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ラブソング12

それから一週間後

学校では期末試験

その試験に鈴原が久しぶりに現れた。



バラエティ番組数本とテレビの露出は少なかったが

トークや振る舞いが話題を呼び、人気は爆発寸前といったところ

試験当日だと言うのに、学校の男子は全員イロメキ立っている。


おまえらテスト大丈夫なのか???



「おはよう拓ちゃん」


「おはよう」


鈴原の態度が、普通過ぎて拍子抜けだけど

それが何故か嬉しい。




「試験勉強する暇あったのかよ」


「もちよっ、私を誰だと思っているのぉ」




「ちぇ余裕じゃん」


「拓ちゃんは余裕じゃないのぉ?」




「バ~カッ 余裕に決まってんじゃん」


「フフッじゃお手並み拝見ね」




「ところで、テスト終わったら時間あんのかよ」


「ごめん、この後戻ってレッスンなんだ」




「芸能人なみの殺人スケジュールだな」


「芸能人なみじゃなくて、ゲイノウジンなんですけどぉ」




「はははっそうだったなっ」


「な~んてねっ、当の本人は芸能人って感覚 全然感覚無いけどね」




「あんまり無理すんなよ」


「大丈夫よ、倒れそうになったら拓都に助けてもらうからサ」


「バーカ病気になったら助けらんねーよ」




『高校3年のテストもこの期末以外は実力テストのみとなった

大学進学組も就職組みも内心に入るテストだから気合いれてけよ!!』


『うぇ~い』


『なんだっダラシナイ返事は!! もう一回返事っ!!』


『はいっ』


『宜しい!!・・・と言う訳だ。それでは開始』

担任のヤマセン(山形先生)の決まり台詞でテストは開始された。




肝心のテストと言えば

難解な問題に、まざまざと現実世界に引き戻されてしまう内容ばかり。


(こんな問題解けないで、大学なんて受かりっこねーな・・・)

僕の前の席に座る鈴原は、スラスラと解いている様に見える。

(芸能界に入った鈴原は、大学受験をするのだろうか?)




そして

あっけなく、期末テストは終了し


あっけなく、鈴原は向かえの車で行ってしまう。



『携帯の使用、事務所から制限されてるけど必ず連絡するからさ★』


『お前からの連絡なんて、期待してねーよ』


『ふんっ、拓都のバーカ★』


結局、帰りがけに鈴原と交わした言葉は、それだけだった。




「拓都っ鈴原と何話たんだよ」興味津々っといった目つきで聞く正徳


「別に、テスト勉強してきたのかよとか普通の話」




「それだけかよっエムベックスには浜田未来とかエックスザウルスとかビックアイドル沢山いるんだぜ」


「だから何だよ」



「う~んっ、芸能界音痴はこれだから困るぅぅぅ」


「芸能界音痴? 何だよそれ・・・・・・・・・・」




「エムベックスの中枢にいるんだよっ、鈴原はぁ」


「バ~カ、鈴原はスパイか情報員かってんのぉ」




「・・・・・・・もっもったいない。」


「そんな話より正徳っ、久しぶりにマックによって行かねぇかぁ」




「ごめん拓都、この後 由美ちゃんと お約束♪」


「くっ、ガッキーニとデートかよぉ」




「俺の誕生日プレゼントを選んでくれるんだってぇ」


「そうか 明日、誕生日だったなっ」




「ムフフッ正解!」


「ってことは、明日もガッキーニと、お・や・く・そ・く ですかぁ」




「ムフフフッ またまた正解!!今日の拓都は冴えてるねぇ~」


「そんなの誰でもワカルだろって、しかしおアツイいねぇ~正徳殿」




「悪いなぁ~お前と付き合えなくて。 じゃなぁ拓都」


「ああぁ」

(なんだよっ、結局一人かよ・・・・・・)



仕方なく家路に向かうとポケットで携帯が震える。


【ダァーダァーダン・ダッダダー・ダッタダー】


(げっ、ダースベーダーの着メロ また如月英治?)


携帯電話の液晶画面を見るが、電話番号の表示のみ




(誰からだ?)


「はい、川崎ですが・・」


「川崎君? 私・私 ワカル?!」




「えっ誰?・・・吉田・・さん・・吉田めぐる・・ちゃん?」

(そう言えば、退院間際に携帯番号教えてたんだった。)


「あったりぃぃ~、久しぶり」




「おおっ久しぶり、元気だったかぁ」


「うん元気元気っ!! 川崎君はどう?」




「何とかやってるって感じかな・・ははっ」


「えぇー何で微妙な返事なのよぉ~、病院に居た時みたくギターとかガンガン弾いてないのぉ?」




「ギターは、もちろん弾いているけどって、ギターの演奏聴きたくなっちゃった?って訳じゃないよねぇ」


「フフッ ねえねえっ、退院祝いって一緒にやるって言ってたじゃん 川崎君の都合のイイ日にやろうよ♪」




「ああぁそうだった、一緒にやるって言ってたよなぁ」


「やろぉ~やろぉ~、勿論そん時は川崎君にはギターを弾いてもらいますからね」




「オッケイッ、1曲まともなの完成してるし誰かに聴かせたかったんだっ」


「ホントにぃ、じゃ何時にするぅ?」




「そうだなぁ~今週の土曜日なんてどう?」


「今週の土曜日 オッケイ、じゃ場所と時間はまた電話するね」




「了解、楽しみしてるよ」


「私も楽しみ、じゃぁねぇ」




突然の電話は

入院中に友達になった、吉田めぐるちゃんだ。


あっと言う間に決まった週末の予定に、心が躍っているのがわかる

鈴原や正徳に相手にされなかったから尚更だったのかもしれない。


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