表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

自称の独白

氏名 阿部(あべ)(かなめ)


性別 男


身長 182cm 


体重 68kg


足のサイズ 27cm


血液型 AB


* 髪は黒 目はこげ茶 肌は少し日に焼けて浅黒い


* 来週で18歳の高校3年生


* 成績は入学当初は下の下の最下層、現在は中の上まで這い上がり、3月には卒業予定。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 



 というのは、地球における俺のことだ。


 俺は地球人ではない。スィースベンガギャグァリア星人である。

 だから名前も本名ではないし、この姿も本来のものではない。


 俺の本来の姿はゲル状だ。ちょっと硬めの。


 地球では元の姿に戻ることはできない。

 なぜなら元の姿に戻った瞬間、俺の体は爆発してしまうからだ。

 その威力は街一つ軽く吹っ飛んでしまうほどだ。

 自分の命のため、地球の平和のため、地球でゲル状になることはない。


 地球には両親の都合により来た。

 褒められた都合ではないので割愛するが、両親は地球にはいない。

 どこにいるかも知らない。聞かないで欲しい。

 今は、同郷の知人のもとに身を寄せている。


 地球に来て4年が経つ。

 4年も経てば慣れるもので、完璧に地球人の生活を営めるようになった。

 一生を地球で過ごすつもりであるので、喜ばしいことである。

 だがしかし、完璧過ぎてしまったのだろう。

 「俺はスィースベンガギャグァリア星人だ」と主張しても、真剣に取り合ってくれないという弊害が出てしまった。


 特に、違う星ではあるものの、異星人仲間のクラスメイトにさえ信用してもらえないのは、辛い。

 こちらとしては、本名を告げてもいいと思っている相手でもあるのだ。誰よりも信じて欲しいのだが、なかなか上手くいかない。


 どうすれば信じてもらえるだろうか。

 本来の姿を見せられれば手っ取り早い。だが、見せた瞬間自分も相手も街ごと木端微塵だ。それでは意味がない。

 髪の毛1本なら……とも考えたが、どのみち髪がゲル状になった瞬間規模は小さいとはいえ爆発する。死にはしなくとも、怪我をするかもしれない。怪我はしなくとも、一瞬過ぎて視認出来ないかもしれない。そう思うと髪の毛1本とてゲル状にするのは、はばかれる。

 スィースベンガギャグァリア星由来のものでも持っていればよかったのだが、地球に来る際に検疫に引っ掛かり、全部没収されてしまった。

 唯一の星由来のものは、俺の体しかない。そして、その体も本来の姿には戻せない。


 こうなれば、信じてもらえるまで言葉を尽くすしかない。

 死ぬまで真摯に言い続ければ、さすがに彼女も信じてくれるはずだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ