温泉地発見。04
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カインにはララが言っている意味が良く分からなくしばらくの間無言になってしまった。確かにトリガーはバルビッシュ達の発言ではあるがバルビッシュ達の発言で傷つけられたのではないのでララが何を言っているか理解が出来なかった。
「…えっと、何か大きな勘違いがある気がするんだけど…僕が気を失った原因はバルビッシュ達の発言ではないよ」
「っ!それでは、何がっ!」
「「サーシャっ!」」
カインの返答を聞いてサーシャが理由を確認しようと発言をすると、バルビッシュとガーディからストップがかかった。サーシャは名前を呼ばれ発言を途中で飲み込もうとしたが最初の言葉だけで意図が通じてしまった。サーシャの言葉を聞いてカインは心の中で『ああ、もう隠すのは無理か』と呟き、覚悟を決めた。
「これだけ皆に心配をかけしまったのだから…ちゃんと説明をするね。その前にお腹がすいちゃった…遅くなっちゃってごめんだけど」
サーシャ含めて4人はブンブンと頭を振って否定し「それでは準備しましょう」とテントの外に出ていった。カインは一人テントの中で深呼吸を何度か繰り返し気分を落ち着かせて、もう一度覚悟を決めてテントの外へ出ていった。テントの外は真っ暗でバルビッシュの持つランプの周辺だけがぼんやりと明るく照らされていた。
カインは昨日と同じく“宿泊所”を作ると言ってスペースを空けてもらいいつも通り“宿泊所”を作り出した。『気持ちがぐちゃぐちゃだから失敗するかもって思ったけど普通にできちゃったよ。僕って案外強いのかな?』
ダイニングテーブルの上に本日分の夕食を【魔法の腕輪】から取り出した。今夜のメニューはオーク肉のカツだった、まったくの偶然だと思ったがカインはロイド料理長に心の中で感謝を伝えた。ロイド料理長はカツをパンで挟んで食べる事を想定したようで、別皿にスライスしトーストしたパンが大量に入っていた。付け合わせはポタトサラダとオークの味噌汁でどれもカインの好物であり、これを食べて元気を出せってこと?と考え思わず心の中で『預言者かっ!』と突っ込んでしまった。
オークカツを食べ進めるにつれ段々とカインは元気を取り戻していく、表情が青白く暗かったが血色が戻り表情が穏やかになっていくの見つけてバルビッシュ達 四人にも笑顔が戻ってきていた。大変な時こそいっぱい食べるのが地球時代からのモットーだったので、パンとオークの味噌汁もお代わりをしてかなり満腹までカインは食べた。そして告白の時間になる、食後ララが入れてくれた香茶を三口程飲みリラックスするとカインは話し始めた。
「…僕が、僕が今日変になったのは…急に倒れてしまった理由はみんなに僕の、ぼくの本当の正体がばれてしまったと思ったからなんだっ!」
最初はつっかえながら話始めたカインだったが、バルビッシュ達の顔を見るのが怖かったので下を向いて最後は吐き出すように言い放った。下を向いているのでどんな表情でカインの告白を聞いているのか全く想像が出来なかったが、動揺が走っているのは気づいた。
「ぼくの本当の正体は、異世界人の記憶を持っている転生者なんだっ!」
カインは言い放った後この場から逃げ出したい衝動を必死になって抑えていた、
「えっ?転生者っ!」
「転生者という事はヒューマンですよね?」
「よかったぁー、もうびっくりさせないでください」
カインは目の前で起きている事に理解が追い付いていなかった、自分は確かに「転生者」と言ったはずだ。バルビッシュ達の反応はカインの予想の斜め上、いや全く正反対の反応をしていた。カインは拒否や嫌悪感などの感情を抱かれ最終的には拒絶されると思っていたので目に見えてあたふたと慌てた。
「カイン様っ!失礼ながら申し上げます、少し、いえ大分私達を見下し過ぎです。たかだが「転生者」と言うだけで私達がカイン様への忠誠を、信頼を無くすことなどありえません。私達は、わたしは、先日カイン様が亡くなってしまったと思い一緒に旅立とうとまでしたのにっ!なのに、なのに…」
ララは椅子から立ち上がり感情をむき出しで一気に想いを言い放つと最後は大粒の涙をぽろぽろと流しながらわんわんと子供の様に泣き出したのだった。いつもは冷静にそして、大人の対応をするララがここまで感情を出してるのを初めて見るカインはどうしたら良いか全くわからず相変わらずオロオロしていた。
「まったく…ちょっと素直すぎるわよ、ララ?でもカイン様、私達は死ぬも生きるもカイン様と一緒が良いと全員思っています」
「そうです、ガーディなど妻子を置いて一緒に死のうとしたのですから。死ぬと言っても敵と刺し違えてですけどね」
「みんな…みんなぁーーーごめんなざぁーーいぃぃぃぃーうぁぁぁぁ」
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