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122話 あれ、俺とち狂った?



俺は女の人の頭に手を乗せた。



夢喰(ばく)



【スキル《賢明LV2》を入手しました】


【スキル《鬼剣術LV4》を入手しました】



スキルのレベルは上がったが、効果は変わらず、ただ女の人を吸収しただけだった。


色々と謎行動が多かったが、一応もう大丈夫になったのだろうか?



「コナー、周りに敵とかは居るか?」


「…………うん、大丈夫。居なそうだね。」



今回は女の人が2人居て1人が謎行動をする事により警戒を解こうとしているという可能性も考えたが、どうやらそういう事では無いようだ。


陽夏やコナーに何か不思議な事が無かったかなどを聞いてみたが、特に何も起こっていなかったらしい。



俺達はとりあえずまた先に進む事にした。


今回も同じようにある程度登るとあの女の人が居る部屋に到着する。


そしてその度にオークも強くなっていったのだが、やはりあの女の人はあまり俺達には攻撃してこなかった。


攻撃の威力を見るにかなりの強さがあるのは分かるのだが、その力が俺達にむくことは無かった。


しかし、武器を吸収したり俺が夢喰を使ったりは出来たため、俺達はどんどんと強くなっていった。


そんな事もあり、特に問題などはなくあの機械のある部屋までたどり着いてしまった。


そこで早速その部屋に入ろうと思ったが、陽夏の様子がおかしい。



「どうかしたのか?」


「えっと、やっぱり今回は私みたい。凄いあの部屋に引き寄せられてる感覚があるの何かあの刀が武器に引き寄せられてる時みたいな感覚ね。」


「そうか、それならさっさと言った方が良さそうだな。」



このまま放置してしまうと陽夏の抑えが効かなくなってそのままひとりで突っ込んでしまうかもしれない。


そうしたら何が起こるかわからない。


もしかしたらあの液体にダイブでもしてしまうかもしれない。


そうなるくらいならそうなる前にさっさと突入した方がいいだろう。



「そうだ、今回は俺が先頭を歩くからな。」


「…………うん、分かったわ。」



普段陽夏は俺というタンクが居るにも関わらず何故か先頭を歩きたがる。


本当は俺が先に行きたいんだが、陽夏の強い要望により仕方がなく先頭を歩くことを許している。


しかし、今回ばかりは陽夏に先頭を歩かせる訳には行かない。


幸いな事に陽夏は駄々をこねたりはせずに素直に従ってくれた。


俺は一直線に金属の筒の所に歩いていく。


そしてそこに着いている赤いボタンを押す。


すると金属の筒が開いていく。


そこにあったのは足だった。


ウルフのダンジョンでも足はあったが、この足はその足とは少し違うように感じる。


こちらの方が少し大きいようだ。



「それにしてもこの足って誰のなんだろうね。この前の腕の時はあの腕が私のだーって思ったのよ。それで今回もそう思っちゃってるの。けど、普通に私の腕とか足はちゃんと着いてるしそんな事ありえないんだけどね。」


「…………いや、ありえなく無いかもしれないぞ?」


「え? どういうこと?」


「んー、ちょっと試してみるから見ててくれ。」



俺は黒鉄を小指の根元にあて、そして思いっきり小指を切り落とした。



「いてぇっ!」



俺は激しい痛みに思わず大きな声をあげてしまう。



「ちょ、何してるのよ! 大丈夫!?」


「えっ、晴輝君何してるんだい!?」



俺のいきなりの行動に2人は戸惑っている。


いけないいけない、何も言わずにひとりで突っ走ってしまった。



「いてて、ごめんごめん、ちょっと試したいことがあってさ。」



俺は切り落とした小指を持ち、その横で小指を治す。


すると小指は小指の付け根辺りから再生していき、俺の小指は2本になった。



「ほら、こうすれば2個になるだろ? 本当になるのか分からなかったから検証してみたかったんだ。」


「そんな事検証する為にこんな事したの!? 晴輝はもっと自分の事を大切にしてよ!」


「そうだよ、君は自分が自分の体を治せるからって無茶しすぎだよ。もっと自分を大切にしてよ!」


「…………あぁ、そうだな、すまん。」



2人の言う通りだ。


今冷静に考えてみると俺の今やった行動は明らかにおかしかったな。


俺は何でこんなことをしたんだ?


そこまで重要じゃない…………というかマジで重要じゃない検証を今する必要はあったのか?


考えてみるが答えは出ない。


俺が少しの間フリーズしていると、陽夏が少し震え始めた。



「は、晴輝、もうそろそろ限界が来そう、体が言うことを聞かなくなってきた!」


「あっ、そうだった、今出すから待っててくれ。」



俺は液体の中に手を突っ込んで素早く足を取り出す。


陽夏は足が出た瞬間素早い動きでそれに触れた。



「あー、ちょっと寝るから後はたの……むわ…………。」



陽夏は直後眠りに落ちた。


頭が痛くなり寝てしまうのを早めに察知してすぐに寝たのだろう。


その表情はそこまで苦しそうなものでは無いので、この頭の痛みは寝る事によって緩和されるようだ。


頭が痛くなった後にすぐに眠ってしまうのも本能的に眠って痛みを減らそうとする反応なのだろう。


しかし、それでもダメージはおっているようなので陽夏を回復しながら陽夏が起きるのを待つ事にした。

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