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他称宇宙人の悲劇

「ありえない」

「……まだ、何も言ってない」

「何も言っていなくても、大体わかるっての」

「ふっ、俺の心が読めるとは、さすがモニュルメットヌルングル星人だ!」

「いや、だから、違うって言ってんじゃん。ほんと、やめてくれないかな。人を変な名前の星人で呼ぶの」

「本性がばれたからって、照れなくていいじゃないか。正直になれ、モニュルメットヌルングル星人」

「私これまでもこれからも、ずっと正直ものだから。正直に言って、地球人だから。そんな奇怪な名前の星人になった覚えないから」

「それだけの特徴をそろえておきながら、否定するだと!?それこそありえないな。いいか、謙遜もほどほどにしないと、地球人さん達に怒られるぞ!!」

「特徴って何。私、他のみんなと何がそんなに違うってのよ!?だいたい、地球人っていうのが謙遜ってどういうことよ。あんたの中でモニュなんたら星人ってどういう位置づけなわけ?返答次第では、私を含めた地球人全員が怒るわよ。で、今の伝わってなかったら困るから説明するけど、私、さりげなく自分も地球人だとアピールしてんだからね。分からなかった時のためにもう一度言うわよ。私は地球の人ですよ。なんだったら、DNAでも調べる?確実に地球人類の配列出るから。それともさ、これって全部冗談で、なんちゃら星人って呼ぶのは、遠まわしに私を貶すためなの?もしかして、もしかしなくても、いじめ?私、いじめられてるの?やだ、ちょっと誰か、先生呼んできて!速攻でこいつにいじめられているってちくってやるから!!」


「落ち着け。トークがマシンガン過ぎて8割聞き取れなかったぞ。まあ、でも2割は聞き取れたわけだが、その聞き取れた2割に対する答えならば、別の星の出身だからっていじめるような地球人はクズだ」

「くそ耳が、これっぽっちも聞き取れてないっての!!私は、あんたに、いじめられてんのよ!」

「心外だ。いじめてなどいない。友好を深めようとしているだけだ。それと、俺は『あんた』じゃない」

「私も、なんちゃら星人じゃない」

「モニュルメットヌルングル星人だ」

「それ!じゃない!!」

「……まあ、いい。仕方ない。いつか心を開いてくれるまで、待つ」

「まだ言うか、あんたは」

「あんたじゃない」

「ああ、すいませんね。阿部君でしたね」

「実は阿部とは仮の名だ、本当の名は――」

「もういいです。勘弁してください。阿部様」

「俺の本当の名は」

「うわーん!!誰か助けてよー!!」

阿部(仮)君が自称スィースベンガギャグァリア星人であるということを本文中で言明していないのは、わざとです。ということにしておいてください。

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