第57話『1年1組の男子たち』
食事の後は大浴場で体を流し、湯に浸かった。
さすがに風呂まで女子達のサービスはなかったが、逆にホッとした。
スケベな男ばかりが揃う1年1組のクラスメイトたちは、みんな風呂に浸かってグッタリしている。
さすがに突然過ぎたのか、あのメイド服による女子達の奉仕サービスに気疲れを起こしたようだった。
「はぁ~幸せな時間だったけど」
「ああ、なんか気疲れしたな」
「何て言うか、ドキドキがおさまらなくて落ち着けなかったぜ」
「わかるぜそれ。女の子にあんなに良くしてもらったの初めてだったからなぁ」
俺は黙って湯に浸かる。
特に何も言わないでおこうと決めていた。
正直、俺はそこまで気疲れなどしていないからだ。
理由はシャルとしか言いようがないが。
「明日まで疲れ残すんじゃねーぞお前ら。明日から猛特訓なんだからな」
俺の向かいに浸かるエクトが言った。
「わーってるよ」
「ったく。強制参加させといてよぉ」
「まったくだぜ。俺達が戦力になるのかよ」
「無理矢理参加させたのは謝るって! でもお前ら逃げ足だけはメチャクチャ速いし戦力にはなると思うんだ。それにほら、女子生徒たちに男を見せるチャンスでもあるだろ?」
俺が言うと、クラスメイトたちは溜め息を吐いた。
「男を見せるって言ってもなぁ」
「ああ。お前らほど活躍できるわけじゃなーしに」
「男を見せたって、そんな簡単に女の子は落ちねーって」
まいったな。
クラスメイトの男子らは想像以上に士気が低い。
こいつらが頑張らないと女子生徒達の士気にも影響が出る。
シャルの考えている企画にも支障が出るかもしれない。
それだけは何としても避けねば。
しかし、どうすれば説得できるだろう?
「お前らウダウダ言ってんじゃねーぞ」
エクトが怒を含ませた声音で言い放った。
イラッとした顔でクラスメイトたちがエクトを見る。
「女子達はお前ら相手に女をみせてくれたってのに、お前らは男みせねーってのか? なにが気疲れしただ。なにがドキドキしただ。女子達はお前らの何倍もそうなったに決まってんだろ。慣れないメイド服着せられて、慣れない男に『ご主人さま』とか言わされて、飯まで運ばされてな」
エクトの言葉にハッとなったクラスメイト達。
「今日は散々やってもらったんだ。今度はオレたちの番だと思わねーか?」
「‥‥‥そうだな。エクトの言う通りだ」
「ごめん。文句言って悪かったよ」
「明日は頑張るぜ」
「ああ。男みせねーとな!」
凄い。
エクトの言葉でクラスメイトたちの士気が大幅に回復した。
それどころか、上がった。
それは女子達の頑張りに、男子達の心が動いた瞬間だった。
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