表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/59

アイドルの価値6

【噂と決心の巻】



退院して数日後





退院したら普通の学生生活に戻れると思っていたのだが

既に夏休み突入中


もちろん補習で僕は学校に登校していた。




むせ返る暑さと、うっとうしい蝉時雨の中

毎日、山形先生と顔を合わせるとは思っていなかった。



救いは、補習生徒の中に正徳がいることだけ



トホホホ(泣)




開けっ放しの窓のカーテンが微かに揺れる教室の中

数学の補習授業をする山形教師

『とまぁ〜そう言うことで・・・・ここの方程式を使って・・・それぞれをあてはめると・・・・・』



〔どーでもイインですが、超眠いんですけどぉ正徳ぃ〕


〔特に数学は催眠術より効きますな〜拓都殿〕



〔せめて教室にクーラー付けてくれってんのぉ(蒸)〕


〔右に同じく、強く賛成!!〕




【カキーン <レフトーさがってぇ!!>】校庭では女子がソフトボールの練習をしいてる様子




〔しかし、こんな暑い時間にグランドでソフトボールですか?〕


〔明後日、決勝らしいよ県大会のぉ〕



〔スゴォ そんな強かったっけーウチのソフト部〕


〔ピッチャーをヨク見てみなよぉ〕




『うわっ 鈴原っ!!』



『はいっ そこっ!!  川崎拓都っ この問題を解いて』


「はへっ?」



『はへっ じゃないだろ 授業中は校庭じゃなくて黒板を見るものだ!!』


「すっすいません」




【うりぁぁぁぁぁぁぁ】


グランドからは鈴原の唸り声が聞こえてくる。


【どぁぁぁぁぁぁぁぁ】



「カナリ気になる声がするもんですから・・・つい・・・」


『明後日は決勝戦なんだから、気合が入って当然だろ まっそう言う訳だ』




〔お袋さんと喧嘩したんだとぉ鈴原〕


〔でっズーっとあの調子なのぉ?〕



〔ソフト部としては、あのままの方がイイみたいだけどぉ(笑)〕


〔・・・・・・。〕



〔ところで鈴原から例のDVD、還してもらったのか?〕


〔もちろん、星野愛のレアDVDは俺の宝物だからなっ〕


〔ふふっ〕



〔星野愛と言えばさぁ、最近ネットで妙な噂がひろがっててさぁ〕


〔なんだよっ・・・妙な噂ってぇ?〕



〔ムジテレビの深夜にやってる特ダネ特捜部隊で、星野愛の独占取材を生放送でするって噂〕


〔どっ独占取材っ?! 生放送でぇ?!〕



〔編集のきかない生でやるなんて、さすがスッポンの梨木はヤルことが違うね〜〕


〔なに梨木を褒めてんだよぉ正徳っ!!〕 思わず立ち上がる拓都



〔何怒ってんだよっ拓都!!〕



『はいっ そこの2人、煩くて授業にならないだろっ! 走って頭冷やしてこいっ 校庭20周!!』




「あちゃー!!」




だらだらと僕と正徳は校庭に出る。


「どうしたんだよ拓都っ そんなムキになるなんて、俺 怒る様なこと言ったか?」


「いやっゴメン そんなつもりじゃ無かったんだ・・・・」




(噂なんかじゃないんだ・・スッポンの梨木に独占取材なんて・・絶対僕のせいだ)




『おーい★』マウンドの上から鈴原



「げっ鈴原っ!!」


『補習授業終わったのぉ』



「・・・・・・。」校舎にある時計を確認して2人は同時に頭を横に振る。



ベンチの生徒に声をかけ、鈴原が僕らのところに駆け寄ってきた。


「もしかしてヤマセン(山形先生)に怒られたとか?」


「なんで判るんだよっ」と僕



「退院後の自主トレかと思ったわ」


「デキが悪いもんで・・・・・・」頭をかきながら正徳


「悪くとらないでよ まさ君、そんな風に言ってないんだからサッ」




【コラーッ!! 油うってないで、ちゃんと走れぇぇぇぇ!!】

校舎の窓から山形先生がゲキを飛ばしている。




「ゴメン鈴原っ 先生もああ言ってるんで行くなっ・・・明後日の決勝がんばれよっ」

正徳がそう言うと

「私は試合に出ないけどぉ大丈夫よ、優勝するわ★」と鈴原



「鈴原が出ないって、今日の練習はなんだよ」と僕が聞く


「ストレス発散よっ 拓都ぉ」



「ストレス発散って意味わかんねーっ、何で試合に出ないんだよぉ」


「ふふっ 明後日のその時間は、2次審査があるのよぉ」



「それって鈴原ぁ!!!、キラリン美少女を探せの審査に行く決心がついたってことかぁ!!!」

目をランランと輝かせる正徳




「行かないって言ってなかったっけぇ?」僕が驚いて聞く


「あらっ拓都だって、勧めてくれてたじゃないのぉ」




【お前らぁぁぁあと10周追加するぞぉぉぉ!!】

校舎の窓から、また山形先生がゲキを飛ばしている。




「そんじゃ、後19周走らなきゃいけないんで行くわ」校舎で叫ぶ先生を確認しつつ僕


「絶対、応援いくからなっ!!」正徳が拳を握り締める。



「ほら正徳いくぞぉ」拓都が正徳の襟を引っ張って走りだす。


「がんばってぇねぇ★」




「しかし、どう言う心境の変化なんだよ 鈴原は・・・・」


「まっ身近からアイドルが出るかもしれないなんてワクワクするじゃねー拓都ぉ」



「まっ審査通ればの話だけどぉなっ」


「星野さんの独占取材の真相調査といい、忙しい夏になりそうだぞぉ今年はー!!」


「なに勝手にテンションあげてんだよ正徳」



校庭を走るスピードがじょじょに上がる正徳



「おいおいっそんなスピード上げたら20周走りきれないゾォ」



汗だくで校庭を走る2人、グランドではソフト部のナインに鈴原のゲキが飛ぶ中

南側にあるプール後ろからは、入道雲がモクモクと沸き立っていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ