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赤き少女と青き王子  作者: 豊
3/16

出会い

~ゼウス王国・王室内~




一人の男の子が元気よく王室内を走り回る。それを見て微笑む国王と王妃。

そこに先程の兵士が戻ってきた。


「報告致します。先程村から戻り、赤髪の子を牢屋へ連れて行きました」


 国王は顔を引き締め「ご苦労、下がれ」そういうと席を立つ。


 それを見た男の子は「父上、どこに行かれるのです?僕もお城を探検に行きたいのですが」


 国王は王子の楽しそうな姿を見て頬が緩む。


「レイン、私はこれから書物庫で仕事があるから一人で遊びなさい。城の中ならどこでも行っていいぞ」


レインは、大喜びで王室から飛び出した。



レインは地下へと足を進めて行く。


「ここはどこだっけ」


 しばらく歩くと鉄格子で囲まれた沢山の部屋があった。その鉄格子の中に、一人の女の子を発見した。


「ねぇ、なんでそんな所に入ってるの?」


 女の子は座ったまま下を向いて動かない。



「聞こえるー?」レインの発したタイミングで


 「うるさい!!」女の子は大きな声で怒鳴りつける。



  少し驚いたレインはおどおどしながら口を開く。「ね……ねぇ、なんでそこにいるの?」


  女の子はレインを睨み、「私が赤い髪だから……」そこまで言いかけて女の子はまた顔を下に向けた。


「なんで赤い髪だとそこにいるの?」レインは興味津々で女の子に質問をする。



 すると先程の兵士達がやってきた。


 「レ、レイン王子なぜここに」レイン王子の姿に驚く兵士たち。


「あのさ、この子を出してあげて」


「なりません、レイン王子の父上、いえ、国王様の許可なしには出来ません」レインは不思議がる。


「なら父上にお願いすればいいのか」レインは小走りで書物庫へ向かった。



~書物庫~


「父上ー」


 レインの顔を見たゼウス国王は顔が緩む。そしてレインは地下に居た女の子を出して欲しいとお願いすると顔が一変した。


「レイン、それはならぬ。あの子は不吉を呼ぶ子だ。あの子は一生牢屋で暮らすのだ」


いつもと違うゼウス国王の顔に、レインは頷くしかなかった。




 レイン王子の聖誕祭は無事に終わり、皆がお酒に酔いしれていた。レインはどうしても女の子の事が気になり地下へ向かった。


「あのさ…」女の子の前でためらうレイン。


 「なんで不吉なの?」


 それを聞いた女の子はまた怒鳴る。


 「あんた達が勝手に決めて知る訳ないでしょ!ママとパパに会いたいよ……」


 今まで我慢していたのが一気に爆発したかのように女の子は泣き出す。



「ここから出よう」


 レインは意を決意して女の子にそう言うと走って兵士達の待機所へ向かった。 待機所は誰もおらず、牢屋の鍵束だけが無造作に机の上に置いてある。それを手にすると一目散に女の子の元へ駆け寄った。

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