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183話 過去13



俺はとりあえず情報収集のために街へと下りていった。


そこに居る人に話でも聞こうと思ったのだが、俺が底に出た瞬間、俺の周りにいた人たちが蜘蛛の子を散らすように逃げていった。


その時にその人達は俺を見て犯罪者と叫んで逃げていっていた。


…………そうか、日曜の現人神は街にデモでも流したか。


まぁ、日曜の現人神の側近らしき人を殺してはいるし、犯罪者に変わりは無いか。



俺は俺がされた事を事細かに説明した。


しかし、街の住民は口々に、日曜の現人神様の意向に沿わなかったお前は犯罪者だと俺を口汚く罵った。


俺はため息をつく。


直後、金色の鎧をつけた騎士のような人達がぞろぞろと集まってきて俺を取り囲んだ。



「お前は完全に包囲されている! 大人しく投降しろ!」



その中でも特に煌びやかな鎧に身を包んだ騎士のような人がそう叫ぶ。


その声に周りからは黄色い歓声が飛ぶ。


はぁ、こいつらはやはりダメだ、救えない。


包囲? これで?


確かに俺の周りは取り囲まれて一見逃げ道は無いようにも見える。


…………ただし、それはここにいるヤツらに俺が勝てなかった時の話だ。



夢殺(ばく)



俺は瞬時に金色の鎧をつけた騎士のような人の元に飛び込み、そのスキルを使った。


その瞬間、金色の鎧をつけた騎士のような人はその重みに耐えきれなくなったのか、ガチャンと言う音を立てて倒れた。


騎士たちの間に動揺が走り、街の住民は悲鳴を上げた。


しかし、曲がりなりにも騎士達も訓練を受けている。


俺が投降する意思はなく、攻撃してきていると瞬時に判断し、俺に向かって槍や剣で攻撃してきた。


しかし、そんな攻撃も俺が夢殺を使った瞬間出来なくなる。


この世の人の能力は9割9部スキルによるものだ。


素の人間のちからなどではそこまでの力は出せない。


だから普通は自らの力を鍛えるのではなく、スキルを鍛えるのだ。


そんな人達に俺のスキルはマッチする。


その人との距離がある程度まで近づけば相手の魔力を全て自分のものにできるスキルを俺は持っている。


なので、普通の人なら体がおかしいぐらい重くなるだけで住むが、ああいう騎士は重たい装備を身につけているが故に動けなくなってしまう。


スキル無しで俺に勝たなくてはいけなくなるのに、スキル無しでは動けないのだから、俺に勝てるはずがない。


俺は騎士達をどんどんとなぎ倒して行く。


少なくとも倒れた騎士達は死んではいないだろうから、後できっちりと殺すとして、今はこの周りにいる奴らだ。


騎士達は俺に恐れをなして逃げたりはしない。


訓練を受けた騎士たちは狂ったかのように俺に立ち向かってくるからある意味楽に倒せる。


現に騎士の数はどんどんと減っているが、騎士を囮として他の住民達は逃げていってしまっている。


騎士の役割はこれなのだろうが、そうなってしまっては困る。


俺は奴らも1人残さず殺す。


教会のみんなから搾取して甘い汁を吸っている連中など全員死んでしまえばいいと常日頃から思っていたが、今はその憎しみは更に増大されている。


黙って俺に協力していれば少しは生かしておいてやったものを、馬鹿な奴らだ。


俺は騎士をあらかた片付けたあと、住民が籠っているであろう屋敷を1つづつ破壊していくことにした。


こうすれば少なくとも全員殺せるはずだ。


今の俺は騎士全員分の魔力も手に入れているため、並の人間にはまず負けない。


相手の魔力が強ければ強いほど吸収はしにくくなるため、七曜の現人神程となれば俺も苦戦を強いられるだろう。


ならばそれまでにできる限りの人達の魔力を吸収しておかなくては。


黙って俺に魔力を吸収されない奴ら以外は全員殺す。


俺は手始めにひとつの屋敷の前に立つ。


非常に大きな屋敷だ。


これを立てる金があれば教会のみんなは一生飢えに苦しむこと無く生きることが出来ただろう。


俺はその壁を思いっきり蹴り上げる。


少し魔力も籠っていたので、それも吸収する事によって耐久力を下げ、俺の力を振り絞って蹴り上げた屋敷はその1発だけで半壊した。


中の住民は死んだだろうか?


とりあえず魔力を吸収出来ればいいのだが…………。


俺が瓦礫の中を探すと何十人かの人が出てきた。


使用人なども含まれているのだろう。


俺はその全ての人の魔力を吸収し、そして頭を潰していった。


いい気味だ。


俺はその調子で数々の屋敷を破壊していった。


流石成金と言うだけある。


このスキル至上主義社会ではスキルの弱いものは淘汰される。


故にここの住民もかなりの魔力を持っていた。


何か特殊な方法でも使ったのだろう。


だが、何百人分もの魔力を持っている俺からすればそんなものカスみたいな物だ。


それでも少しの足しにはなるのできっちりと吸収していく。


気づけばここら一帯の屋敷は全て壊れていた。


俺は体の中に様々な種類の魔力が滾っているのを感じた。


例えだが、魔力を吸収する際にしっかりと咀嚼してしまうとそれは分解されてしまう。


だが、そのまま飲み込むことによってその魔力はそのまま獲得できるのだ。


その方法を使って俺は様々なスキルを覚えた。


体外魔力を使って大規模な攻撃をする魔法や、様々な武器の使い方など実用できそうなものも沢山あった。


その後、俺は動けなくなった騎士達をきっちりと殺して次の場所へと向かった。

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