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10話 初戦

やっと10話だ!

書き溜め頑張らなきゃ!

ダンジョンに入った瞬間、まるで外見がハリボテだった様な気分になった。


何故なら、その内装は石レンガで覆われたTheダンジョンと言った感じの空間になっていたからだ。



「このダンジョンはなー、敵は弱いし比較的安全な方なんだけど、暗くてちょっとジメジメしてるんだよなー。」



光源がないと言うだけでここまで不安になるものなのか。俺は入る前以上にビビり散らかしていた。



「ちゃんと警戒だけしていれば大丈夫だよ! それに、体を見るに、不意打ちでも食らわない限り勝てるんじゃないかな。分かんないけど。」



不安だなぁ、もうちょっと確信のある事を話して欲しい。


それとどんどん奥に進むのをやめて欲しい。マジで。


未体験の場所に居るってだけでも不安なのに、そこが危険って言う事前情報とこの前のゴブリンに追われた恐怖体験も相まってもう、怖くて怖くてたまらないんだよ!



「うん。まぁ、怖いのは分かるんだけど…………。」



陽夏はくるっと回ってこっちを向き、俺の頬っぺたを引っ張った。



「にゃ、にゃにをしゅる!」


「怖いからって、私の後ろをビクビクしながら縮こまって歩かないの! 男の子でしょ! しかもいい歳した! 私が話しても反応無いし…………。ちょっと傷つくの!」


「うぅ、わかってるよ。けどな、こっちだって引きこもりなんだ。そんな事言われたって無理なものは無理なんだよぉ。」


「はぁ、情けない。」



情けないと言われても、この場所は譲る気は無いぞ!

このダンジョンで1番の安地、陽夏の後ろをな!



「あ、ちょうどいい所にゴブリンが居たわね。」


「えっ。」



彼女が見る先には確かにゴブリンの様なものが居た。だが。



「ゴブリンって遠くから見ると本当に人間みたいだな。本当にあれを殺すのか? ちょっと肌の汚い子供って可能性もあるかもしれないよ?」



俺がそんな戦いを避けるようなことを言っていると、陽夏が急に真面目な顔をした。



「いい? あのゴブリンたちは何人もの人を殺してるの。ゴブリンに大事な人を殺された人も沢山いる。今は昔みたいな平和な日本じゃないの。この数ヶ月で世界は変わったわ。君はそれでも昔の常識を貫くつもり? そんな事していたら、君、死ぬよ?」


「っ!?」



そうだ。陽夏の明るい性格のおかげで気付かずにいられたが、もうこの世界は昔のような世界じゃないんだ。


引きこもりだったあの頃の様に、いつ無くなるか分からないものに縋って怠惰に生活できる世界じゃないんだ。


だが、それは俺が望んだことでもあるだろ!?


なら、今俺が変わらなくていつ変わるんだよ。



「…………やるよ。」


「そう。覚悟は決まったのね。」



俺はダンジョンに入る前に渡されたナイフを手に取った。



「出来るだけ首を狙って一撃で倒す様にするのよ。」


「分かった。」



幸いな事にゴブリンはまだこちらに気付いていない。



俺はゆっくりと息を吸った。


集中しろ。集中しろ。


周りがゆっくりになったような感覚になる。


俺はその感覚のままゴブリンへと迫った。



「ギャッ!?」



ゴブリンがやっと俺に気づいたがもう遅い。


俺のナイフとゴブリンの距離はもうゼロに近い。



「はぁっ!」



力強くナイフでゴブリンの首を切り付ける。


本当は1発で倒したかったが、それは流石にきつかったようだ。


だが、首の半分を切り離すことに成功した。物凄い切れ味だ。



「ギャギャッ!!」



ゴブリンは苦悶の表情を浮かべ、首を押さえて床に倒れ込んだ。人間の様な反応だ。



俺は本当は人間を殺しているのでは?



こんな考えが頭によぎるが、無理やり考えない様にする。


そんな事、考えない方がいい。


蹲ったゴブリンの押さえられた首に狙いを定め、そのまま手ごと叩き切った。



「はぁっ! はぁっ! やった、か?」



俺がそんなフラグのような事を言っていると、ゴブリンは蘇るなんてことは無く、頭を残して消えていった。



「良くやったわね。あとはその頭をナイフで刺して。脳みそを狙ってね。」


「あぁ。」



どういう原理なのかは分からないが、この前脳みそが本体だって言ってたしその為だろう。


指示に従い、脳みそにナイフを突き立てると、思ったよりもすんなりと刃が通おり、消えてなくなった。



「普段は頭蓋骨に魔力が流れていて斬りにくいのだけど、首を切ってからだと魔力が流れなくなって柔らかくなるの。」


「そうなのか。」


「さて、初戦お疲れ様!初めてとは思えないくらいいい動きをしてたわよ!びっくりしたわ。ぶっちゃけナイフを掠めることも出来なくて私が助ける事になると思ってたからね。これはご褒美のことちゃんと考えなくちゃいけなくなったわね。」



そう言って陽夏は笑った。


もうご褒美の事なんて覚えていなかったのだが、それがあると一気にテンションが上がった。



「うわ、露骨に顔が明るくなった。そんなにご褒美が欲しいんだ。まぁ、いいわ。次行くわよ!」



そう言って陽夏はさっきよりも早い速度で歩き出した。


俺もそれについて行き、次のゴブリンを探しに行くのであった。


読んでくれてあざます!

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