フェロモンの香り10
【彼女の巻】
ライブハウスに到着すると
アマチュアバンドのライブを数グループ演奏予定のイベント
その演奏者に先輩バンド【ブービートラップ・ファンキーマガジン】があった。
「なるほど」メットを外しながら僕が頷く
「大学に行っても先輩たち、まだ やってると思わなかったろ」
「ああっ驚きだっつーか、あの3人の演奏をまた見れるとは思わなかった」
ラハブハウス脇のスペースにバイクを止めて、入り口に向かうと
入り口前に、背の低い女の子が声をかけてくる。
「おそぉーーい まさちゃん」
「えっ ガッキーニ?!」僕は驚いて、正徳の顔を見る
「えへへへっ」
「えへへって、正徳 ガッキーニと付き合ってんのぉ(驚)」
「ちょっと言いそびれてましたぁ〜♪」
「マジかよっ!!」
「まさちゃん拓都さんに話してなかったのぉ」
二重の瞳をクリクリと動かしながら、甘えるように正徳に聞く
「ごっごめん拓都、例のマックのガッキーニこと 由美ちゃん」
「はじめましてって言うか2回目かなっ由美ちゃんデス(^o^)/」
「あっ 川崎 拓都です よろしく」 しかし笑顔カワユス、ガッキーニ
じゃなかった 由美ちゃんか・・・
僕に黙って付き合いやがって正徳のヤツ
悔しいぞぉ って言うか、2人の熱々ぶりを
これから見せつけられるかと思うと嫌になってしまう。
「正徳〜っ これじゃ僕がお前らのデート邪魔してるみたいじゃねぇ」
「何言ってんだよ拓都 お前の彼女も呼んどいたんだぜっ」
「僕の彼女ぉ・・・?」
意味不明の発言をした正徳に促され、ライブハウスに入店
照明を落とした店内
微かにスモークの香りが漂う
開演時間も迫っているのか結構な客の数
ほとんどが先輩バンド【ブービートラップ・ファンキーマガジン】目当てのようだ。
僕たちの母校出身ということだけでも、何か鼻が高いぞぉ
正徳が店内をキョロキョロと見わたす
「あっれ〜オカシイなぁー 来てないみたいだ・・・」
「来ていないって、誰がよぉ」
「お前の彼女っ 鈴原だよ」
「なっ☆ 鈴原って 僕の彼女だったのかっ!?」
「あれーっ違ったのぉ てっきり デキてんのかと思ってたよぉ」
「正気か正徳っ だって鈴原だよ あの毒舌鈴原だぜっ」
「正気かって正気だよ 3年の男子では人気高いぜ 鈴原ぁ」
「鈴原がかっ・・・・・」
「ああっ お前がいなければ結構な人数コクってんじゃねーたぶん」
「マジで・・・・?」
「俺も由美ちゃんと付き合わなかったら、100% 鈴原 派 だけどな」
「嘘だろぉー」
「灯台下暗しなんだよなっ拓都は、最近の鈴原は胸も結構膨らんできて色気も出てきたツーか ちょっとした学園アイドルだよ あいつ♪」
「・・・・・ホントかよ?!」
「なに2人でヒソヒソ話してんのぉー」
僕と正徳の腕を掴んで、演奏舞台前まで人だかりを押しのけガッキーニが進んでいく
程なく最初のバンド【怒れポンチ】の演奏がはじまった。