元の世界への最初の手がかり
ファングさんが謁見の間から出ていった後、王様は
「ルカイ…と言ったかな?ついてきなさい」
と言って王様が入ってきた扉のほうへ行く。
俺は王様の後ろに慌ててついていく
謁見の間から出てしばらく歩く、するといくつか部屋がある場所へついた。
そして王様はその中の一つに入っていく。もちろん俺もその後ろについていった。
その部屋は城の中にしては結構狭く、机といすと棚があり、色々なものが乱雑に置いてあった。
“よく知るもの”が。
まぁ今まで街中とかで見なかっただけで実は結構この世界にもありふれているのかもしれないが
“よく知るもの”…それは―――――
―――――――ゲームやら携帯やらPCやらの機械類。
机の上にある物を手にとろうと思い近づくと、扉の所からちょうど死角にあたる所に冷蔵庫や電子レンジなどもあった。
ファングさんについて行く途中機械類…車やバイクなどは見なかった。それどころか自転車や電線もなかった。
「これらの物について知識があるのか…?」
唐突に、王様が聞いてくる。
「は、はいお…僕の住むせk…国にあったものと…多分同じです。」
王様相手に普通に話すわけにいかないので敬語で答える。
「そうか…桜井亮<さくらいりょう>とやらを知っているか?」
「人の名前…ですか?」
「そうじゃ…我も読んだだけなのだがな…桜井亮とやらが残していったものらしい。」
「はぁ…」
何故急にそれを俺に話す…?
「桜井亮…とはどういった者で?」
「ルカイと同じように発見された者…それがいつかは知らぬがな…ずいぶんと前の話らしい。」
「はぁ…」
「何故か我の家系に代々伝わっている話だよ…その者は…最後にはちゃんと元の“世界”に戻れたらしい。」
「はぁ……ッ?!詳しくっ!元の…元の世界に戻れたというところについて…詳しく…お願いします。」
大急ぎで問いただしたい気持ちを抑えて聞いた。
「その言葉を聞ければ十分!そして我はこれ以上のことは知らぬ、残念だがな…」
「そう…ですか…それだけでも十分です。とりあえずここにある物を…調べさせてもらっても…?」
「ああ…好きにしなさい」
元の世界に戻るための手がかりが残されてるかもしれない!
この世界に来てこの世界ですごしてみたいという馬鹿な考えをしたものだが実際冷静に考えるとやはりすぐにでも元の世界に戻りたいと思った。
一人暮らしと言ってもちゃんと友達もいるし家族だって別居してはいるが当然いる。よく小説とかで見るように死んでいるとかいうわけではない。
文化の違いもきっとあるだろう。外国に旅行するとわかるが、文化…習慣が少しでも違っているとかなり不便である。きっとこの世界には見た通り機械類は存在しないのだろう。それはかなり不便であると思う。習慣だって異世界だし…全然違うかもしれない。…魔法だってあるのだし。
それにこの世界がどれだけ危険かもわからない。…即効で奴隷と間違われたり、処刑<しけい>にされそうになったし。
やはり住み慣れた世界…自分の家に戻りたいと思った。
無論、魔法は習得してみたいが
だが…その部屋…桜井亮介の部屋には元の世界の手がかりはなかった…。
代わりにP○PやらIP○Dやらがあったので王様に
「…これ…貰ってはダメでしょうか…?」
と言ったら
「…使えるのなら」
とかえってきたときはおもわずガッツポーズした。
携帯に関しては電波がたっていなかったが自分が持っていた携帯に電話してみたら何故かつながったので一応貰っておく。だが元の世界の人たちには電話できなかった。
冷蔵庫などに関しては論外。
後でノーパソについて詳しく調べるか…と心に決めて、あらかた調べ終わったので王様に
「ありがとうございます。十分調べられました。」
「そうか…ではこれから行くあては…?」
「ない…です…」
「そう…か…我の一存で人一人を勝手に助力すると色々と周りがうるさいからな…紹介状を書くからギルドに行って登録するといいだろう。」
「ありがとうございます」
そう言ってお辞儀する。
「では…そうだな…ファングに案内させよう。ファングが来るまで待っててくれ。」
と言って部屋を出ようとする…が部屋を出る直前
「分からないことがあったら城の門番にレオン殿と話がしたいといえば、我の所に連絡が来る。…その情報も外に漏れることはない。秘密裏に話ができる…だから聞きたいことがあったらそうして尋ねに来てくれ…ではな」
色々謎なことも含まれる発言をして部屋を出た。
色々と疑問やら突っ込みどころやらがあるが…まぁ結果オーライだろう…
はて…そういえばいつの間にスパイ疑惑消えたんだろう…?
…まぁ…いいか
あいた時間を使ってノーパソでも調べるか…
そう考えてリュックの中に入っているノーパソを取り出して起動ボタンを押した。
あえてノーコメントと言う名のコメントを残そうじゃないかwww
感想指摘大歓迎!