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ラブソング7

【最終審査の巻】



そのころ

サテライトスタジオでは審査員の質問による最終審査が開始されていた。


「キラリン美少女を探せの審査もいよいよ終盤ですよぉ」


【わあああぁぁぁーーーーー】




『さぁさぁさぁ!! 如何なもんでしょうか皆さん!!』


『もちろん最終審査はお馴染みの4人の審査員によるフリートークタイムです!!』


『より突っ込んだ質問と本音に迫る回答にご期待ください。』



キラリン美少女候補生の6名が審査員の前に座らされると

基本的な質問が2,3

恋人がいるのか? とか趣味は何か? とかの類いの質問


6名の返答は全員、恋人は無し

趣味は音楽鑑賞やら映画鑑賞などの無難な回答だった。



「ふむっ、つまらん・・・・プライベートは優等生な回答ですか・・・」

ジャーニィー坂野が不満そうに呟く。



「6番の清原くんは聖歌の他に得意分野は何かね?」

そうとう気にいったのか小村鉄馬が清原麗華のみに質問する。


「最近はダンスミュージックに興味がありますが、一番好きなのは演歌なんです。みちくさ一人旅なんか最近のヘビロテです。。」



「えっえっ演歌ってぇ北島二郎のみちくさ一人旅ってことか?」


「ハイ、北島殿に会えたら私 死んじゃうかもデス。」


清原麗華の回答を聞いて黙り込む小村鉄馬




その状態を見て、ジャーニィー坂野が鼻でせせら笑う。

「入れ込み過ぎじゃないのぉ鉄馬さん」馬鹿にした口調で小村鉄馬に言葉をかける。


すると

「うん、良い!! 良いではないかぁ!! 歌唱力の裏に演歌ありっ!! うむっ創造力が掻き立てられる!!」と小村


「はぁ〜」意外な反応に審査員一同が目を丸くする。




その内容に刺激されたのかジャニィー坂野がエントリーNo,1の品川翔子に質問


「肌を露出するのは平気かね、ウン?」


「えっ」




「グラビア本を出す場合は、それなりのショットが要求されるからね〜コレ」


「裸になるって事ですか・・・・・」



「キミのボジィなら世の中の男子(だんし)はノックダウン確実、正にパーフェクト」


「私、脱ぐのは・・ちょっと・・・・・」




「脱ぐのはNGってことかなっコレ」


「いやっ・・あのぉ・・そのぉ〜」




「ヘアーヌードとか、そういうモノではなくキワドイセンスって感じなんだがなぁ、ウン」


「スイマセン 母に、肌の露出は出し惜しみしろって言われているので・・・」




「う〜ん、瓦を割る度胸のよさからスパッと脱いでくれるかと思ったんだがねウン」


「ぷっ、そうそう旨く行くかってんだよエロジジイ」横から小村鉄馬がチャチャをいれる。


するとジャーニィー坂野が

「でも・・・そのしっかりした貞操観念が、逆にそそられるではないのコレ」と発言



小村鉄馬の一本取られたという表情に、司会も会場からも笑が起こる。





笑がひと段落すると

今まで黙っていた坂本あけみが、鈴原藍に質問


「登場から随分奇抜な演出でしたが、どんな意味が込められているのか教えてもらえますか?」みんながが聞きたかった質問を投げかける。



「うふっ」笑顔を見せゆっくりと喋りだす鈴原


「注目を浴びたかったんです・・・・。」


「えっ」




「出来るだけ注目を浴びたかったって事です。」


「注目って目立ちたかったってこと?」




「ハイ」




【ザワザワ】会場がざわめき出す。




「注目される為って言ってるけど、審査に良い発言には聞こえないわよ」


「ええっでも本当に注目してほしかったから・・・・」




鈴原が力なく答えると会場から野次が飛ぶ


「ふんっ学園アイドルの延長かよっ」


「キラリン★コンテストをバカにするなよ!!」





「みなさ〜ん、お静かに!!」




司会アシスタントの中島富美が会場を制止


会場が静かになったのをみはらかって坂本あけみが続けて口を開く



「注目してもらにしても限度を超えた演出だったわよ」


「・・・・・・・・・。」




「それなりの理由がある筈ね」


「理由ですか?」




「そう理由よっ」


「理由は・・・・私のお父さんを・・見つける・・・為です・・・」




「おとうさん? お父さんを探す為って、行方不明なわけぇ?」


「行方不明ってわけじゃ無いみたいなんですが・・・・・・」




「わけじゃ無いみたいって、どう言うことよぉ?」


「ん〜そこんとこは複雑なんで、割愛させて頂きまーす★えへっ」





「今の時代には不似合いなメロドラマチックな要素も持ち合わせる娘か・・・・・」

ジャーニィー坂野の目の色が変わる。


「この発言も彼女の計算なのかもな・・・・」小村鉄馬も呟く




「コホン、他にご質問はございませんか?」仕切り直しとばかりにマイケル寺岡


すると傍観していた如月英治が口を開く

「No,2からNo,4の娘に質問するんだけどぉ、お前ら芸能スクール一緒だろ?」


「はい」3人とも頭を縦にふる。




何で解かったのかっ と言う顔でジャーニィーと小村が如月に驚きの眼差し


「コメントの内容とかスクールで教えてもらったまんまなんだろ?!」


「すっすいません・・・・・」3人とも顔を赤らめる。




「だから、他の3人に注目が行っちまうんだよ!! お前ら本物の個性がねえのかってんのぉ!」


「・・・・・・・・・・・・」3人は今にも泣きそうな状態




「如月さんっ質問のコーナーなので私的なコメントは控えてもらえませんか?」


如月の暴走発言を制止すべく中島富美がやわらかい口調で制止する。




「ジャーニィーさんも小村さんも眼力落ちたねぇ」横の2人に向け嫌味なコメントの如月


「なんだとぉ、しっ失敬なっ!!」


「そうだとも、スキャンダルまみれのあんたに言われる筋合いはないぞぉ」

ジャニィーと小村が相次いで答える。





すると、如月英治が薄ら笑を浮かべ 前にいる3人に指示をする。


「もう一度、一人づつ名前を言ってみなっ」



【えっ】という表情の3人

「いいから大きい声で言ってみな」


「エントリーNo,2番   上戸まや」


「エントリーNo,3番 中川涼子」


「エントリーNo,4番  下村真琴」




「よしっ イイ声だ」そう言うと続けて指示をだす。


「小村さんの作った曲、エックス・ザウルスの曲に合わせて3人で踊ってみろ」


「おいっフリートークのコーナーだぞぉ」ジャーニィー坂野が怒鳴りだし


「エックス・ザウルスはハイテンポなダンスだ、彼女らのレベルでは恥をかくだけだ」と小村鉄馬まで声を荒げる。




(でも、3人の表情がさっきと違って明るくなったわね・・・)


坂本あけみは状況が変化したのに気づき司会者にコメント

「3人が嫌じゃなければ、やらせてみたらどうかしら?!」




「そうですねーどうでしょうか? 3人さんの意見は」

すると「もちろん、やります!!」と元気のいい返事



小村鉄馬の楽曲エックス・ザウルスが流れはじめると

申し合わせたかのように3人がパートも交え踊り始める。




【おおーーーーーーーーーー】会場からも歓声




「小村くん、マニアックスにダンスやらせるより良いのでは?」

ジャーニィー坂野が小村鉄馬に真顔で聞く


「えぇぇ数倍イイですよ・・・・・・・」小村も真顔で答える。





曲が終わると、勝ち誇った様に如月英治が喋りだす。


「ってこと・・・彼女らは単体では光ものは無いけど3人なら何倍にも光る」


司会の2人も含め、会場の皆が納得


「そういう事だから、彼女らの審査は3人まとめてやってくれよなっ」

髪の毛を掻き揚げながら如月




「3人一緒ですかぁ? ん〜どうでしょう? 審査員のみなさん」



マイケル寺岡が他3人の審査員に聞き返す。


もちろん3人とも異議なしの回答

もともと堅苦しいルールの無いのがウリのコンテスト

会場はもちろん盛り上がる。




(やるわね如月君、これで候補生全員の格差が無くなったってワケね・・・)

如月の眼力に関心する坂本あけみだった。


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