温泉を探しに行こう。07
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マウントバック砦を出発して3日、カイン達は【アレス神の護符】が指し示す方角に向かう為川沿いにある道を進んでいた。この道は一昔前まであった集落に続く道で、すでに20年以上も放置されているため雨風で道の土は流され凸凹がひどいが歩くのには問題なかった。
【アレス神の護符】はかの有名な空に浮かぶ街を指し示す石の様に【魔力】を込めると数十秒赤い光を発して方角を示す。カイン達は大体一時間ほど進むと【魔力】を込めて方角が間違っていないかを確認しながら此処まで移動して来た。
「はぁ~久々に徒歩での移動だけど季節が良いから気持ちがいいね」
カインが澄み渡る空を仰ぎながら呟く、ほとんど夏になった今の次期木々や草花は陽光を少しでも吸収しようと葉を広げぐんぐんと成長をしていた。空気に青い草の匂いが混ざりカインはとてもリラックスしながら道を歩いて行く。
「ねぇ、本当に道を整備しなくてもいいの?」
「はい、カイン様。今はその方が良いかと、この先にあると言う温泉地がどの様な物かまだ不明ですしこの道が最短、最良の道とも限りませんから」
カインの問いにバルビッシュが真面目な表情で答えた、マウントバック砦を出発する時に徒歩で移動をバルビッシュから告げられた時カインはいつもの様に道を整地しながら進む事を提案した。しかしバルビッシュから下手に道を整地すると外敵から侵入を優位に、容易にしてしまうのでやめた方が良いと言われて一度は納得したが、歩きやすくする位はと思って再度聞いてみたのだ。
カインは「了解っ」と答え特にその後も問題にせずに目的地の温泉に向かって進んでいく。もう少しでお昼時間という時間になり再度方向を確認すると【アレス神の護符】が道を外れ目の前の丘の方向を示した。
光が示す方向に進んできていたが、いつの間にか少し回りこんでしまったらしい。目の前の丘と言うか小山はなだらかな傾斜が続く台地のような形状をしており、そこまで下草が長くないので登るのもあまり苦にならなそうだった。
「ここで少し早いですがお昼の休憩にして、休憩後この丘を登って行きましょうか」
バルビッシュの提案に全員が賛成をし昼食の準備に取り掛かる、今回の温泉探索の準備の一つとして全ての食糧を事前に用意してカインの【魔法の腕輪】に収納してきたのでテーブルを用意して(これもカインの【魔法の腕輪】の中に収納)取りだすだけで直ぐに食べれるのだ。
ただ、それだけだと味気ないのでララが毎回違う香茶を用意してくれるので毎食ほぼキャンプのような雰囲気だなぁとカインは思っていた。とは言え、此処は山岳地帯の無法地帯、魔物や野生動物が生活している場所なので常に見張りは怠らずにいた。
大体昼食はサンドウィッチかハンバーガーなのだが、本日のメニューはハンバーグサンドウィッチだった。近頃ロイド料理長がハンバーグのソースにこだわっていて、今日のソースは甘辛いいわゆる照り焼きソースでカインは一口食べてにんまりと微笑むのであった。
「はぁ~毎回思うけどカイン様と旅をしているともう普通の旅は出来なくなるわぁ~、今回は違うけど移動は一瞬だし、毎食美味しい物は食べれるし、寝る所度だって強固な塀があるから見張りも立てずにゆっくり休めるのだから」
サーシャの呟きにバルビッシュ達が「「確かに」」と真剣に答えるのでカインは思わず吹き出してしまった。それを見たサーシャ達が声を上げて笑うので、その笑いが全員に伝播し山岳地帯に笑い声が響いたのであった。
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