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フェロモンの香り11

【うそつき の巻】



鈴原 藍の住むマンション





ガチャ


「ただいま〜って、誰もいるワケなかったか★」


ポストから取ってきた郵便物をチェックしながらリビングに向かう。




「何これ(驚)」




鈴原が封を切ったのは、ムジテレビ主催のコンテスト

【キラリン美少女を探せ!!】の書類審査合格の知らせだった。


「人の個人情報を勝手に使って、誰がこんなもの出したのじゃ★」


テーブルの上に郵便物を無造作に放り投げ

急いで部屋に向かおうとすると、バスルームからシャワーの音



あれママ帰ってたんだ。



ライブハウスに行く予定の藍は、開演の時間が迫っているので

母親に声をかけずに、制服から私服に急いで着替えた後

軽くヘアースタイルを直そうと洗面台に向かう。



すると

バスルーム沿いの通路には、母親が脱ぎ散らかした服やバックが散乱している。



母親が仕事に詰まると何時もこの調子



藍はヘアースタイルを整えて、散乱しているものを掻き集め

拾った衣服をランドリーボックスに入れながら、溜息をつく。


すると、バスルームから母親がひょっこり顔を出す。


「藍 お帰り」そう言って浴室から出ると

毛足の長いタオルを髪の毛に巻きつけ、チャコールカラーのガウンを羽織る。



高校生の子供がいるとは思えない、綺麗な体のライン



母親は地球環境など自然科学を取り扱う大学の教授

最近は環境コメンテーターとしてTV出演もこなしている

綺麗な体のラインはテレビ映りを気にしているのだろうか・・



「ママぁ 今日は事務所に缶詰じゃなかったのぉ?」


「家に資料を取りに戻っただけよ 藍の顔も見たかったしね」


そう言うと母親は、鏡に向かいドライヤーで髪をブローし始める。



テキパキと物事を進める姿と床に散乱している鞄を見比べて

母親の男っぽさに、また溜息をつく



藍自身の行動に思い当たる節が沢山あるからだ。





乱雑に放り出された母親の鞄を床から取り上げると

鞄の間口が大きく開き、便箋が ハラリと落ちる。



(何かしら・・・)



母親にむけられた手紙のようだった。



手紙を畳んで鞄に戻そうとテーブルにひろげると

その手紙の文末にふと目がいってしまう


【藍と3人でやり直さないか?】と言う文章で締めくくられている。



差出人は 毅志(たけし)


母親から死んだと聴かされている父親の名前だ。




(えっ!)




鞄の中の封書を確認すると差し出し住所はなかったが

消印は5日前



「どう言うこと?!」



困惑状態の藍とは対照的に

バスルームから鼻歌交じりで母親がやってくる。



「ママぁ!! この手紙 どう言うことぉ!!」


引きちぎれんばかりに手紙を両手で掲げ

母親に詰め寄る藍。



母親は一瞬驚いた表情になるが、直ぐに冷静に

「そんなに興奮しないで藍、誰かが悪戯して送ってきた手紙よ」


「嘘よぉ!!誰がそんヒマなことするって言うのよぉ!!」



「TV出演とか多くなって来ると、よくある事みたいなの ホント困っちゃうわ」


「よく、そんな嘘を咄嗟に思いつくわよねー」



「嘘じゃ ないわよぉ」


「絶対嘘よぉ ママの嘘つきぃ!!」


藍は手紙を握り締め、マンションを飛び出した。



「うそつき!!」


「うそつき!!」


「うそつき!!」


「うそつき!!」


「うそつき!!」


「うそつき!!」


「ママの大うそつきーーーーーーー!!」




興奮状態で早足で歩く鈴原

それでも足はライブハウス向かっていく





その鈴原の後を怪しげな2人組の男が後を着けていることも知らずに





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