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第93話『学生部隊VS軍人部隊』

 青空の真下。

 コロシアム内のフィールド上に俺はシャルと共に立った。


 フィールドを囲む観客席には、それこそ大勢の人がいて、その誰もが今回の最大規模のソルシエル・ウォーの開始を今か今か待ちわびている。


 俺の背後にはギュスタの部隊とロイグの部隊が控えており、アナウンスの指示を待っていた。


 俺がいるこの場所は『南西エリア』。


 エクトやシグリー・マールの部隊は『南東エリア』で待機している。


 遊撃の俺とエクトを別けた陣形だ。

 

『間もなくソルシエル・ウォーが開戦されます。各ソールブレイバーはルールを確認してください』


 流れるアナウンスと同時に、観客席側にある大型モニターをみんなが見る。


【ソルシエル・ウォー】

〈バトル形式〉チームデスマッチ(50対50)

〈戦場〉草原

〈勝利条件〉敵の全滅

【チーム・リリーザ】VS【チーム・グランヴェルジュ】


「よりによって戦場は草原か」


 溜め息混じりの俺の言葉にシャルが「そうだね」と返した。


「戦場はランダムだから仕方ないよ」


「そうだな。でも草原は遮蔽物なんていっさいないから、ギュスタ先輩やロイグ先輩の部隊が攻撃に晒されやすい。そこが問題だ」


「そこはレヴァンとエクトくんにかかってるよ。敵部隊に突っ込んで、相手の陣を崩してこっちが乱戦に持ち込めるようにしてもらわないと」


「ああ。わかってる」


 そう。

 魔法を捌くのに遮蔽物がないのなら、乱戦に持ち込むしかない。


 敵の魔女たちはみんな『魔法最上階層詞ラストソール』まで詠める最高レベルしかいない。


 こっちはシャルとレニーが『魔法第三階層詞サードソール』。


 ロシェル・リエル・レイリーン・ロミナの四人が『第二階層詞セカンドソール』まで詠める。


 魔法火力の差は一目瞭然。


 だがこれほどの大規模な集団戦の場合、その強大な魔法火力が活かせない。


魔法最上階詞ラストソール』や『魔法第五階層詞オーバーソール』ほどのランクになると、広範囲で強力な魔法ばかりになるので乱戦になると味方を巻き込みやすく、逆に扱いにくくなるのだ。


 敵の陣形を突き崩してギュスタたちの戦いやすい土俵を作る。


 それが俺とエクトの最初の役目だ。


 それからしばらくして【SBBS】が機動され、観客席を守るバリアが展開された。


 俺の足下が緑の草原と化し、さっきまで見えていた観客席が青い空へと変化した。


『選手はリンクしてください』


 アナウンスに従ってみんなが一斉にリンクを開始する。


「いよいよだ。やるぞシャル!」

「うん!」


 俺はシャルと手を繋いだ。

 粒子となって離散したシャルが俺の体内へ溶け込む。


魔女兵装ストレイガウェポン』を装備してください』


 俺は『大口径リボルバーブレード』の通称『グレンハザード』を召喚して装備した。


『草原とは、ついてないな』


 魔女のテレパシーで繋がったのかギュスタの声が聴こえてきた。


『ぼやくなよギュスタ。草原での戦い方ならシェムゾ団長にみっちり叩き込まれただろう』


 今度はロイグの声だ。


『そうだな。レヴァン聴こえるか? 敵部隊の陣形崩しを頼む』

「了解ですギュスタ先輩」

『乱戦に持ち込めりゃ俺達でも軍人の相手はできる。頼んだぜレヴァン』

「任せてくださいってロイグ先輩」


『カウント開始 5・4・3‥‥‥』


 ついに『ローズベル』を賭けた戦いへのカウントダウンが始まった。


 騒いでいた観客たちも一斉に静まり返る。


 いよいよ始まる。


 大決戦が。


『‥‥‥1・戦闘開始!』


「みんな! 行くぞ!」


『おおおおおーーーーーっ!!』


 俺が吼えて、みんなが呼応した!



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