ステータス
道雄は、すぐに「ステータス・オープン」と唱えた。
「これは?」
道雄の前にタブレットサイズの画面が出現している。そこにはカインの名前とステータスが表示されていた。
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名前:カイン=サンローゼ
年齢: 5
レベル: 1
称号:なし(地球からの転生者 土田 道雄)
HP:5
MP:1800(∞)
STR:5
VIT:5
AGI:5
DEX:5
INT:60
LUC:8
スキル:【土魔法:1】、【魔法陣魔法:1】、【回復魔法:1】、【魔力量無限:-】(偽装;成人まで非表示にします ガーディア)
加護:女神ガーディアの加護(小)
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「なんだ、このショボイステータスは⁉ HP:5って直ぐ死んじゃう‼ でも、5歳のステータスってこんなものなのか? かなり気を付けないと」
道雄は、ぶつぶつとつぶやきながらルークの後に続き部屋を出た。
「あなた、カインの【スキル】はどうでした? どんな【スキル】を授かったのです?」
「カインの【スキル】は、何個あったの?」
リディアとアリスがルークに詰め寄る。
「授かったのは、2つ【土魔法】と【魔法陣魔法】。それと、リノールから【回復魔法】を継承していた」
ルークは、加護のことはおくびにも出さずに2人に説明する。
「3つも【スキル】があるなんて、カイン良かったね」
アリスが満面の笑みを浮かべながらカインに抱き付いた。「カインもリノール母様から【スキル】貰ったんだね」
アリスはとても嬉しそうだ。『んっ? アリス姉さんもリノール母さまから【スキル】継承をしている?』
ステータス表示から顔を上げてカインはアリスを見た。ちなみに、自分のステータス表示は意識して見せようとしないと他人には見えないとの事。
「【土魔法】は分かるけど【魔法陣魔法】って何かしら? 」
リディアがルークに質問をする。
「さっぱり分からん。今度ベンジャミンに手紙を書いて調べてもらおう。しかし、【土魔法】か...」
ルークが渋い顔をする。
「今悩んでもしょうがないわ。屋敷に帰って話し合いましょう」
リディアは、微笑みながらルークの背中に手を回し出口に歩いていく。
「そうだ、カイン」
ルークは思い出したように、カインに向かって話し始める。
「『ステータス・オープン』と思うと目に前にボードが現れる。それがステータスボードだ。それは、他人にも見せられるが基本家族でも見せてはいけないし、見ようとするのもマナー違反だ。大事なことだから忘れるんじゃないぞ」
「なぜです?」
『ステータスを把握するのは、パーティープレイの基本なのに』と思いながらルークに質問をする。
「それは、表示されるステータスボードの内容でその人の強さや弱点が分かってしまうからだ。その情報を知られる事は、自分のみならず周りを危険に晒す事になる」
「良く分かりません。仲間の情報を知っている事は強みになると思うのですが」
道雄は、納得がいかず尋ねた。
「ふむ、5歳なのに『仲間』なんて難しい事を言うな。まあいい、カインの思っている通り仲間の情報を知っていると強みにもなるが、弱みにもなる。だいぶ前の話だが王族の護衛を務めていた者がいた。護衛は数名で行うため、ステータスボードの情報を護衛仲間と共有をしていた。その情報が敵対者に漏れ王族を危険に晒す事件があり、それ以降他人へステータスボードの内容を見せない慣習ができたのだ」
ルークはカインに諭すように説明をした。
「だから、基本的に見せてはいけない。もう少し大きくなってステータスボードを見せることによるリスクを判断できるようになったら、相手を選んで見せるのであればよいぞ」
「はい!」
と道雄は元気に返事をするのであった。
4人は、馬車に乗り屋敷へ戻った。
道雄は自室に戻り、ステータスボードの内容の詳細を確認し始める。
『【魔法陣魔法】ってなんだ?』




