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62話 治



何個か箱を開けたが、何故かスキルの獲得頻度が早くなっている気がした。


もちろんそんな夥しい数の箱をいちいち数えている訳では無いので肌感覚だが、やっぱり早くなっている気がする。


この前開けた時はもっと遅かったはずだ。


早くて悪い事は無いのだが、やはり上手い話には裏があると考えてしまって、少し怖い。


まぁ、そこまで深く考えすぎない方が良いよな。



そのままずっと良いペースで箱を開けていると、すぐに部屋が箱で埋まってきた。俺はある程度まで行くと地下の倉庫などにまとめて持っていったりしていたが、それは陽夏がやってくれる事になりかなりの時間の短縮となった。


しかし、スキルはレベルアップはするものの、それ以降はなかなか起きなかった。


俺が1番可能性を感じているのは快治だ。


このスキルは瀕死の人を回復させたり欠損した部位を元通りにしたりできる中々のチートスキルである。


このスキルが昇華してくれればもしかしたら死者の蘇生も出来るようになるかもしれない。


まぁ、その為にも俺はこの痛みに耐えながら早く箱を開けよう。


そう決意し、俺は箱を開け続けた。


陽夏が俺の布団で寝たりして少しドキドキしたりもしたが、効率は落とさずにただ黙々と箱を開け続ける。


陽夏は俺の部屋をかなり綺麗にしてくれて少し感動した。


何年も前から服やらなんやらがごちゃごちゃと落ちていた汚部屋がこんなにも綺麗になるとは…………。


そんな部屋で気持ちよく箱を開け続けた。


そして、開け始めて数日経った夜。


初めて変化が起きた。




【スキル《快治LV10》を入手しました】




Пибрни (支配者権限を)дииативнй (獲得しました。)вати 【治】(支配者権限【治】)



日本語では無いが、意味だけが伝わる言葉。


頭の中でそんな声が鳴り響き、何かの情報のようなものが流れ込んできた。



「ぐっ!?」



俺はあまりの痛さに倒れこんだ。


体が動かない訳でも無いし、頭が痛い訳でも無い。


ただ、あまりの情報量に脳がついていけていないのだ。


この情報は…………。


なんだろう、よく分からないが、この情報はゆうちゃんを生き返らせるために必要な気がする。



「って、晴輝大丈夫!?」



さっきまで寝ていた陽夏が飛び起きてきた。


陽夏には悪いが今は話しかけないで欲しい。


これ以上俺の脳に負担をかけないで欲しい。


俺の脳は出来るだけ情報を遮断するために意識を落とそうとする。



「晴輝! しっかりして!」



陽夏の叫び声が段々と小さくなっていく。


俺の意識はそこで途絶えた。




◇◇◇◇




俺は頭の痛みと共に目覚めた。


目を開けるとすぐそこに陽夏の顔があった。


って、またこういう展開かよ。


俺は2回目なのでそこまで驚かずにずっと起き上がった。


俺は布団に寝転がっていた。


どうやら陽夏がここまで運んできてくれたみたいだ。


外を見るとまだ暗い。


気絶してからすぐに起きれたようだ。



「はぁ…………。」



俺は大きなため息をついた。


何故なら()()()()()()()()()()()()()()()()()()という事が分かったからだ。


あの時俺はスキルを昇華したのではなく、スキルの成長限界を解除したらしい。


これは成長限界を解除した時に自動的に頭に流れてきた情報だ。


どういうことかと言うと、俺の治すという効果が無限大に強化されていくという事だ。


しかしそこに死者を蘇生させる効果等はなく、ただ治す事が出来るだけらしい。


どうやら死ぬと言うのは何と言うか全く別の物になるという事らしく、そこから生き返らせるとなると治すとは全く別の工程を踏まなくてはいけないらしい。


つまり、これ以上箱を開け続けてもゆうちゃんを生き返らせる事は出来ないということだ。


まぁ、ひたすらに開け続けて蘇生スキル的なものが手に入れば万々歳なのだが、そんな都合の良い事はそうそう起こらない。


それをやってるくらいならゴブリンのダンジョンを攻略している方がマシだ。


残念な事にこれでゆうちゃんを生き返らせるための手掛かりが1つ減った。


こうなったらダンジョンを攻略するしかないな。


俺は持っていた箱をコンロに置き、陽夏の様子を伺った。


陽夏は幸せそうな顔をして眠っている。


…………早くダンジョンに行きたい気持ちはあるけど、今の陽夏を起こすのは忍びないな。


俺は陽夏に布団をかけた。


俺の部屋に女の子が寝ているなど昔の俺なら考えられなかったが、こうしてみると案外平然としていられるな。


俺は陽夏から離れてコナーから貰ったメモ用紙に今回レベルアップしたスキルをメモして言った。



ズキリ



頭が痛んだ。


そういえば甘いものを飲むと頭の痛みが良くなるとか聞いた事があるようなないような気がするな。


俺はタンスからチョコレートを出した。


俺は久しぶりにチョコレートを口にする。


あぁ、甘い。


ゆうちゃんは確かこれを食べて機嫌を直したりしていたな。


…………俺はこれを食べると、どんどん悲しくなってくるよ。



俺は静けさの中ただ1人夜空を見つめた。






◇◇◇◇



メモ用紙



マスターキーLv5 不眠Lv1 断食Lv1 金剛力Lv7

魅惑Lv1 壮健Lv1 賢明1 超再生Lv2 根気Lv9

強靭Lv5 瞬足Lv3 鬼剣術Lv2 夢食Lv2


成長限界突破【治】




昨日は寝落ちしてしまいました。


申し訳ない!


9月からは更に投稿頻度をあげますのでお許しを!

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