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第70話『覚悟があるなら』

「本当に、ごめんなさい」


 晴れた空の元で。

 昨日の公園にロイグとロミナを呼びつけ、シャルは真っ先に頭を下げていた。

 ダメだったことを、ちゃんと説明した上で。


「ううん、いいのよシャル。ね、お兄ちゃん」


 ロミナさんが言うとロイグさんは頷いた。


「ああ、むしろここまで親身になってくれたことには感謝している。ありがとう」


「いえ、私は‥‥‥」


 シャルは顔を上げる気にはなれなかった。

 期待させておいて結局ダメだったのだから、二人がどんな顔をしているのか見る気になれなかったのだ。


「私の事を知って、それでも友達って言ってくれるのって、世界でもきっとあなただけよシャル。出会えてよかったわ」


「そんなこと。‥‥‥私は二人に幸せになってほしいだけなんです。兄妹だからって理由だけで、好きな人と結婚することがそんなに悪いことだとは思えないんです。どうしても‥‥‥」


「私もそう思うよシャル。でもね、レヴァンくんの言ってることも事実だから仕方ないよ。世間は歪んだものには冷たいから」


 歪んだもの。

 シャルには歪んだものには見えない。

 でもレヴァンには、この二人の愛は歪んだものに見えたのだろうか。


 普段はロマンティストなクセに、どこか現実的なのがレヴァンだ。

 そんな彼でも、自分が妹だったら愛してくれると信じていたのに。

 返ってきた言葉は「そんなの、わかるわけないだろう」だった。


 一瞬だけ悩んでくれたのが救いだったけど。


 それでも「愛していた」とは、言ってくれなかった。


 できれば断言してほしかった。


 ‥‥‥これは私のワガママだろうか?

 確かに、勝手に期待したのは自分だが。


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