ラブソング10
【大友酒店】←正徳の自宅
「どうだっ綺麗だろ」
「正徳が自宅に呼ぶなんて目面しいと思ったら地デジ対応のテレビ買ったってことかよ」
僕は呆れ顔でコーラをすする。
「う〜ん サスガ最新型ちゅ、鈴原殿の肌の発色も実にイイ」
ゴットシンがテレビ正面に座り、番組【めちゃくちゃイイ感じ】を真剣に見つめる。
「どんな見方してんですかゴット」
「凡人の拓都にはわかんねーんだよ」
正徳が僕の脇で棒立ちのまま答える。
「正徳殿っ録画はしてるでござるか?」
「もちろん、ゴットの指示のとおりブルーレイでございます」
「ぷっ 鈴原をブルーレイに録ってどーすんのぉ」
「そんなことはないでござるよ拓都殿、あのスマイルは他のタレントには出来ないでござる」
ゴットの言うとおり画面に映る鈴原は、学校で見る鈴原より数倍綺麗だった。
あんな笑顔を僕にしていただろうか?
「別人みたいだ・・・・・・・」
「何を言っちゃってるんですか拓都くん、正真正銘 俺たちの鈴原だよ」
「わかってるよ・・・・・・・」
「それだけアイドになる素質が鈴原殿には、あるでござる」
「そこまで言い切るゴットが、ムジテレビに直接見に行かなかったのは何故?」
ゴットシンの何時もの行動を察しながら聞いてみる。
「星野殿の件・鈴原殿の件で、梨木がオリ(俺)をマークしてマッスル」
「梨木が・・・」
「梨木も馬鹿じゃないでござる、ダテにスッポンの梨木と呼ばれてる訳じゃナイナイ」
「ゴットが梨木の標的ですか・・・」
「ゴットが標的と言うことは、俺たちも標的と言うことを忘れないように拓都くん」
偉そうに答える正徳
「僕たちも標的ってぇ? 何でだよ」
「なんでじゃ無いよっ、鈴原の友達ってだけで狙われても可笑しくないんだよ」
「・・・・・・・。」
「拓都殿は、如月英治と接触した少年と言うことで重要人物でござる」
「如月英治・・・・・・」
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【新橋駅のカフェで長谷川と世界のガモウ】
「悪かったな、今日一日エムベックスだったんだろう」
「うぅぅん、担当が浜田未来から 鈴原藍さんに急遽代わったから時間に余裕が出来たわ」
「急遽新人に担当変更とはエムベックスも穏やかじゃないなぁ」
「そうねぇ未来ちゃんの荒れてる姿を想像したくないわ」
「て事は、ウチの品川にも世界のガモウのレッスンが受けれるってことかなぁ」
「毎日はむりだけど、月曜と水曜、そして金曜の17時以降ならオーケイよっ」
世界のガモウが手帳見ながら答える。
「そうか、なら助かるよ」
「ところで、どーなのよ愛の調子は?」
「・・・だいぶイイよ、でも退院はマダマダ先だね」
「あら・・・そうなのぉ残念ね、また昔みたいに3人でツルメルと思ったのに」
「そうだなぁ昔はよかったなぁ〜何も考えずに前に突き進んでいた俺たちの良き時代だ」
「あら今だって変わらないじゃないのぉ、火星に飛んだのよ先日(笑)」
「はははっ」
「ところで愛のお気に入り、鈴原くんはどんな感じだい?」
「ゾクゾクする位いいわっ、10年に1人でるかどうかの逸材ね」
「やっぱりなっ」
「既に、エムベックス会長のお墨付きよ」
「お墨付きかぁ〜、それが心配なんだよなっ」
「よその事務所のタレントの心配するなんて長谷川らしいわね」
「ふふっウチが獲得しようとした娘だしね、それに・・・・」
「それに? 何よ」
「いやイイんだっ、でも鈴原くんに何かあったら連絡してくれ」
「いいわよっ、そのかわり今度一杯おごってもらうわよ」
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