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サツマが出来た!2

あっ、足が痺れて感覚が...

「アリス姉さま? あ、足の感覚が無くなって痛くなってきたのですが?」


「何か言った?カイン?」

アリスは、凍りつくような視線をカインに向けた。


「い、いえ。何も言ってません」

カインは恐怖と足の痺れと自分の愚かしさを感じながら食堂の壁際でガーディと並んで正座をしていた。


「何故、こんな事に?」

つい1時間前の事を思い出していた。


カインとガーディは、焼きサツマを堪能し、火の始末をした。その後、サツマの追熟をする為に収穫したサツマを作業小屋に運んた。農作業で大分泥がついたので井戸で洗い流した後屋敷に入った。


屋敷に入ると、廊下を歩いていた、アリスと遭遇した。

「アリス姉さま、休憩ですか?」

と話しかけながらハグをしに行く。少し恥ずかしいが、毎日していたら習慣になり、アリスも喜ぶので続けていた。


「そうよ、やっと休憩を頂けたから香茶を飲みに行く所よ、カインは何をしてきたの?」


「はい、農作業をしてました。もうすぐで収穫です」


「収穫したら私にも食べさせてね」


「もちろんです!」

ここで、何時もなら姉弟の何気ない会話が終わるはずだった。何故、あの時しょうもない嘘をついてしまったのか? 追熟後の"甘さが増えたサツマを食べさせたい"と考えたのは、嘘ではない。しかし嘘はダメだった。


「あら? カイン何かあなたから何か甘い匂いがするのだけど?」


「えっ!き、気のせいじゃないですか?」

ここでも、致命的なミスを犯した。この時点で素直に話していれば...


「へー、それじゃぁー口のまわりの煤と服に付いているサツマのカケラはなにかしらねー?」


「ガーディ!カインと何を食べたのか教えなさい!」

そこには、燃え上がるオーラを纏いながら問いただすアリスがいた!


それからは、あまり良く覚えていないが、アリスを作業小屋まで案内し、収穫したサツマの山を教えて、人数分のサツマを井戸で洗って、人数分の焼きサツマを作る為の落ち葉と薪を集めた。


作業をしていると当然、屋敷の者に見つかり、アリスが説明をする。説明を聞いた者は一様に冷たい視線を2人に向けた。


そして遂には、リディアも騒ぎを聞きつけて現場に駆けつけてきた。当然、リディアも冷たい視線をカインに向けた。なぜかゾクゾクした。


焼きサツマを作るのをロイド料理長が引き継いで焼け上がるまでの間、正座での事情聴取をされてたのだった。


「カイン、いくら自分で作って"追熟"だったかしら?が終わってから話すとしても、"嘘"は、ダメよ」

リディアが苦しんでるカインのオデコを突きながら注意する。


「それに、幸せは皆んなで分かち合わないとね〜」

とても優しい目で微笑みかけてくれるが、カインは足が痺れてそれどころじゃなかった。


「でも、"追熟"だったかしら?したらどのくらい味が変わるの、カイン?」

大分溜飲が下がったアリスが質問する。


「このサツマなら、2倍、いえ3倍は甘くなるかと」

足の感覚がほぼ無くなり、痛みを超え熱くなり始めた足を見つめながら答えた。


回答と同じタイミングでロイド料理長が焼きサツマを持って、ルーク、ランドルフ、そしてその他の屋敷者も食堂に入ってくる。


「これは、何事だいリディア?」

ルークが集まっている、全員を見てリディアに問う


「これから、カインが育てたサツマの試食会をするの。せっかくだから皆でと思って。発案者はアリスよ」

アリスがそれを聞いてデレた。


「まぁ、良いか。皆忙しいんだ、早速食べよう!」

配られたアツアツの焼きサツマを、半分に割り一口食べた。


「「「「「「ん!、美味い!」」」」」

その後、皆食べ終わるまで一心不乱に食べた、食べ終わると"ほぉー"とした表情でしばらく放心していた。


いち早く、復帰したのはリディアだった。

「ランドルフ、このサツマを年越しの会まで厳重に保管する事。そしてまた、皆で食べましょう!」


「わぁ〜わぁ〜っ」と歓声が上がる。


カインは、皆の喜ぶ顔を見て満足したのか、足の限界が来たせいか、その場で気絶したのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 頑張った農家が自分の収穫物確認して自分の納得行く品質になるまでは表に出せないって結論づけたのに、なんの苦労もしてない人間にキレられてるのがよく分からない
[一言] 不快です。
[気になる点] ギャグ描写だとしても6歳児を気絶するまで正座は怖すぎるわ 昭和の野球部でもそんなことしない
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