巨人殺し(ジャイアントキリング)12
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アーサーと騎士団長の刃はサイキュロプスの太い首を両側から半分づつ切り裂き、見事に首を両断したのだった。
「カイン様、また…」
バルビッシュが何かを言いかけたまま、サイキュロプスの魔石を破壊するために走り出す。
「ガーディ、行ってっ!」「はい」
カインが即座にガーディに声をかけガーディがすぐにバルビッシュの後を追った。バルビッシュは上半身の半分から上を失ってもまだ立っている、サイキュロプスの身体に走り寄り下から魔石に狙いを定めると上に飛び上がった。
「【ゼクススラッシュ(六連斬り)】」
飛び上がったバルビッシュが駒のように回りながら両手に取り出したショートソードを振る。六連続の斬撃が魔石を正確に捉え破壊した。
魔石に攻撃を加え、自由落下で落ちていきながらバルビッシュは斬撃で切断された魔石の隙間から黒い光が漏れ始めているのを見つめていた。
『やはりお別れの様です、カイン様。またお会いしましょう』
飲み込んだ言葉を心の中でバルビッシュは心の中でカインへ伝えた。カインに出会ってから大変だったが、楽しかったと思いながら目を瞑って爆発の衝撃を待つ。
「まだだっ、1人だけ逃げるのは許さんっ!
【シールドバッシュ】」
後から走ってきていたガーディが落ちて来るバルビッシュを空中で受け止め、【魔法の小盾】の魔法を発動させるのと同時に魔石が爆発をした。
魔石爆発の衝撃は、ガーディが使った【シールドバッシュ】に弾かれサイキュロプスの後ろに広がる大深深林のほうへ弾き返される。
弾き返された衝撃でサイキュロプスの残っていた上半身は綺麗に吹き飛んだのだった。ガーディが抱えていたバルビッシュを地面に下ろすと気まずそうにバルビッシュがカインの方を向いて微笑んだ。
カインはガーディとバルビッシュに向けてサムズアップをして2人の行動に賞賛を送った。
”ぞくっ!“
カインは左手から【魔力の揺らぎ】を感じ視線を向けると。サーシャの【風の矢】で潰された目を開いた、サイキュロプスの頭がカインを見つめていた。
そしてあろう事か、口を大きく開きながらカインに向かってかなりの速さで動き始めていた。
「「「「カイン(様)」」」」
異変に気づいた全員がカインの名前を叫んびカインの方に走り始める。しかしサイキュロプスの頭の方が早くカインに到達した。
「【限界突破】「魔鎧】」
カインは咄嗟に【限界突破】のスキルを発動し、効果を3倍に上昇させた後【魔鎧】を発動し防御態勢を取った。
ガキン
岩でも噛み込んだのかと言う音が響きカインは頭だけになったサイキュロプスに噛みつかれる。効果3倍の【魔鎧】の防御力はサイキュロプスの強靭な顎の力を上回っていた。
「全く、2回も食べられるなんてトラウマになったらどうするんだっ!いい加減大人しくなれ【アーススパイク】」
カインは噛みつかれたまま呪文を唱える。地面から無数の土の一抱えもある太さの棘がサイキュロプスの頭を蜂の巣にする。
口の中ら脱出するために【デリート】で土の棘を消すとカインが開けた穴から黒いモヤが吹き出し、サイキュロプスの頭が崩れていく。
「「「「カイン(様)」」」」
アーサー達がサイキュロプスの頭を外からどかそうと全員が必死で頭の解体を始める。サイキュロプスの自壊と解体が合わさり数分でカインを助け出す事に成功する。
しかし、アーサーが見つけたのは昏睡しているカインだった。アーサーは必死でカインの名前を揺らしながら呼ぶが一向に意識を戻らない。
脈を確認するために首すじに手を当てたアーサーは、場所を何度も変えながら首を抑え最後には天を見上げ叫ぶ
「カインーーーー!」
バルビッシュ達はアーサーのその姿を見てガックリと膝を崩し地面に座り込む。ガーディは隠すこともせず大粒の涙で地面を濡らしていた。
「あの時、カイン様から…」
「ああ、自分が、自分のせいだ」
ガーディがカインの側から離れた事を悔やみ、バルビッシュはガーディがカインの側から離れなければならない作戦を立てた事を悔やんでいた。
ぐるるる。ごふごふ。ギチギチ。ガーー。
サイキュロプスが倒れた事で大深森林に避難していた魔物達がカイン達の周りに集まってきていた。
騎士団長だけは悲しみながらも周囲の状況に気付きアーサーを早く逃さなければと、アーサーに駆け寄った。しかし、アーサーはカインを抱きしめたまま悲しみに暮れている。
初めにララが立ち上がる、そしてサーシャ、ガーディ、バルビッシュと立ち上がり近寄る魔物達の方を虚な瞳で見ていた。
「皆さん、これは単なる八つ当たりです。自分の不甲斐なさを、カイン様を守れなかった愚かさを身に刻みましょう。では、お別れです」
そう言い放つとララが魔物群の中に右手に【魔道ライフル】を左手に分厚いナタを持って突っ込んでいった。
「楽しかったわ、さようなら」
サーシャが別れの言葉を言い【風魔法】で身体強化をしてララとは違う方向に弓矢を放ちながら走り出した。
「カイン様…直ぐに参ります」
「ノエルすまん、先に行く」
「「向こうで、会おう」」
バルビッシュとガーディは互いに言葉を残すと拳をぶつけ別れの挨拶をすると魔物達がいる騎士団演習場に向かって走り出した。
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