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203話 ミサイル



モルフィスはミサイルの事に知らなかったため、俺の驚きには一瞬気づいていなかったが、俺の考えているミサイルというものを知った瞬間、慌てて強力な結界魔法を作り始める。


ミサイルの種類などパッと見で分からないが、ミサイルが弱いわけが無い。


これは固定概念かもしれないが、少なくともミサイルが弱いものだとは思えないのだ。


少なくともあのミサイルは小さなものでは無いし、当たれば少なくとも痛い目を見る程度では済まされなさそうだ。


ミサイルは物凄い速さで俺の元に近づいて来る。


モルフィスを止めたいのはあるが、俺だってこのまま死んでしまえば困る。


ゆうちゃんを生き返らせるまでは俺は死ねない。


何とかゆうちゃんを生き返らせ、信頼の出来る人達に預けるまでは俺は死ねないんだ。


ミサイルがキラリと光り、その瞬間、轟音が鳴り響いた。


それでも結界はビクともしないと思ったが、そんな希望は打ち砕かれる。



「あついっ!?」



その攻撃は結界魔法を易々と貫いて来た。


驚いて一瞬反応が遅れたが、すぐに脳を優先的に回復させながら何とか生命を繋ぐ。


何故結界魔法を貫いて攻撃出来たのかは分からないが、起きてしまったことはしょうがない。


俺は体を治しながら、体の周りに水魔法を使い体の周りの温度を少しでも下げると同時に周りから何かが飛んで来るのを防ごうとする。


しかし、周りの温度は下がらない。


そんな異常状態に困惑しながらもモルフィスは何とか生き残ろうと尽力する。


が、モルフィスの魔法はその攻撃には一切効かなかった。


俺は一瞬本当に死んでしまうかと思ったが、どうやら俺に対しての魔法は効くみたいだったので、体の周りを硬化させたり、熱に強くしたりと色んなことをモルフィスがして俺を死なないようにする。


俺の治す能力も問題なく使えるのでどれだけ体が焼けたとしても死ぬ事は無かった。


爆発が止み、当たりは塵や煙に包まれる。


その時、俺はなんとも言えない感覚に包まれる。


が、そのなんとも言えない感覚になった瞬間俺の体が治りその時にそれが消えるのを繰り返した。


あぁ、放射線か。


さっき撃たれたのは多分核ミサイルか何かだったのだろう。


放射線を受けることによって俺は被爆するが、その瞬間に治す為何ともなっていないようだ。


というか、こんな事をするという事はやはりここには人が居ないのだろう。


俺はため息をつく。


ここら辺に現人神が居ないことはもう確定したみたいなものだ。


俺は一応次にイタリアへ向かおうとする。


しかし、その瞬間、空でまたキラリと光るものを見た。


…………ミサイルだ。


これはもう、俺を本気で殺しに来ているようだ。


その時、モルフィスが本気でキレた。


周囲にある石などを投げ、そのミサイルへと飛ばす。


しかし、ミサイルは遥か上空にあり、当たらず、逆にミサイルは俺付近に落ちた。


俺はまた痛みに耐えながら自分を治す。


…………この調子で撃たれたらまだまだミサイルが俺の所に落ちてくるだろうな。


ミサイルが俺の所に落ちる前、俺は新たなミサイルが俺の所に何個も落ちてきているところが見えた。


俺は憂鬱な気分になりながらも、覚悟を決めて生き残る事にした。





◇◇◇◇




「はぁ、はぁ、もう……終わりか?」



俺は辺り一面に何も無くなったその場所に倒れ伏していた。


体にダメージは無いが、流石に少し疲れた。


周りの物は無くなっており、俺は大きなクレーターの真ん中に居た。


それ以降はミサイルなどは飛んできて来なかった。


もう在庫が切れたのだろう。


物凄い数を撃たれたが、俺はまだ生きている。


体感で言えばもはや1ヶ月ほどに渡る程耐えていたような気がする。


周りの様子が見えなかったためどれだけ経ったかは分からないが少なくとももうここら辺に誰かいたとしてと放射線等で全員死んでいるだろう。


空には核ミサイルを撃った影響かと思われる厚い雲ができている。


なんだか魔核融合魔法を使ったあとみたいだった。


俺は魔法で服を作りそれを着る。


別に裸でもいいのだが、何となく裸は良くないと思い服は着た。


そして、俺はイタリアへ向かって走り出す。


もうここにいない可能性が高いので、少しでも魔力消費を減らすために浮遊魔法は使わない。


まぁ、皮肉な事に様々なミサイルが使われた事によりここら辺は平らになっているため走りやすい。


俺はドイツの中を走っていき、アルプス山脈の所まで来た。


その瞬間、銃のようなものを連射される。


モルフィスは効くか分からなかったが結界を貼る。


すると、その銃弾は弾かれた。


俺はその銃弾の主を見つける。


そこには防護服を纏った男がいた。


これは、たまに見る放射線を防ぐための放射線だろう。


俺がそいつをこうげきしようとすると、防護服を纏った男は何かを叫んだ。


その瞬間、周りから同じ様な人が大量に出てきて、俺の事を撃って来る。


しかし、結界を使えるのならば問題は無い。


俺はその銃弾を結界で防ぎながらその男達の魔力を吸い取って殺していく。


俺は全員が死んだ中で一人佇む。


何故ミサイルは効いたのに銃は効かなかったのかが分からないが、あまり考えても答えは出なさそうだ。


俺は考える事を辞め進み始めた。





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