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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愚痴・お勉強の時間

魔物(モンスター)食を考える

作者: まい

※どこかで簡易的にこの話題を書いた気がするんですが、覚えがないのでこの話題を主題に書いてみました。




 ハイファンタジージャンルでも、ローファンタジージャンルでも。


 地球に存在していない、又は確認されていない異形の生き物。


 これを倒し、その肉を普通に抵抗なく食べる描写が存在します。



 なんで鶏・豚・牛みたいに一般的な食肉じゃなくて、そんなのを食べるの?


 その理由を、こじつけだろうがなんだろうが、こうして()()げてみました。


 逆に、魔物食が無い世界ならば、その理由を。

 魔物やモンスター。


 主にファンタジー世界や戦闘があるゲーム世界で登場する、現実には存在しない……もし存在していたとしても、その現実のモノより狂暴な怪物や幻獣の(たぐい)である。


 ここでは名称の違いを無くすため、魔物で統一させていただきます。


 ごはん()に関係しているので、そんな感じに統一させて()()()()()()


 しつこい? すみません。




 ウサギの胴体に鳥の足と翼が生えた、スクヴェイダーと呼ばれる未確認動物(UMA)


 ウサギに鹿のような角が生えた、ジャッカロープと呼ばれる未確認動物(UMA)


 鹿のような角と鳥のような翼と吸血鬼のような尖った2本の牙がウサギに生えた、ヴォルパーティンガーと呼ばれる未確認動物(UMA)



 現実では話でしか出てこない様なこう言ったモノも、魔物として登場している作品もある。


 そもそも魔物やモンスターと言ったものは、どんな存在なのか?


 それはそれぞれの作品、それぞれの世界で定義や成り立ちが違うので何とも言えないが、総じて人類に害や(あだ)()すヒトならざるモノ達の総称である場合が多い。


 あくまでも総じてであり、例外もそれなりに有るので思い込みは厳禁。


 (うつ)展開ばかりの作品では、人類同士を争わせるために、敵対する国民を人外の怪物に見せて徹底的に戦わせる悪趣味な世界だって有るだろう。


 ()法を使える動()で魔物と呼ばせる世界では、そもそも敵対するしない以前の話になる。


 その辺の話題は本筋ではないので、ここで語るのはこれまでとします。



 では本筋、本題。





 魔物食ってどうよ?



 さっきまで解説していた、魔物を食べる事はどう思うか。


 自分としては「一向にかまわんッッ」派ですかねぇ。


 日本人として、魔物が美味しい食材になるなら、文句をつける意味は薄くなりますから。


 文句をつけるにしたって、個人の味覚に合わないから~程度でしょう。



 ただまあ、全ては世界の設定次第です。


 なにも考えず 魔物の肉=食材 は流石にたくまし過ぎますから。


 魔物を食べる様になった背景とかの説得力が欲しい。



 例えば、現実でヒトの肉の味を覚えた殺人熊を狩ったとします。


 その熊の肉を食べたいですか?



 命の重さが、現代と比べて軽いファンタジー世界では、日々魔物にヒトが食べられているでしょう。


 そしてそのヒト()食べてきた魔物を倒し、その肉を貴方は食べられますか?



 と、なってしまうんですよ。


 それに関して開き直るなら、以前ネットで流行った「動物はあなたのごはんじゃない」の大喜利で見かけた「僕らはみんな だれかのごはん」ってグローバルな視点が必要な訳ですが。




 主旨と少しずれたかも。


 魔物を食べる理由。


 とある有名な方は昔、魔物を食べるなんて習慣は邪道だ。 下手物(げてもの)食いの局地で、人間の食文化外のモノをだれも食べないのが普通だ(意訳) と、ものの本で書かれたとか。


 しかし後に思い直して、冒険者含む旅をする者が食料不足を理由に魔物の肉を口にする場合もある。 これも一種の食文化だ(意訳) と後の本で訂正なさったそうです。



 いやー、含蓄が深いですね。



 それで自分は思うのです。


 現代なら、世界全体で見ると食糧難だとか昆虫食が世界を救うとか、色々言ってますからね。


 そこに現代に魔物が出てきた!? とかの世界になれば、食べても問題ない魔物の肉がポンッと出てきたかも知れない訳で、食の救世主になるかもですね。



 ファンタジー世界でもそう。


 現代の中世時代の野生動物より強くて狂暴な魔物が外にいたら、おちおち街の外へ気軽に行けない。


 街を(ひろ)げるってだけで、現実世界より大きな危険と費用がかかるでしょうね。


 開拓だって難度が大きく変わる。


 でもそんな状況で、食料が(まかな)えるのか?


 街の周囲に、その街で消費する食料生産用の村を幾つも作り、そこを供給源としても限界がある。


 天候不順で作物が育たない、土が()せて作物が育たない、地震で、魔物で、野盗が、違法な取引で…………。


 食料生産を主にする村へ兵士や騎士が定期的に巡回すると言っても、それらが常に守ってくれる訳で無し。


 冒険者等の便利屋(くじょぎょうしゃ)が倒してくれるとしても、それをしてもらうには金がかかる。


 中世みたいな階級社会では、農民はかなり低い立場で、金が潤沢に有る所なんて極めて(まれ)


 そう頻繁(ひんぱん)に依頼は出せないだろう。


 だからと言って戦う能力がほぼ無いのだから、自力解決は本当に困難。


 村の狩人等の戦う能力を持つもの程度では、対応できる範囲も限られるだろう。



 ちょっとした何かがあれば、すぐに食料など不足するだろう。


 大きな街の壁の内側に畑等を作るにしたって、それはそれで場所をかなり取ってしまい、街に受け入れられる人口に影響が出る。


 だから、街で必要な分の食料を生産できるかは、正直分からない。


 前述の生産技術や知識の関係もあるし、厳しくなるだろう。


 壁の内側で牧畜をする?


 知ってる? 家畜は臭いんだよ? 中世位のだと、衛生環境もおざなりだろうし、壁に囲まれた街に臭いが(こも)っちゃうね。


 となれば、飼育できる家畜は制限しないとね。


 制限されるなら、平民なんかには高級品で手が出せるか心配だね。



 となれば、食べられる物なら何でも食べるしかないじゃない。


 ……そうだ、魔物って倒せば肉の(かたまり)なんだよな。 ヒトの肉を食べているヤツだろうが、肉になってしまえば食べられるのかな?(じゅるり)


 自力じゃ危険だけど、魔物が沢山狩られて(いち)へ流れれば、農民が持つ金で買えるかな?


 いや、農民が何十人とか揃えば、食べられそうな魔物を狩れるかな? やってみようかな?



 これが一般的に説得力を持つ、魔物食を始める経緯になるんじゃないでしょうか?


 言い訳するなら、弱肉強食。 弱いから食べられちゃうんだ。 仕方ないよね。


 人間を食べる魔物の肉でも、忌避(きひ)感がどうとか言う前に、食わなきゃ生きていけないんだから。


 そう割り切って食べてしまう方が、腹は満たされる。




 でも、そこに一石(いっせき)が投じられます。


Ω<魔物の正体は瘴気(毒性のある気体)で、ヒトが食べると苦しんで死ぬんだよ!!


ΩΩΩΩ<な……なんだってーーー!!!


 はい、瘴気(しょうき)で魔物食の夢は(つい)えました。




 コレですね。 


 根本的な問題である、魔物が食べられるのか。


 多分魔物なんかの狂暴なモノが()を徘徊している世界で、魔物が食べられない設定だと死ぬんじゃないですかね?


 野生の動物って、魔物がいる野で生きていられるんでしょうかね?


 川、池、海等の魚でも同様。


 となれば、家畜として飼育している動物しか肉の供給源は無い。


 家畜を育てるには、広い土地が必須。 家畜の出す臭いの近くで生活したくないでしょうし。


 その広い土地を管理できねば魔物が侵入してきて、家畜が食われてしまう。


 少し前に書いた街の壁の内側で飼育するにも……となる。


 餌だって大量に必要。


 必要だけど、田畑や果樹園に使う農地も人類用の作物だけでカツカツ……いやむしろ不足気味でしょう。 土地や農業技術の問題で。


 元々食料の価格が高くなる要素満載なのに、色々配慮(はいりょ)して手間をかければ、値段はもっと上がる。


 価格次第では、一般人は肉をあまり食べられない世界になる。


 そんな世界で代替(だいたい)的に食されそうなのは、やはり魔物であるのだが……。


 常に食料難に(おちい)っていそうな世界ですね。 魔物が出る世界で、魔物が食べられない世界は。




 いかがでしょうか?


 あ、別に瘴気じゃなくて良いんですよ。


 魔物の肉自体がヒトと合わず、食肉に適さない世界とするなら、理由は何だって。


 よく分からないけど食べたヒトが狂った~でも、どんな魔物肉でも口にしたら吐いた~でも、食べたら死んでしまったでも。


 読者様に「ああ、そりゃダメだ。 食べちゃあいけねえ」と思わせられれば。


 そんな設定だけで、その世界の住人は一気に難易度が悪夢(ナイトメア)に突入。


 肉が食べられない世界のたんぱく質事情<江戸時代の日本のたんぱく質事情 になりそうだし。


 江戸時代では動物の肉を食べる習慣がないとか言って動物性たんぱく質が~なんて思われていたりしますが、実際は赤身の魚と四足の(けもの)を食べてはいけない決まり……だったかな?


 なのでマグロなんかは、敬遠されていたとか。


 それで禁忌になっていない、白身魚やニワトリを代表とする鳥類なんかは食べていたそうな。


 でも山で獣の狩りをしていたヒト達なんて、禁止されていた四足獣をこっそり食べていたなんて聞く。


 そんな肉もまともに食べられない世界では、一般人は筋肉の発達が悪くて、魔物と戦うなんてまるで無理でしょうね。


 …………ん? 植物性のたんぱく質? 動物性と植物性のたんぱく質は、微妙に違うものみたいですよ?


 動物性たんぱく質を()らず、植物性のだけ食べていれば良いってモンでも無いそうです。 栄養的に。


 まあ、そんな栄養学っぽい知識は中世時代には無いし、その時代を下地にしたファンタジー世界でも無いでしょうが。


 でも現代人は知っていますからね。 食生活が貧弱だと酷い事になると。


 なぜ食生活が充実すると、平均寿命がある程度延びるのかも。


 ファンタジー世界の住人が、ゲームみたいに満腹度が十分なら健康障害が無く元気に動ける設定でない限り、栄養不足で何かの病気になっていることでしょう。



 民間療法とか口伝とか、そう言った医学知識も存在はしてますよ?


 これを食べたら○○した~とか、△△をすりおろして貼り付ければ~とかって。


 でもその経験からの知識の蓄積には迷信も混ざっていて、信用ならない部分も多々ありますし。


 どうにか出来る範囲は限定されるでしょう。





 さて、魔物食です。


 雑食か草食か肉食か、はたまた世界に漂う不思議成分だけで生きていけるのにヒトを含む生き物へ襲いかかる存在なのかは知りませんが、そんな魔物を食べると言う行為です。


 魔物はあなたのごはんじゃない。

 なんて言っている場合じゃない。

 魔物のごはんがあなたじゃない?


 となる、やるかやられるかの命(魔物にあるのか?)を奪い合う相手です。


 あなたの思い描く魔物の存在する世界は、魔物食が当たり前の世界でしょうか? それとも魔物食は無い世界でしょうか?

※※すみません。 現在は良いネタが無いので、こう言った設定の知識や自分なりの考え方等を小出しにして、茶を(にご)しております。





 ほら、ダンジョンを基本魔物食で(もぐ)って行く某漫画。


 アレの魔物食は下手物認定されてますね。


 でもちゃんと処理して、食べてみたら美味しいと。


 しかし美味しくても、やはり下手物だから常食したいものではないって人が多い設定ですね。


 そんな世界も有りますね。



 逆に、魔物を食べるとヒトの害になる世界で、浄化とか毒抜きとか、何か特別な処理をしたら食べられるようになる世界も有りです。


 主人公が初めてその方法を示して、SUGEEEE!! されて、食の革命が始まるのも面白い。


 魔物の肉が食べられるようになって、栄養状態が改善されて、ヒトの地力が上がって~なんて人類に貢献する展開とか。


人類A「もちろん俺らは抵抗するで、肉で!」

人類B「筋肉が良くつくようになったからな! 肉は偉大なり!」



 魔物食をなにも考えず採用するのも悪くないですが、そこに至るドラマ。


 そこから広がるドラマも考えると、作品に厚みが出たりしますよ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 知ってるか杉元。人間を食べた魔物は「ウェンカムイ(悪い神様)」になるんだ。だからその肉は食べちゃ駄目なんだ。
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