37話 突撃!
箱を開け続けて上がったスキルはこんな感じだ。
マスターキーLV1→マスターキーLV3
金剛力LV6→金剛力LV7
魅力LV8→魅惑LV1
健康体LV8→壮健LV1
知力LV3→賢明LV1
体力LV7→強靭LV1
高速LV9→瞬足LV3
剣術LV5→鬼剣術LV2
殆どのスキルが昇格する事が出来た。
そして、元から昇格していたスキルもレベルがあがり、俺の戦闘力は大幅に強化された。
1番の変化は、マスターキーがレベルアップした事だ。
殆どのスキルを昇格した後に何もせずに開けているとマスターキーのレベルが上がったのだ。
やっぱりまだそのシステムがよく分からないな。
そして、マスターキーの効果もよく分からなかった。
特に開け心地としては何ら変わりは無かった。
まぁ、これに関しては要検証という事にしておこう。
さて、今日は出発の日だ。
この数日で俺はしっかりと準備を整えた。
ゆうちゃんも気合いが入っているようで、隠密のドレスをビシッと着こなし、真剣な表情をしている。
だが、ワクワクが収まらないのか、口が少し緩んでいる。可愛すぎだろ。
「よーし、じゃあ出発!」
「おー!」
◇◇◇◇
さて、思い切って出てきたは良いが…………。
「どこ行けばいいんだ?」
「はは、君らしいね…………。」
コナーは呆れたようにそう言った。
俺達は何処に行くのか分からなかったため、一旦ホテル街に来てコナーに聞きに来たのだ。
「うーん、まずはここら辺で最弱のゴブリンのダンジョンに行くべきかな。ゴブリンはそこまで強い訳じゃない。ゆうちゃんでも危険じゃないだろう。近さもすぐそこだし、そこにしたらどうだい?」
「おぉ、良いな。」
ゴブリンのダンジョンなら俺も一回行ったことがある。
あの時は陽夏というバックアップが居たからこそ俺は安全に行けたが、それが俺が守る側になると話は別だ。
俺の頭の中で最悪の結末が想像されてしまう。
「分かった。そこに行こう。」
いつまでもビビって居られない。
こんな姿ゆうちゃんな見せたくないからな。
好きな人の前ではカッコつけられる位の男にならなくては。
「気をつけて行ってきてね。特に晴輝! いや、言わなくてもすると思うけど、悠ちゃんをしっかりと守るんだよ?」
「あぁ、例えこの身が弾けて無くなろうともゆうちゃんだけは絶対に守り抜く!」
「あはは、頑張ってね。」
俺とゆうちゃんはホテル街を出た。
目的地はゴブリンのダンジョンだ。
◇◇◇◇
「わぁ、ここがゴブリン? のダンジョンなのかー! え! ねぇねぇ! ゴブリンってお姉ちゃんを殺した奴だよね!」
「あ、あぁ。」
笑顔でそんな事を言うゆうちゃんに少し驚きながらも返事をする。
「じゃあ、私もゴブリン殺していいかな?」
「えっ。」
ゆうちゃんがとんでもない事を言い出した。
ゆうちゃんにそんな事をさせる訳にはいかない。
「ゆうちゃん。それは危ないからやらせてあげないな。けど、ゴブリンはゆうちゃんの分まで俺が倒しておくから安心して!」
「えー。」
ゆうちゃんは駄々をこね始めた。
「私だってお姉ちゃんの仇を取りたいよ! お姉ちゃんを殺したヤツらなんだから殺しても良いよね?」
「…………。」
その言葉から、ゆうちゃんは本当にそのお姉ちゃんの事が好きだったことが分かってしまう。
誘拐犯のお姉ちゃんの事を。
俺は何とも言えない気持ちになった。
本来なら恨むべき人の事を心から愛している。
そして、その人を失った悲しみをゴブリンにぶつけようとしている。
まるで、ゆうちゃんのその幼い心を弄んでいるようで、俺は気分が悪くなった。
だが、愛する人を失った悲しみは分かってしまう。
それがたとえ本来なら恨むべき相手だとしても、愛していたという事実は変わらない。
「分かった。絶対に安全と言う時だったらやってもいいよ。」
「やったぁー」
まぁ、もとより俺がゆうちゃんの頼み事を断るなんて無理な話だったんだ。
俺はそう思う事にする。
「じゃあ、入るか!」
「突撃ー!」
そうして俺達はダンジョンの中へと入っていった。
◇◇◇◇
「え、なんだって? トレントのダンジョンが無力化?」
僕は佐々木君から伝わってきた情報に驚愕していた。
「どうやって…………。」
「それが、かなり不可解なんだよ。どうやら、そのトレントのダンジョンに入ったら何故か前まではウジャウジャ居たはずのトレントが一体も居なくて、その通路もなんだか単純化していたらしい。」
「へぇ、人為的な事じゃないって訳か。」
興味深い。
コナーはそう呟き考え込んだ。
ジャンル別月間ランキング9位あざます!
所で、質問なのですが、送られてきたメッセージってどこで見るのでしょうか。
とても嬉しくて見ようと思っても見方が分からなくて…………。
誰か教えてくださいましー!