02話
これで良い。あの女が逃げる時間ぐらいは稼ぐさ。それにこのウサギ、いやモンスターと呼ばせてもらおう。見る限りそこまで強く無さそうだ。コイツを仕留めれば俺も逃げれるはずだ。
そう思い、今にも折れそうな短剣を構える。ウ
モンスターのウサギは男を威嚇しながら男の周りを動く。そして、男目掛け飛びかかる。
男は折れそうな短剣にて飛びかかってくるウサギを斬ろうとするも角にて短剣を上手くいなされる。その攻防が何度も続き男は
「‥弱くねなぁ。コイツなかなかにやる。けど慣れたぜお前の攻撃」
そう言い目の前に迫るウサギに対し壊れかけた時計を取り出しそれに角を貫通させ軌道を少しずらし、もう片方の手に持っていた短剣にてウサギの首を切断したのであった。
「よし、上手くいったか。これでこの場から離れれる」
と背を向け走り出そうとした瞬間にグサと言う音と共に焼けるような痛みが右肩を襲い
「ぐぁぁあぁ」
と声が漏れ確認すると、右肩をウサギの角が貫通している。男は殺したはずだ、何故そう思いながら、左手に持っていた短剣にてウサギを仕留めようとするもウサギは角を抜き去り距離を取る。そして距離を取ったところをみると先ほど倒した死体があり男は
「クソ‥蹴り飛ばした奴かよ。あの蹴りで死んだかと思ってたが生きて隙を狙ってたか‥。来いよ!!そこの奴と同じように倒してやるよ」
そう言い放つ。ウサギは男に再度飛びかかり男は短剣にて角を弾き返そうとしたがついに短剣が壊れ目の前に角が迫り
「‥何もわからないまま死ぬのかよ。あの女、逃げ切れたかな」
と呟く死を覚悟した。その瞬間にウサギの頭上から光が落ちウサギがその場に落下し息絶える。男は何が起こったのか理解出来ずに立ち尽くしていると、背後から
「間に合った。生きてるよね!」
と言う聞き覚えのある声がした為に、振り返りその人物を見て
「‥何で戻って来てるんだよ!!逃げたはずだろ?それに今のはなんだ?」
と聞く。女は
「ごめんなさい。けど‥貴方に死んで欲しく無かった。だから、だから戻って来たの。それと‥今のは良くわからないの。無意識だったから‥。それよりも、その怪我」
そう言う。
「別にたいした事じゃね。それと‥助かった、ありがとうな。けど、二度とこんな真似するな。2人共死んだら意味がないからな」
「わかったわ。それよりも逃げた先で休めそうな場所見つけたの。そこでこれからの事を考えましょう」
そう言い女の案内にて休めるであろう場所に向かうのであった。そして、巨大な木の間に人が入れるぐらいの窪みが出来ている場所にて2人は入り女が
「‥ねぇ、私達名前がないと何かと不便だから名前決めない?」
「確かにな。なら、俺の事は名無しと呼んでくれよ」
「却下よ。名無しとか名前じゃないでしょうが!!私が決めて上げる。そうね‥ガイマってのはどうかしら?」
「それでいいだろ。なら‥お前の名前は俺がつけてやるよ。お前は‥ミナだ」
「ミナ‥凄くいい名前。ガイマ、名前つけてくれてありがとう!!これからよろしくね」
「ぁあ、よろしくな‥ミ‥ナ‥」
そう言いガイマはその場に倒れ込み意識を失うのであった。ミナは
「ガイマ?どうしよう、何で、何で突然倒れ込んだの?いや、いや、嘘よ、死なないで、死なないでよガイマ!!!」
と叫ぶのであった。
その頃、ウサギの魔物を倒した場所にて死体を見た人物が
「何故この様な場所に、ポイズンラビットが‥。1体は首を斬られ絶命しもう1体は黒焦げになっているということは魔法か。けど不味いかも知れんの‥戦った者は傷を負ったらしいの」
そう言い地面に付着している血を見て言う。そして
「ポイズンラビットの毒は突然やってくるからの。最悪の場合は死に至る強力な毒よ。まぁ生きてることを祈るしかないかの」
とその場を離れようとしたが
「‥うん?誰かが泣いておるぞ?ここから少し離れてるが泣いておる。面倒事なら勘弁だが‥あの方なら見過ごしたりしないよね。なら私もそうしなければ」
そう言い泣き声のする方に走り出すのであった。
場面は戻り、ミナは泣きながら
「ひぐぅ、ないでてもどうにもならない。だれがざがじにいごう」
そう言い涙を拭いその窪みから出て離れ、少し先の開けた場所にて、突如と地面に押し倒された
「いずっ、何が?」
と言う。すると、押し倒したであろう人物が
「動くな。動けば関節を外す!ここで何をしている?答えろ」
「痛い痛い、答える、答えるから力抜いて」
力が抜けたのを確認してからミナは
「‥ガイマが、ガイマが倒れだの。何でだおれだがわからないの。だがらたずげを呼びに」
と途中から泣きながら話す。それに押し倒していた人物は
「その泣き声‥泣いていたのはお主か?そのガイマとやらの所に案内して」
そう言い押し倒すのを辞める。ミナは立ち上がりりミナの顔をみるなりその人物は
「えっ?もしかして、ナミ様?」
「ナミ様?えっ、わだじはミナです。もしかして私の事を知ってるのですか?」
「‥いや、あの方の昔の姿に似てただけ。名前違うから違うかも‥。うん‥きっと違うはず。だってナミ様は死んだと言われてるんだから。ってこの話は終わり、早くガイマって人の所に案内して」
そう言いミナはそれ以上何も聞かずにその人物をガイマを横にしている木の間の穴に案内するのであった。