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第78話『期待の戦士と魔女たち』

 レヴァンとエクトが凄まじい勢いでリリーザの騎士たちを蹂躙していく。


 その光景をシェムゾは訓練用コロシアム内にあるモニタールームでグラーティアと眺めていた。

 もちろんモニター越しで。


「やはり俺の部下たちでは相手にならんな。まったく頼もしい奴らだ」


 鍛えがいのある若者二人をモニター越しに見据えてシェムゾは言った。


 リリーザの騎士団側が最前線の隊列をレヴァンとエクトに崩されていく。


 隊列を崩したとみるや、レヴァンとエクトの後ろで控えていたギュスタ隊とロイグ隊がなだれ混んでいった。


 さらにシグリー隊とマール隊もその後方につき支援を開始していく。


 なんと連携のとれた戦い方だろう。

 

 最前線で最大戦力であるレヴァンとエクトを暴れさせ、敵の隊列に亀裂をつくり、そこへ残りの戦力を一気に投入する。


 我が娘シャルが考えた作戦らしいが、見事なものである。


 これは単騎突破ができるレヴァンとエクトがいるからこそ成せる作戦だ。


 あの銃と魔法の苛烈な弾幕を潜り抜けるだけの能力をもった彼らがいるから実践できたと言って良いだろう。


 誰よりもレヴァンとエクトの実力を知っているシャルだからこそ、こんな大胆な作戦を思い付いたと見た。


 それこそ幼い時からレヴァンとエクトの特訓を見てきたシャルだからこそ!


 さすが俺の娘だ。

 可愛いだけではない!


 スポーツでもそうだが、主導権というものが集団戦においてどれだけ大事なのかシャルは理解しているのかもしれない。


 敵よりも先に・速く・動く。


 敵の機先を制して、敵の思うように動けなくする。


 相手に先手を許せば、それこそ魔法で圧倒的される。


 それを考慮しての作戦だろう。


「シャルちゃんの火力も凄いけど、あのレニーって子も相当凄いわ」


 傍らでモニターを見ていたグラーティアが言った。

 レニー・エスティマールが凄い。

 それには同意だった。


「ああ、あの『アイスシールド』を操作している子か」


「ええ。『アイスシールド』は魔女の間ではハズレ魔法って言われているの。自分で複数の盾を操作しなくちゃいけないし、何より敵の攻撃に魔女自身が反応できなければいけないから」


「だがあの子は反応して『アイスシールド』を使いこなしているな。現にあれだけ攻撃に晒されているのにエクトくんが一発も被弾していない」


「そうね。並の動体視力じゃないわあのレニーって子。一般家庭の普通の女の子だって話だけど、本当なのかしら?」


「そこは疑う余地はない。彼女の素性はごく普通だ。『アイスシールド』のあれはある種の才能なのかもしれんぞ?」


「確かにそうとしか言えないわね。あの子なら『同時詠唱』も使いこなせるかもしれないわ」


「そうだろう? それにあのレヴァンとエクトくんに付いていかなければいけない魔女だ。あれくらいのものは持たんとな」


「そうね」


 グラーティアは頷いた。


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