表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/255

第44話『仲間集めと対策と』

お待たせしました!

遅くなって申し訳ありません!


敵の対策にガチで悩んでました!

翌日の学校でお昼休憩を迎えた。

昼食後に俺はギュスタ先輩とシグリー先輩らを屋上へ呼んだ。


「仲間集め?」


事情を説明したら返ってきた3年のギュスタの言葉。

俺は頷いて説明を続けた。


「そうなんですよ。一年一組は全員強制参加させるんですが、それでも20人しかいないんです。あと30人ソールブレイバーを集める必要があるので協力してほしくて」


「そういうことなら任せておけ」


意外にもあっさりと承諾してくれた。

するとギュスタの隣にいる2年のシグリーも。


「やっと先輩らしいことをしてやれるな」


と言って笑った。

俺は「助かります」と礼を述べて、ギュスタに視線を戻した。


「ギュスタ先輩も参加しませんか?」


「いや、私はもう参加権を失った身だ。今さら‥‥‥」


「ギュスタ!」


いきなり声を張り上げたのはギュスタの魔女であるロシェルだった。

ピンクのポニーテールが特徴的なロシェルはギュスタに詰め寄った。


「せっかく強くなれるチャンスなのに参加しないの!?」


「そ、それはそうだがなロシェル」


「参加権なら誰かに譲ってもらえばいいだけじゃない。せっかく学生だけの特権なんだから。またチャレンジしましょうよ。ね?」


言葉に押されたギュスタはしばらく考えた。

それから意を決したかのように頷く。


「‥‥‥わかった。どこまでやれるか、もう一度やってみよう」


「それでこそギュスタよ」


「ギュスタ先輩。また一緒にがんばりましょう」


俺はギュスタと握手した。


「ああ。私とロシェルは3年のみんなに声を掛けてみよう」


「僕とリエルは2年だ。できるだけ集めてみるさ」


「苦労をかけます。よろしくお願いします」


俺は御辞儀した。

すると俺の傍らにいたシャルが前に出てくる。


「あ、ちょっと姉さん達待って待って」


「なによシャル」


黒のツインテールがよく似合っているリエルが首を傾げた。


「ちょっとこっち来て。ロシェル姉さんもリエル姉さんも」


呼ばれてない俺まで引っ張るシャルは、なぜかエクト・ギュスタ・シグリーから距離をとって隅っこで会話を始めた。

シャルと打ち合わせでもしてのか、レニーも知ったようにシャルの元にくる。


「これから声をかける魔女さんにも伝えてほしいことなんだけど」


言ってシャルはロシェルとリエルの耳にヒソヒソと何かを伝えて出した。

そしたら途端に姉二人の顔が真っ赤になる。


「ちょ、シャル! あなたそんなこと本気で考えてるの!?」

「あんたね! そんな恥ずかしいことできるわけないでしょ!?」


「なら他に良い対策ある?」


怒鳴る姉二人にまるで臆することなく言い返すシャルに、リエルは顔を引きつらせた。


「いや、ないけどさ!」


「じゃ文句言わな~い。もうフレーネ王妃様にも話をつけてあるからよろしくね」


いつの間に!?


「なぁレニー。シャルのやつ何を考えてんだ?」


話が見えない俺は、何か知ってそうなレニーに直接聞いた。


「なんでもレジェーナっていう魔女の『スターエレメント』対策だって言ってるわ。対策名は【最初から男子メロメロ作戦】だって」


「な、なんだそりゃ!? おいシャル。ちゃんと説明しろ」


「レジェーナさんの『ブロークン・ハート』って相手を魅了して意のままに操るってビジュネールさんが言ってたでしょ? 魅了ってつまり色気でメロメロにしちゃうわけじゃん? なら最初から男子を女子にメロメロにしておけば効かないと思うの」


「な、なるほど。で? その男子をメロメロにする手段は?」


「それはレヴァンでも秘密。魔女の方々には一肌脱いでもらうけどね」


「一肌脱ぐ!? ちょっと姉さん何とか言ってよ!」


リエルが慌ててロシェルに言った。

しかし当のロシェルは頬を赤く染めてモジモジしている。


「ん、ギュスタをメロメロにできるなら‥‥‥一肌脱ぐくらい良いかも」


「姉さん!? ‥‥‥ちょっとそこの、えっと、レニー! あんたもシャルに何とか言ってよ!」


「あ、いや、その、ぁ、あたしもエクトをメロメロにしてみたい‥‥‥ので」


「あんたらが既にメロメロじゃないのよ!」


「はいはいリエル姉さん。諦めてシグリー先輩をメロメロにする努力してね」


「んなっ! なんでアタシがそんなこと!」


「大丈夫だよ。リエル姉さん可愛いし自信もって!」


「うるさい! 妹にそんなこと言われたくないっつーの!」


湯気が出そうなほど顔を真っ赤にしてリエルは怒鳴った。


なんと言うか、こんなに普通に会話してるロンティア姉妹を見たのは初めてな気がする。

シャルもなんだか楽しそうだし、関係は少しずつ良くなっていってるようだ。



「何をコソコソ喋ってたんだレヴァン?」


戻ってきた俺に怪訝な顔でエクトが聞いてきた。

ギュスタとシグリーも気になるような顔をしている。


「『ブロークン・ハート』の対策の話だった。なんか俺たちメロメロにされるみたい」


「は?」


エクト・ギュスタ・シグリーが同時に疑問の声を上げた。


次回の更新は明日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ