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第49話『思い詰めた親友』

首都エメラルドフェルの『魔女契約者高等学校《ブレイバーズガーデン》』の校舎前は朝から総勢100人の生徒達で溢れていた。

みな強化合宿のために集まった仲間たちだ。

各々に荷物を持って大型バスの到着を待っている。


エメラルドフェルの男子生徒35名。

リウプラングの男子生徒15名。


エメラルドフェルの女子生徒35名。

リウプラングの女子生徒15名。


ソールブレイバーとは戦士と魔女が二人で一人の存在。

故に50人のソールブレイバーが軍団を組めば、必然的に人数は倍になる。


だから、これから向かう『ローズベル』のために、二台の大型バスがくるはずなのだが、校舎に入ってきたのはたった一台の大型バスだった。


「あれ? なんで一台なんだろ?」


隣でシャルが疑問の声を上げた。

他の生徒達も同様で、たった一台の大型バスに100人も乗れるのかという疑問の声が上がり出す。


確かに到着した大型バスを見ても、せいぜい50人とちょっとが乗れるくらいだ。

100人を乗せるスペースはどう見てもない。


「よーしお前たちリンクしてバスに乗り込むんだ」


突如としてオープ先生の指示が飛び、俺もシャルもエクトもレニーもみんなも「え?」となった。


※


「国王様も変なところケチるよな」


窓際に座るエクトが俺の隣でそう愚痴た。


『でもなかなか考えた節約の仕方よね』


さらにエクトからレニーの声が聞こえてくる。

今、エクトとレニーはリンクしている。

無論、俺とシャルもだ。


道路を走るバスが小刻みに揺れる。

俺とエクトは一番前の席に座っていた。

後ろを見てみれば、見事に男子生徒の姿しかない。


でも聞こえてくる雑談には女子生徒のものもしっかり混じっている。

姿は見えないがちゃんといるのだ。


「ふ、この強化合宿であいつらよりも強くなって、俺の人気を取り戻す!」

『お兄ちゃん無駄な努力って知ってる?』


『マール。この強化合宿を乗り越え、我がグレイス家に相応しい男になるのだ。いいな?』

「‥‥‥ええ、まぁ、がんばります」


『ねぇギュスタ。誰に参加権を譲ってもらったの?』

「ディオネだ。また頑張る気になったのなら応援する、とな」


『シグリー。あんた地味なんだから強化合宿で派手になりなさいよ』

「意味が分からん」


最初はみんなリンク状態でバスに乗るのを抵抗していたが、いざ乗ってしまえぱ楽しそうだった。


それに女子生徒たちからすれば、リンク中は老化が極端に遅くなるのでこれほど優雅なドライブはないだろう。


『あぁんもう。レヴァンの膝枕で寝ようと思ってたのに!』


一人だけ不機嫌な女子生徒がいました。

彼女の名はシャルです。

俺の幼馴染で恋人。


「前の列車の時から思ってたんだが、普通お前が俺に膝枕してくれるもんじゃないのか?」


『え? なんで?』


いや、なんでって言われると困るんだが。


「俺の膝枕って硬いだろ? 寝づらくないか?」


『硬いけどそれがいいんだよ。レヴァンって感じがする』


「なんだそりゃ」


『わかるわシャル。あたしもエクトの腕を触ったとき凄く硬くてびっくりしたわ。でもなんかこれこそ男の子なんだなって思った』


「鍛えてるから当たり前だろ」


それだけ言って、エクトは窓の外を眺め出した。

なんだか今日のエクトは口数が少ない気がする。


気のせいだろうか?

何かを思い詰めたような横顔だ。


「エクト。何かあったのか?」


「いや、別に」


完全に上の空だった。

どうしたんだエクトは。


レニーが何か知っているのではと思い、聞こうかと思ったが当のレニーは姿が目視できないリンク状態。

だから聞きようがなかった。

仮に聞いてもエクトに黙らされてしまうだろう。


昨日の夜か、あるいは朝か。

何かあったのかもしれない。


次回の更新は土曜日になります。


仕事が佳境に入って来たので、また2日に一度の更新にさせて頂きます。

誠に勝手ながら、どうかお許しください。

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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱりなよなよよりこうゆうの男らしい主人公の方が好感持てる
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