アーサーの結婚式。15
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【転移】の酩酊感が収まりサンローゼ領に戻って来て3秒程まってからランドルフは直ぐに行動を開始した。直ぐに騎士達の元に走り馬を借り受け一騎護衛に付けサンローゼ屋敷に急いだ。後からこの日の事をサンローゼ領民に聞くと何か魔物が来たのかと緊張が走ったが、すぐその後にゆっくりとシールズ辺境伯夫妻が乗った馬車をみて落ち着いたと語った。
「リディア様、リディア様」
「はいはいはーい。どうしましたランドルフそんなに慌てて」
「直ぐにカイン様シフトに切り替えを…」
馬がつぶれるのではないかと思うほどのスピードでランドルフがサンローゼ屋敷に戻ってきて、緊急時にしか聞いた事が無い大声でリディアを呼ぶ。到着を出迎える為に準備していたリディアがリファを抱きながら玄関先に現れた。
そして、ランドルフの「カイン様シフト」という言葉に即座にリファをメイド長に預け意識を切り替える。ランドルフから小声で伝えられた内容に目を見開いてびっくりしつつも高速で思考を始めた。5秒もしない内に計算と計画を構築しメイド達に指示を出し始めた。
「全客間をもう一度【クリーン】の魔道具を使って清掃を、3班は第二兵舎の清掃を至急行いベッドメイクっ!あなたは、ロイド料理長に”カレー”の10人前の追加と唐揚げの50人前追加を連絡して来てっ!カインシフトと伝えなさい。さあ、やるわよっ!」
「「「はいっ」」」
リディアが次々と指示を飛ばし一斉にメイドと執事達が方々に散って行った。ランドルフはいつの間にか旅装から執事服に着替えを終えてリディアの元に戻ってきていた。ランドルフを見つけたリディアは一つ頷いて合図をおくる。
「さあ、私達はお出迎えよっ!みんな気合を入れなさいっ!」
「「はいっ!」」
玄関に残ったメイド2名と執事1名が姿勢を正し大きな声で返事を返した。なるべくゆっくり帰って来るように残した指示を御者はちゃんと守り10分後にトロン夫妻とシールズ辺境伯夫妻を乗せた馬車が玄関先に到着した。
馬車が停止して一拍おいて扉をノックした後、ランドルフが馬車の扉を開くとシールズ辺境伯がまず降り、アイシャに向けて手を差し向けアイシャが降りてくる。その後にトロン、シャーリーが続いた。
「王太子様、王太子妃様。ようこそサンローゼ家に、領主ルークが妻、リディアにございます」
「出迎えご苦労、急ですまないが世話になる」
トロンがリディアの歓迎にトーラリオン王太子として答える、リディアは一礼だけして「応接室にご案内します」と伝えメイド達に案内を指示した。トロン達が屋敷の中に入って行くのを見送ってから両親であるシールズ辺境伯夫妻の方を見て「後でゆっくりお話があります」とだけ伝えトロン達の後を追った。
シールズ辺境伯夫妻は少し困り顔をしたが、ランドルフが「お部屋にご案内します」との言葉に従い案内のメイドに続き屋敷の中に入っていった。1台目の馬車が到着して5分後、ルークの乗った馬車が到着した。ランドルフが馬車を開けるとルーク、ザインが降りてラインハルト伯爵夫妻が降りてきた。
「ラインハルト伯爵様、ラインハルト伯爵夫人様、ようこそいらっしゃいませ」
出迎えのメイド達が声を揃えて歓迎をする。ルークがその横からラインハルト伯爵夫妻にリディアが不在の事を詫びていた。ラインハルト伯爵夫妻も理由が分かっているので「お構いなく」と言い案内のメイドについて客室へ移動していった。
「…ランドルフ?リディアの様子はどうだった?」
「…ルーク様。のち程「お話がある」と言われていました…頑張ってください」
ルークは「そうか」と呟きザインと共に自分の執務室へ移動していった。その後、それぞれのお付きがぎゅうぎゅう詰めの幌馬車から降りてきた。そしてすぐに、それぞれの主人がいる部屋に移動していった。その姿をランドルフは見送りながら心の中で「お互い苦労しますね」とねぎらうのだった。
「さあーて、お坊ちゃま方が戻られるまではもう少しかかると思いますので、ルーク様のお手伝いをしますか。あなた、ベンジャミン様とカイン様が戻られましたら知らせに来てください」
ランドルフの指示を受けたメイドは「はい」と返事をするのだった。ちなみに、リディアが指示した掃除とベッドメイクはルーク達が到着する時にはすでにすべてが終わっていた。この日以降サンローゼ家のメイドと執事達には自分達はやれば出来ると自信が付いたと後日語っていた。
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