27 戦い
エルザとルミナスがカインやザイド、リールに力を分けてから数日後。
戦いへの仕度をちゃくちゃくと済ませたエルザ達はその日を今か今かと待っていたが、ついにその日はやって来た。
「来たな」
腕を組み瞳を閉じて静かに座っていたエルザが、突然目を開けて言うと、ルミナスも頷く。
「俺達は街の外で怪物達を倒す。ザイド達は打ち合わせ通りに頼む」
「あぁ、任せとけって」
エルザにザイドは片腕を曲げて威勢よく返事をし、リールもうんうんと力強く頷く。
「カイン、お前も話した通りに。大丈夫だ、心配することはない」
エルザに言われると不安げに揺れていたカインの瞳がギュッと瞑られ、そして開かれた。
「わかった、エルザ達も気をつけて」
街の入り口より少し離れた場所でエルザは腕を組み、ルミナスは空を眺めて佇んでいた。
すると突然空間に歪みが生じて真っ黒い塊がボタボタと落ちてきた。その真っ黒い塊はどんどんと膨れあがり、大きな大きな怪物に変化していく。
「おでましか」
エルザが口の端に弧を描きながら剣を構える。ルミナスも弓を構えて臨戦体勢だ。
ハッ、と何かに気づいたルミナスが背後に弓を向け矢を放つと、コウモリのような大きな翼を持った中型の怪物を射ぬいた。
「気配と魔力を消すとは、今までの怪物とは一味違うようですね」
キリッとした顔でルミナスが言いながら次々に矢を放つと、何も居ないかのように思えた空間に矢が当たり、そこに次々と中型の怪物が現れ倒れていった。
怪物の首には以前見た怪物と同じように首輪が括られ、中心が黒紫に輝いている。
エルザが剣を空に向けて突き上げると、剣が黒紫色に輝き出し、怪物達の首輪の中心がパリィンと割れ魔力がエルザの剣に吸い込まれていった。
その間にも空間からは次々に黒い塊がボタボタと落ちてさらに大きく大きく怪物の形を作り上げていく。
「なかなかに見物だな」
剣を突き上げながらニヤリと笑いエルザは呟く。
そして、ルミナスが倒した中型の怪物の魔力をエルザが全て回収した頃には、鉱山で対峙した怪物より何倍もの大きさの怪物が目の前に出来上がっていた。




