平和そして終わり
ランクアップして数日後、ハヤテはふと疑問に思ったことがあった。
(普通の冒険者の体力とか魔力ってどのくらいなんだ?)
ついこの前の戦いの時、ハヤテは魔法使いの冒険者がいないように思えた。魔法の弾幕を飛ばす者はいたのだが、あまりにも弾が小さく、弱々しかった。だからぶっちゃけ魔力足りないんじゃないかという考えに至ったのだ。そう思ったハヤテは早速ギルドにいたランクB冒険者を鑑定することにした。
ーーー
サカーロ
体力 1100/1200
魔力 24/30
ユニークスキル
剣術 A
うそだろ。
そう思ったハヤテだったが試験のことを考えたらそれであっているのかもしれないと考えたハヤテだが、それでも信じきれなかった。頭の中からそのことを無理矢理無くしてしたいことを思い出す。
「身体能力強化と武器生成か。するか」
そう心の内に決めたハヤテは早速ラキスイ平原に向かった。
「まずは………常時身体能力強化 【絶】……と、常時五感強化 【絶】、常時勘・気配察知強化 【絶】」
ハヤテが使用したのはその名の通りの効果だった。【絶】というのは、【絶大】の短縮であり、この状態であれば、並大抵の冒険者はまったくといっていいほど歯がたたない。そしてこの状態になったことにより、殺気や尾行の気配がよくわかる。
「さて、次は武器生成だな」
ハヤテは自分が日本にいたときの知識を駆使してなんとか武器をいくつかつくった。
「そうだな………まあ無難にソードブレイカーをつくってみるか」
ハヤテは考える。剣を受けて壊す武器となるととても頑丈な金属でないと駄目だと。そこで思い付いたのが……
「炭素鋼か」
炭素鋼。またの名をダイアモンドというのだが、その硬さは金属でもかなり上位に位置する。そしてついに……
「生成 ソードブレイカー」
ガシッと金属のひんやりとした感触が手に伝わる。こんな感じでたんまりと武器をつくった。
薙刀 ミスリル 3つ生成
モーニングスター 炭素鋼 3つ生成
ワスプナイフ 炭素鋼 10つ生成
パルチザン 火炎鉱石 5つ生成
大鎌 火炎鉱石と炭素鋼の合金 2つ生成
鎖鎌 ミスリル 3つ生成
投合槍 銀 500つ生成
このような武器を黙々とつくったハヤテだったが、なぜこんなに武器をつくったのか。そう思った人もいたかもしれない。その理由は、自分の使う武器のパターンを覚えられると、戦いが不利になることを恐れたからだ。
「……とりあえず銃とワスプナイフを鑑定しとくか」
ーーー
通常銃
スキル
なし
ワスプナイフ
一見ただの短剣に見えるが、その剣先からは超高圧のガスが噴出され、刺さっている部分から悪くて全身木端微塵、良くてその周りが瞬間冷凍されてほぼ動かせなくなる。
スキル
なし
へー。と思ったハヤテだったがここでざわつきに気がつく。
「………これは………」
そこには幾多もの武装した人がこちらに、正確にはおっさんの虜があった街に殺気を放って向かっていた。
「あれは……なるほど。魔族とその王か。ちょっと戦ってみるか」
ホーネットクラウドとレイジングブラストを発動。それと同時に魔族が次々と体を四方八方に飛び散らして死んで行く。
「!!!?なんだ!敵襲か!?偵察は何していたんだ!?」
「偵察はもう死んでいま…グァ!」
「おい!しっかりしろ‼グフ!」
こうして世界一強いと言われてきた魔族は滅ぶのだった。こうしたままハヤテは平和に冒険者をするのだった。
ーー
これで本編終わりです。初めてなのでご了承下さい。
もしかすると続きを書くかもしれません。