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第22話『レヴァンVSリリオデール』

リリオデール国王様の『魔女兵装ストレイガウェポン』は装飾豊かな大剣だった。

その大剣は約2メートルほどの長さをほこり、俺の召喚した【グレンハザード】と互角の獲物である。

大剣はこちらの武器と同じ赤い燐光を発している。

リリオデール国王様とフレーネ王妃は俺とシャルと同じで炎属性ということか。


オープ先生のときもそうだったが、もしかしたらリリオデール国王様はシャルとレニーの成長のためにわざと同じ属性の相手を選んでいたのかもしれない。


【ソルシエル・ウォー】

〈バトル形式〉=シングル戦

〈戦場〉訓練用コロシアム

〈勝利条件〉敵チームの全滅

【レヴァン&シャル】VS【リリオデール&フレーネ】


ルール情報がモニターに映し出された。

同時に【SBVS】によってフィールド周りのバリアが展開される。


「それでは試合を始めます!」


他クラスの先生が手を上げて叫んだ。


「戦闘――」


いよいよ国王様との戦いが始まる。

魔法の手数が少ないこちらは長期戦になると不利だ。

しかしあちらもオープ先生と同様に短期決戦でくるはず。


ならばこちらも短期決戦で仕掛けるのみ。

デカイ魔法を撃たれる前に潰す。


「――開始!」


ッドッパァアンッ!

床を思いっきり蹴って身体を前に加速させる。

全力の踏み込みで俺はリリオデール国王様との距離を一気に詰めて、すれ違い様に斬る。


腹部を狙ったというのにガキィンという金属音が鳴り響いた。

さすが国王。

今の一撃を見事に捌いてきた。


全力の踏み込みで全力の一撃だったのだが、さすがにギュスタ先輩のときのようにはいかせてくれない。


俺は相手を正面に捉えるため振り向く。

リリオデール国王様も俺の方に振り向く。


「『エクスプロード』」


唱えたリリオデール国王様の足元が爆発した。

その爆風に乗って加速し、俺へ突進してくる。


速い!


加速と共に薙ぎ払われた大剣を【グレンハザード】で受ける。

恐ろしく重い一撃だった。

こちらの体重を容易く超えた衝撃が身体を浮かし、バリアに叩きつけられるまで吹き飛ばされた。


「ぐっ!」


バリアに叩きつけられた衝撃で全身に痛みが走る。

それを堪えて、なんとか床に足を着けた。


「『グランドフレア』!」


間合いの空いたリリオデール国王様が魔法を唱えた。

今度はどんな魔法だと身構える。


『下だよレヴァン! 避けて!』

「なにっ!?」


シャルに言われて気づく。

足元の床が赤く熱しているように光っている。

爆発する!

直感が身体を突き動かし横へステップ。


刹那、大爆発が起こった。


回避には成功した。

だが爆風に押されて倒れかける。

受け身をとって体勢を整えた。


「フレイム弾を装填する!」

『了解!』


シャルが俺の手にフレイム弾を召喚する。

俺はシリンダーを振り出し、手にしたフレイム弾を装填していく。


すると俺に直進してくる赤い光線が襲来してきた。

威力は俺とシャルのフレイムと大差なさそうな迫力があった。

擦っただけでもヤバそうだ。

その迫力に押され、大きく回避する。


見れば遠くでリリオデール国王様の武器が大剣から大型ライフルへと変わっていた。

俺との距離が空いたから【サブ】へと変更したらしい。


【グレンハザード】の装填を済ませ、俺は反撃に転じる。

リリオデール国王様に狙いをつけた。

トリガーを引き、その大口径からゼロ・インフィニティの恩恵を受けたフレイム弾が豪快に発射された。


リリオデール国王様も次弾の発射に間に合い発射。


二つのフレイム弾がぶつかり合い、一瞬にして俺側のフレイム弾が競り勝ってしまった。

ゼロ・インフィニティのおかげなのか、威力だけはアホみたいに高い。


競り勝ったフレイム弾がそのままリリオデール国王様に飛んでいく。


「ぬぅ! 威力負けか!」


俺のフレイム弾に驚き、それでも大剣に持ち変えてフレイム弾を一刀両断するリリオデール国王様の対応力はさすがだった。


俺は残りのフレイム弾も撃っていく。

一発、二発と立て続けに。

撃った弾全てを斬り裂いていくリリオデール国王様。

斬り裂かれたフレイム弾は二つになり、リリオデール国王様の背後で床に着弾して爆発していき、煙が舞う。


これでいい。

エクトとの戦闘を見ていてわかったことがある。

それは魔女からの不意打ちだ。

ソールブレイバー相手に接近戦を仕掛けるのはかなりリスキーだともわかった。


迂闊に攻撃を仕掛ければ、エクトのように手痛い反撃をもらう場合がある。

ならば裏をかくまで。


最後の一発は狙いをズラし、リリオデール国王様の目前に着弾させ爆発を起こす。

煙が舞い、リリオデール国王様と、そしてフレーネ王妃の視界を奪った。


「ぬ、目眩ましか!」

『考えましたね』


目前の煙を見ながら二人は呟いている。

俺は煙に紛れて駆け出した。


「煙もろとも焼き尽くせ!『ファイアストーム』!」


やはり来た。


目前の煙に向かってリリオデール国王様は魔法を放つ。

熱風が集まり灼熱の竜巻を生み出した。


俺は、おもわずニヤついた。

エクトの戦闘を見て学んだことはまだある。

それは魔女の魔法後。


俺は勢いをつけてリリオデール国王様の【背後】の煙から飛び出した。


「うおおおおっ!」


吼えながら俺はリリオデール国王様に肉薄する。


「後ろか!」

『あなた危ない!』


リリオデール国王様が俺に気付き、フレーネ王妃も俺に気づいたが魔法は撃ってこない。


レニーが言っていた。

魔法を使ってすぐ次の魔法を撃つことはできない。

少し時間が掛かる。


つまり今のリリオデール国王様はフレーネ王妃の援護を得られないただの戦士だ。


俺は【グレンハザード】を握る拳に力を入れ攻める。

リリオデール国王様は振り向き様に大剣を薙ぎ払ってきた。

それを前進しながら屈んで避け、相手の脇腹に【グレンハザード】の刃を滑り込ませた。

【グレンハザード】の刃がリリオデール国王様を両断する。


「ぐあああっ!」

『あなた!』


リリオデール国王様は斬られ、盛大に光の粒子をバラ巻きながら「み、見事」とだけ呟いて倒れた。





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