一話 「妹と兄」
一話
四月、それは俺にとっちゃ大切な一年になる年。
だってアレだぜ?一つ学年が上がるって事は・・・
「おはようございますっ!!直人先輩っ☆」
そう!!可愛い後輩ができちゃうって事!!
すっげー良いことじゃね?だってさー「先輩」って響き良くね?
なんていうか・・そのー。慕われてる?って感じがするんだよなー。
多分・・俺だけがこの気持ちじゃないと思う。
わかってくれる奴・・いないか?
「ちょっとぉぉ!!可愛い妹が先輩って呼んでるのに無視しちゃぅのぉ?」
あっ・・すっかり忘れていたが、゛直人先輩゛って言ってくれたのをとっても可愛い美少女だと思った奴は、手を挙げてくれ。
挙げてくれた君達は俺の仲間だ!!
「無視してねぇーよ!!てか、お前はそんなに俺を勘違いさせて楽しいか!?」
俺は、少し背が低い妹の頭をパシッと軽く叩いてやった。
フーッ。スッキリしたぜ。
「痛いっ!!ちょっとぉー。お兄ちゃん、そんなに怒らないでよ!!奈々が何をしたっていうの?むー(怒)」
妹の奈々(バカ)は、今にも泣きそうな目で自分の頭を両手で押さえている。
そんなに痛くないだろっ!!お前は女優になれるぜ。
嘘泣き担当のなっ!!
それとだなー
「今時、むーって怒る奴なんていないぞ?」
俺は今、皆様が思っている事を言ってやった。
俺って天才じゃね?
「もー。お兄ちゃんは、最近奈々へのツッコミ酷くなぁーい?」
酷いよ?当たり前だろ、可愛くもない妹を、優しくしたって意味ないからな。
でもな?可愛くない妹でも、困っていると助けなくちゃダメっておもうのは、どこの兄妹と同じだと思うんだ。
だから、俺はその逆をする。
「お前が嫌いだから俺は手を出すんだよ。」
ニィッて笑ってやった。
すると、奈々は本当に泣きだしてしまった。
俺って酷いか?フッ。勝手に思ってろ
「・・ひっく・・お兄ちゃん・・ひどぉいよぉ・・ぁっ・・」
泣いてて何を言っているかわかりやしない。
でも、俺が悪いのは、わかった。
「おっおい!こんな人前で泣くな!!」
妹なんかより、周りが気になって仕方がない。
「奈々・・一人で学校に・・ひっ・・いくぅ・・」
俺が泣かせまいと慌てていたら、こんな事を言い出しやがる。
「俺が悪かった!!本当にスマン。」
妹で前で正座になり、謝った。
あっ!言い忘れてたが、ここは学校に行く道なので色々奴から見られるのだ。
そして、俺はもちろん同級生やら見知らぬ先輩や後輩などに見られている。
でも、そんなことはどうでもいい。
とりあえず、妹を泣かせる事よりも、一人で行かせる事は阻止しなくては、ならないのだ。
なぜかって?それはな・・・
ー昨日の晩ー
「ちょっとぉー。直人!!」
お茶をジュルルーと飲んでテレビの必死に見ている母が俺を呼ぶ。
「んぁ?」
ちょうど、風呂から上がって自分の部屋に行こうとした所で呼び止められた。
「アンタ、ちょっとそこに座りなさい。」
ココって指を指しているので、イヤイヤ母の言いなりになる俺。
「ここに座ったら良いんだよな?」
一応のために確認した。
「そう、そこよ。」
俺はギィーッと音をたてて椅子に座る。
そして、両手を膝の上に置いて、母の顔をみる。
「それで・・なんのようでしょうか?」
母は、俺が座ったのを確認して、手元にあったリモコンの電源っていうボタンを押した
[なんで・・テレビを消すんだよ・・]
俺の心の声など聞こえるはずもなくシーンとした空気に包まれる俺と母。
そして、「ハァー」と溜め息をつき、口を開く。
「あのね。知ってると思うけど、奈々が明日、高校に行くの。」
あぁ・・それぐらいわってるって。
だって、俺にとっちゃ最高の日だからな。
「入学式だからだろ?」
「そう。入学式だからだから頼みごとがあるの。」
俺に!?何の頼みごとだよ。
どうせ、一年生の教室まで送ってやれとかだろ?
「直人。アンタいま、どうせ、一年生の教室まで送ってやれとかだろって想ってるでしょ?」
おいィィィィィィ!!お前はエスパーカよ!!
「別に思ってなんかねぇーよ」
冷汗をガ~ッと額に汗をかきながら否定する俺。
「なら、いいけど・・あっそうそう。頼み事ってのわね・・・」
フーッ。バレるかと思った。
てか、俺の心を読んでいないで、とっとと言えクソババァ!!
「おっおう。」
一応のためにリアクションをしおこう。
「奈々を一人で高校に行かせないで欲しいの。」
ハァ?
そんな事でテレビを消す必要あったか?
「えっ?」
俺は、どうでも良い事に逆に驚いてしまった。
俺の不思議そうな顔を見て、母は、ダメだこりゃと言うようにこう言う
「だーかーらー!奈々を一人で行かせないで欲しいのぉ!」
それは、わかってるつぅの!
後、小さい「ぉ」をお前が使うとキショク悪リィぞ!
奈々が使うから良いんだよ。
「それは、わかってるって!!俺が言いたいのは、何故奈々を一人で行かしたらダメってなのかって事!」
高校生にもなって、兄と行きたいとは思わないだろ・・普通。
「あぁー。それを先に言ってちょうだいよね」
あのなー。それをさっきから言ってるだろ。
あぁぁ!!イライラする。
もう、ツッコまさせないでくれ。
仕方ねぇーな・・ここは、このババァの言う通りにしてやるか。
「あー。悪リィ。それでなんでなんだ?」
母は、この言葉を待っていたかのように、もう冷めているお茶をジュルルと飲みほして、パンッと茶飲みの音が静かなリビングに響く。
俺は嫌な予感がした。
だってさ・・母が愛娘のために俺なんかに頼むんだぜ?
絶対!変な事を頼まれる!!
「直人?」
「ん?」
やべー。すげーボケてた。
「ちゃんと聞くのよ?」
心の準備を確かめるよに話しかける。
「あのね・・奈々は人見知りがすごいの。」
人見知り?アイツが?
そりゃ・・初耳だな
「それでね。あの娘は・・一人で行動をすると変になるのよ。」
はい?変って元から変だろアイツは!!
ブラコンだしー[自分で言うと非常に恥ずかしいってことでもなくはないけど・・気持ち悪りぃ・・ウエッ]
「変って・・どうゆう意味だ?」
どこの兄貴もこう返すだろう。俺だけが不思議に思ってるわけじゃあるまい。
「なんて言えば良いのかしら・・そう!!あの娘は魔法を使っちゃうのよ。」
・・・・・もう。ツッコまねーぜ?
この母の言葉ツッコんで欲しいといってるのと同じだからな。
よし!!俺はこう答えてやる!!
「あのさ・・お前まであさの魔法少女アニメとかみてんのか?」
「子供の夢を壊しちゃうけどさぁ・・今の時代、魔法使いとかいるわけねぇーだろ!!」
フィー。ってツッコミを入れてしまった。
俺って、我慢できないみたいだ。(笑)
母は、今の返事がわかっていたかのように、ニコリと俺に笑う。
「そう言うと思っていたわ。だからこそ!!奈々と一緒に行って欲しいのよ。」
“たからこそ?”ヤベーよ。
頭がヤベーぞ。理解できん。
俺は、両手を頭上に乗せ、自分の髪をクシャクシャっとむしる。
「一体・・どうゆう意味なんだよぉぉぉぉ!!」
叫ぶしかね~。妹が魔法使い?もう意味不明・・・。
「落ち着くのよ!」
「落ち着けねーよ!!」
逆に聞くがお前は、良く落ち着いていられるよな・・
うらやましいぜ・・・
「とっとりあえず、絶対に一人にしないであげて?」
「じゃないと・・直人。あなた・・死ぬわよ。」
えっと・・お母様?今、なんと言いました?
死ぬって言いませんでしたか
おいおい・・・まだ高二だぜ?恋愛もしてないのに、死ぬって。しかも妹に殺されるって・・・
「よーし!!絶対に一人にしないぜ!!」
だって・・・死にたくないもん。
わけがわからんが、死ぬか一緒に居るかの二択だったら、誰もが一緒に居るを選ぶだろ?
だから、俺も同じ選択をする。
「あら☆一緒に行ってくれるのね?助かるわ~」
このババアー!!人を脅しといて、何が「助かるわ~」だ。
最低な親じゃねーかよ!!
まっ!!奈々を学校に連れて行くぐらいまかせろっつうの。
だって俺は・・・
ー今日ー
「最高のお兄ちゃんだからな!!」
ゴホン。すげー長くなったが、昨日の晩にこんな事があったんだよ。
死にたくないから俺はコイツに謝る。
「何が、最高のお兄ちゃんだよぉ・・・」
アレ?泣きやんでるじゃねーか。
俺の話が長かったからか?
そして・・泣きやんでるのに正座してる俺は一体・・・
サッ
「ん?」
正座している俺に小さな白いてが差し伸べる
「ほら、お兄ちゃん。」
おいおい・・お前が泣くからだろ?
なのに、俺がなんかこけて泣いている少年と変わらねーじゃないか。
「お前の手なんて必要ねーよ。」
パシッ!!
差し伸べていた手を払い、俺は、正座から立ち上がった。
「いっ!!」
叩かれた手を押さえる奈々。
「あっ・・・ごめん。痛かったか?」
俺は、もう同じ事をしない主義なので、奈々を一人では学校に行かせないと決めたのだ。
ってどう?こんな感じで決めるってのは、カッコイイだろ?
「いっ痛くないよ♪」
痛くないなら別に良いや。
そして・・この言葉を言わないと俺は殺されてしまう。
「痛くないなら良いが・・。そっそれより早く学校に行った方が良くないか?」
そう。この言葉って簡単に言える言葉かもしれない。
でも、俺にとっちゃ・・とっても言いづらい言葉なのだ。
妹を泣かせてしまったから。
一緒に行こうなんて言いにくすぎる。
なので、こうしてさりげなく〈遠回しに一緒に行こうと言っているのだ〉
「あっ!!そうだよね。早く学校に行かないとね。今日は入学式だし。」
そうそう。入学式だからな。
「だから、お兄ちゃんも早く行こうよ☆」
はいはい。一緒に行ってやるぜ。コノヤロー
「おう。」
なんか変な始まりをしちまったな。
一応言っておくが、このお話はコイツとの物語ではないからな?
このストーリーは、一応妹が関わってるつう話。
まぁ・・続きは読んでくれればわかる。
俺ら2人は、これから色々な奴らに絡まれちまうのだ。
そう。片星直人がそいつらのせいで普通の日常が変になっちまう。
最悪な一年になるのだから。
初めて書きました!!
このお話は、全部で4話あります。
少しずつですが書いていきたいと思います。