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159話 ゾンビ男再来3



金髪男はものすごく焦りながら俺へと色んなものを飛ばして来た。


しかし、俺はあのゾンビを吸収して得た魔力を使って獲得したスキルである念力を使いながらその物の勢いを殺しながらゾンビ男へと向かう。


ゾンビ男はもはや放心状態になってしまっていて、もはや使い物にならなくなっていた。


なので、俺は直ぐにゾンビ男を殺せると思ったが、思ったよりも金髪男がしっかりとサポートをしていたため、、なかなか攻撃が届かない。


いや、物凄い勢いで振り回されていてもうゾンビ男はボロボロだ。


ギリギリ死んではいないが、もはや放心状態通り越して気絶上じゃないか。


あいつは何を考えて…………。


その瞬間、轟音が鳴り響いているのを感じた。


俺はその音の方向を振り向く、いや、見上げた。



「…………何だこれ。」



俺はその様子に驚愕してしまう。


それは、赤く輝くものすごい大きさの火の玉が落ちてきている様子だった。


見たことは無いが、隕石のようなものなのだろう。



「ふ、ふふふ、驚いたかな? そう、僕は空中に常に大量の物を浮かべているんだ。能力の練習にもなるし、それにこうやって落として攻撃することも出来る!」



くっ、そういう事か!


この前の攻撃も上に浮かべておいた物を落として攻撃していたのだろう。


この前のはまだ瞬時に治すことによって大丈夫だったが、今回の攻撃は範囲が広すぎる。


となると俺はこの攻撃を受けてそのまま死んでしまう。


さっきからゾンビ男をボロボロにしてまで守っていたのは、言わば餌みたいなもので俺をこの場に押さえつけて時間稼ぎをしようといていたという訳か。


俺は周りから飛ばされてくる物へ使っていた念力を全てあの隕石へと向けた。


あれ程までに加速しているものへと使うのにはまだ俺の念力は弱すぎるようで、焼け石に水だった。


そのため俺はあの隕石を止めることは諦めて、何処かに隠れる事にした。


ここから逃げようにもあの金髪男のサイコキネシスを、いや、俺のスキルの名前が念力だった事から、念動力とかなのかもしれないが…………。


いやそんなことはどうでもいいのだが、とにかくあの金髪男の力で軌道を変えられて俺に当たってしまうだろう。


俺レベルの力ではそんな事は出来ないが、あの金髪男は俺よりも遥かに強いレベルの念力を使えていた。


それは俺が本気で念力を使って少し勢いを殺して避けやすくしていた程度しかできていなかったのに、それを他の物も操りながらやってのけた事から証明されている。


なので、その力を隕石だけに使えば軌道を変えることなど容易い事だろう。


となると、俺は少しでも深くあの隕石の威力が届かない位置に逃げなくてはならない。


俺は近くの道路を注意深く見つめる。


俺は直ぐにマンホールを見つけることが出来た。


それを俺は無理やり外してその中に入り込んだ。


その中に入っていれば少しはマシだろう。


そう思ってたのだが、マンホールの中は思ったよりも浅く、俺が期待していたほど体を隠せるようにはなっていなかった。


俺は汚さを我慢しつつも下水道の水を上へと押し上げる。


そして水をマンホールから吹き上げさせた。


そうすれば少しはマシになるはずだ。


轟音が近づいてくる。


と思ったらすぐにその轟音は爆音へと変わっていた。


マンホールの上の方から一瞬にて蒸発した空気が勢いよく吹き出してきて俺の体を焼いていく。


その程度ならまだいい。


その程度なら簡単に治すことができる。


しかし、次第に隕石は地面を破壊していく。


俺が感じていた熱さに加え、体が圧縮されるような痛みを感じる。


しかし、何故か苦痛は無い。


あぁ、多分俺の中のナニカが俺の事を超強化しているのだろう。


俺は何かスキルを手に入れたりした覚えは無いのだが、多分俺の意識が消えかけたりしている時に入力していたのだろう。


少し気持ち悪さはあるが、今の所俺にとってはプラスだ。


このナニカが何なのかも分からない以上、全てを信用する事はできないが、利用出来るものは利用させてもらおう。


俺は下水道の一部分を塞ぎ、その中の水を一気に蒸発させることによって隕石を押し返そうとする。


しかし、その程度では隕石はビクともしない。


ただ、その水蒸気の方が隕石よりも温度が低い。


温度が高ければ高いほど俺の体は直ぐに焼き尽くされてしまうため、俺を冷却する為にも地下の水を俺へと流す。


しかし、それもできなくなってしまう。


隕石のクレーターが地下の下水道管の所までたどり着いてしまったのだ。


下水道に流れていた水はその瞬間全て蒸発し、消えてなくなったため、俺を冷却するものは無くなった。


死ぬほど熱いが死ぬ事は出来ない。


俺は一瞬のうちに焼き尽くされそうになる脳を、出来るだけ治していく。


他のところは最悪治らなくてもその後に治せるが、脳だけは無くなってしまっては他のところを治すことすら出来なくなってしまう。


だから俺はもはや体の頭から下は治していない。


極度の集中状態になり、時間が無限にも感じられるほど長く伸ばされる。


しかし、それでも俺は生き残った。


衝撃が無くなり、ただ隕石の残りの熱さのみがこの身を苦しめていることに気づき、俺は金髪男の攻撃が終わった事を悟った。

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