10話
ガイマとスズモは少し広い場所に移動しどちらも構える。そんな姿を見てミナは
「ガイマ‥無茶だけは辞めて。無理だと思った
らすぐに辞めてよ」
と心配そうな表情で見て言う。それに
「大丈夫だ。無理ならすぐに降参するさ」
と言い返しスズモを見つめる。
何か一見今までと変わった様子は見受けられないが、何か違和感を感じるの何故だろうか?この4時間で何かあったのか?けど、私を傷つけるなんて無謀だと思うわ。始めは、様子見で軽めの魔法でけん制をしてみましょうかと思い左手を前に突き出すと共に
「行くわよガイマ。大丈夫、殺したりたりはしないから。けど、出来れば早めに降参するならしなさいよ」
と言い放ちスズモの周りに火の球、水の球が出現してそれが放たれガイマ目掛け飛んで行く。
火の魔法と水の魔法か、けど‥凄く遅く感じる。これなら走りながらスズモとの距離を詰めれるぞと思い、その場から走り始めスズモとの距離を詰め始める。
うん‥これだけの魔法の数をまるで簡単なように避けてる気がするんだよね。このままだと接近されて不味いけど、カイとの戦いで私が接近戦出来る事は見てる筈だからそれを逆手にとる。
「少しはやるけど忘れた訳ではないわよね?接近戦は私も出来ることを」
そう言い右手を少し動かし、自身の周りに触れると起爆する魔法陣を展開し迎え撃つ。
「‥知ってるよ。けど、それって俺の姿が見えたらの話だよな?黒煙」
と言い放ち手のひらを地面に触れると辺りを黒い煙が包み込み始め一瞬で視界を見えづらくする。
よし、これなら背後に回り込み攻撃をすればいけるはず。相手の位置は魔法の位置で検討ついている。いけるはずと思い背後に回り込み後ろ姿が見えた瞬間に地面が爆破し煙が爆風で吹き飛び始める。
「さて、気が付かなかったようね。あらかじめ地面に爆破魔法を仕掛けていたの。危険したらどうかしら?どのみち今の爆破でかなりのダメージを追ったはずよ」
と言い、視界が開けるとそこには服はボロボロになっているもほぼ無傷なガイマの姿があり
「ダメージがない?ガイマ、何をしたの?」
と驚きの顔を見せる。
なんだ‥何故俺は爆破を受けたのに無傷に近いんだ?けどチャンスだ。爆破する前に魔法を仕掛けたんだ。これで行けるはずだ
「‥さてね。それを教えるとでも?それよりもこれで終わりだ」
そう言うと同時にスズモの背後から魔法陣が出現しそこから黒い尖った棒状の魔法が出現しスズモに迫る。
まさか‥使わされるなんて思いもしなかった。これ程まで強いなんてね。と黒い尖った棒状の魔法がスズモに触れる直前でその魔法が突然と消え去り
「チェックよ。バインドチェイン」
そう言うとガイマの足元から無数の鎖が出現しガイマを拘束するのであった。
「魔法無効魔法を使えるのか?‥降参だ」
と言うガイマ。スズモはガイマの側により
「まぁ‥えぇ、そんな感じかな。とりあえず拘束解除するわ」
指を鳴らすと鎖が消え去り拘束が解除される。ミナがガイマに近づき
「ガイマ!傷は?あの爆破は本当に無傷だったの?ねぇ、大丈夫なの?」
と体を触り確認し始める。
いやいや、体触りすぎだろう。いや待て待て、何処まで触ろうとしていると少し焦りミナを突き放し
「大丈夫だ。それよりも触りすぎだろう!!」
かぁ‥ヤバい、心配しすぎて見えて無かったけど服ボロボロだったわ。それに突き飛ばしてくれなければガイマの大‥いぇ何でもないと思い
「そう‥。心配でつい」
と。スズモがそんな2人に
「ガイマにスズモ‥何だ、私を傷つける事は出来なかったけど、ここまで出来るなら明日の件に関わっても大丈夫かしら。けど、私の言うことは必ず従うこと。これが守れるなら同行を許すわ」
それを聞き
「良いのか?」
「私までも良いの?」
「ついて来たくなければ来なくてもいいわよ?それじゃもう遅いし部屋に戻って休みましょう。それじゃ私は先に戻るわね。後、ミナの部屋は先程のいた部屋を使いなさい。ガイマは1番始めの部屋ね。まぁ、別に同じ部屋でも構わないけど‥うるさくしないでよ」
そう言いその場から離れるスズモ。
「いや、同じ部屋なんてあり得ないから」
「私は、同じ部屋でも構わないけど‥ガイマが言うなら別別の部屋で」
と、2人も部屋に戻る事にしたのであった。
イースタンの街の領主の館では、領主が椅子に座っておりイライラした様子で
「あの女、あの場でささっと決断しろよ。何でわざわざ俺様があんな場所に出向き話さなければならないんだ!!」
と叫ぶと護衛についていた人物が怯え、体の至る所に数字が書かれている女性を無理やり壁に磔にしながら
「まぁ、仕方のない事でしょう。暗黒神ダーク様からの直接の指示ですから。どうぞ、準備が整いました」
と。領主それを聞き机に置いているダーツの矢を持ち数字を確認しながら、どの数字がいいのかを決めダーツの矢を放ち
「うむ。やはり、イライラするとこうやって生きた人間、特に女に目掛けダーツを放つのは発散になるわ」
と。放った矢が女性の太もも辺りにヒットし女性は
「いぎゃあぁ!!痛い、痛い、ヤダ、ヤダ、辞めて、離して、離して、」
と叫び磔から逃げようと動くもびくともせずに領主はニヤニヤしながら
「いいぞ、いいぞ!!もっと叫べ、もっと恐怖しろ!!!お前は何故この場所に選ばれたか分かってるか?それを答えたら辞めて離してやる」
そう言い放つ。女性は
「‥わからない理由なんてわからない。突然連れられて来てわかる訳ない」
「そうか!」
再び領主は机のダーツの矢を取り腕にその矢を放つと
「ひぎぃやぁ!!」
と叫び声を上げる。領主は
「わかるまで辞めないぞ!!ほら、ほら次は何処を狙おうか」
そう言い矢を取り投げようとし、女性は
「いや、いややややや」
と叫び声を上げしばらく女性の叫び声が領主の館内に響き渡るのであった。そしてそれを別の部屋の顔がわからないように隠している人物の1人震えながら聞いており
「聞きたくない‥悲鳴聞きたくない。私は、私はもうあのような事をされる事はない。大丈夫、大丈夫、あの時の事に比べれば大丈夫。私は、私は、成功体なんだ。領主様の命に従えば大丈夫の筈。大丈夫、大丈夫‥。はやく、はやく、聞こえなくなってよ‥この悲鳴」
と言うのであった。