表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/59

ラブソング13

【土曜日 エムベックス 会長室】



「どうした里香?」


「森田社長と何かお話がありましたか?」




「森田って森田ブロの森田くんの事か? ボキは知らんよ」


「先日、森田さんからお電話で連絡がございましたのぉ」




「で、用件はなんだったんだ。」


「それが、お食事しながらお話をしようとお店にお招きしたんですが・・・」




「・・・・話出来なかったのか?」


「はいっお父様と直接お話したかったらしく、お店から帰られてしまって」




「ボキと直接 話・・・」


「セッカク、デザートもトッテオキの物を注文したのに 里香とっても残念です。」




「うむっわかった・・・森田には後日ボキから連絡しおく」


「お父様っ、その席には是非わたくしも同席させていただけますか?」




「里香を同席・・・森田はボキに話があると言うのであれば必要はないしょ」


「お父様っ、わたくしはもっと森田毅様の事が知りたいのです!!」




「あれから10年以上も経っているのに、まだ森田のことが諦められんのか」


「だってお父様っ」




「ここは会社しょ、個人的な話は慎むしょね・・・ところで鈴原藍はどうだ?!」


「あっ ハイ、スベテにおいて完璧順調です。ビックバン・キャンペーン開始の頃合かと」




「スベテにおいて完璧だとぉ・・・・・」


「はいっ、他類に観ないほどの仕上がりぶりです。」




「そうか、そうか、なら最後のレッスンをしても良いしょ」


「最後のレッスン???」




「本日19時に、横浜グランデューナ国際ホテルに鈴原藍をよこすしょね。」


「横浜のグランデューナ国際ホテル?・・・・ってマサカお父様っ!!」




「最後のレッスンは、ボキとの顔あわせしょ」


【顔合わせとは、会長の水上とベットを共にすることをさしていた。】




「お父様っ、もう それは・・・・・・」


「最高のアイドルは、大人の世界を知っておく必要があるしょね」


--------------------------------------------------------------------


昨晩、僕の携帯に

正徳からデレデレ声で誕生日デートの報告があった。


本題の話まで、どうでもイイ話がダラダラと続くので割愛する。

要するに話しかったことは、ガッキーニからのプレゼント内容だった。


ガッキーニからプレゼントされた物は

誕生日前日に見に行った、バイク用のグローブと


ガッキーニそのものだったんだ・・・・・・・と。


ガッキーニそのもの?


ガッキーニそのモノ?


ガッキーニその者??


ってマサカ!!


ガッキーニとエッチしちゃったって事




えっえっえぇぇぇーーーーーーーーー!!!


本当に、しちゃったんですかぁ!!!



確かにクラスでも初体験したヤツの話は聞くけど

身近な正徳が経験したと聞くと動揺は隠せない。



それも相手が超カワユス・ガッキーニ


うううぅぅぅーーーーギガント・ウラヤマシス。



そんな話を聞かされての本日は

吉田めぐるちゃんとの退院祝いと言う名のデート

意識するなと言われても、正徳の報告が頭から離れることはない(汗)


待ち合わせは パフィシコ横浜

楽器フェアをやっているってことで決定したのだ。


「お待ちどうさま☆川崎君」


「おっおうっ吉田さん」




「何かカックイイくなったんじゃない?川崎君」


「へぇ僕が?」




「そうっボクがだよ☆」


「吉田さんの学校には、お世辞を教える教科なんてあるの?」


「そんなのあるワケないでしょ、アハッ☆」


久しぶりに会った吉田さんは、少し髪が伸びたからなのか大人びて見えていた。

僕が考えていた通り純粋無垢に育っている。


そんな吉田さんに変な想像をしてしまったのは

正直、失礼だと思った。




「吉田さんっての、他人行儀に聞こえるから止めてくれないぃ『めぐる』でイイよ」


「ええっ急にいわれても戸惑うよっ」




「じゃワタシは『拓都さんっ』て呼んであげる」


「拓都さんって、ぶっ」




「何わらってんのぉ」


「じゃ めぐる ちゃん」




「ぷっ」


「ああっ吉田さんだって笑ってんじゃん」


そんなイイ感じのノリでスタートした2人だけの退院祝い

鈴原や正徳が、僕から遠ざかっている寂しさを

他愛も無い笑が埋めていく。




「ねえねえっ、これって拓都さんの持ってるギターじゃないのぉ」

楽器フェアの会場を一通り回ってみるとクラッシック・ギターのコーナーがあった。


「ホントだ、鈴木バイオリンのアコギ。随分程度がイイなぁ」




「これって試し弾きできるんですかぁ~」

と速攻で、コーナーの展示員にめぐるちゃんが聞いている。


すると、食い入る様な目つきのめぐるちゃんを見て『少しなら』 と渋々答える展示員。




「無理言うねぇ~めぐるちゃん」


「あらっ、ギターフェアに来た理由は拓都さんの曲を聴く為だったでしょ」


「まっ確かに そうだけどぉ」

家からギターを持ってきて、街の中をウロウロするのは非効率だと

楽器フェアを選んだのだ。




「早速、完成した自慢の曲を弾いていただけるのかなぁ?」


【ボロロン】「もちろん♪」


アノ曲を人に聴かせるのは久しぶりだったが、別に肩に力が入ることも無い。


弾き慣れたフレーズ


鈴木バイオリン製だからこそ出せる


柔らかな音の響き


弦から弾き出る響きが僕と一体化し、空間を包んでいく



(気持ちイイ・・・・・)



この曲を演奏していると、音と一体になれる不思議な感覚。


僕にとって特別な楽曲なのかもしれない。




演奏が終わると突然の拍手の渦

何時の間にか、人だかりが出来ていた。



チョットびっくり

目の前の めぐるちゃんは頬を高揚させて

右手でもう一回演奏して の仕草



人だかりの間からもアンコールの声



「まいったなぁ~」


そう言って展示員さんの方を見ると

縦に首を振っている。



「もう一回だけですよっ★」



そう言って、再度演奏を開始。


何か気持ちイイー!!

正直、僕は人前で演奏する喜びを知ったようかな気がした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ