・子供に欲しかったな・・・・」
「子供が欲しいなんて、結婚の申し込みかい」
「こんな体で、結婚も子供も無理よぉ修」
「どうしたんだよ弱気になっちゃって、愛らしくないなぁ」
「ふふっ そうね」
「そうだよ 笑顔でいれば直ぐ治るって」
「笑顔ねぇ・・・それで治ればいいんだけど・・・」
「絶対治るよ、俺が保障する!!」
「保障するぅ?」
「じゃ、 チュウして」
「チュウってキスか?」
「修のチュウがないと保障できないってことよ(^^)」
「アホかっ」
2人はゆっくりと大人のキスを交わす。
「ありがとう」
「キスしてありがとうはないだろ」
「うぅぅん、修に出会えてよかったわ」
「わかってるよ」
「わかってるって自分で言うのぉ?」
「もちろん」
「ハハッ」
「ははっ」
「笑ったら眠くなっちゃったわ」
「ゴメン ちょっとハシャギ過ぎた、ゆっくり休んでくれよ 愛」
「うん、じゃまた」
「明日、また来るよ」
「バイバイ」
『バタン』
「ありがとう 修・・・・・バイバイ」
星野愛は
そう呟いて、目を閉じる。
少し空いた病室の窓からは、水分を含んだ重い空気が病室に流れはじめていた。