表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
487/610

音楽を奏でよう9

何時もお読みいただきありがとうございます。

カインの説明を聞いたザインは困惑の表情を浮かべながら最後まで聞いていた。ガーディとサーシャも同じで音楽系の【スキル】取得を喜んでいるカインを見て微笑んではいたが心の中では今後トラブルに巻き込まれる可能性が高くなったと心配をしていた。


「事態は理解しました、申し訳ございませんが私は一度世界樹の森の村およびパトリックへこの内容を説明に戻りたいと思います。サンローゼ領への帰還を2日ほど延ばしてもらえないでしょうか?」


「当初の予定から2日だと…4日後だけど、ちょっと余裕をもって5日後ではいかがですか?ガーディには申し訳ないけど」


「ありがとうございます」「自分は大丈夫です」


ザインからは感謝の言葉をガーディからは了承の返事をもらった。カインとしては明後日の演奏会の後

今までの経験から何かが起きてすぐには帰れない可能性が高いと思っていたので渡りに船ではあった。


『う~ん、これはフラグを立ててしまったかな?でも急に来るより心構えが違うから良いかな?』


「ザインさん、すみませんがお祖父(じい)様にも帰宅が遅くなる事を伝えてもらえますか?多分まだ王都にいらっしゃると思いますので」


ザインは「承知しました」と返答し時間が惜しいのでとすぐに移動するために宿を引き払い出発した。

カインはその急ぎ様に“ワールドアナウンス”は思ったより大事だったのだと改めて認識するのと演奏会の時は『お手柔らかにお願いします』と心の中で願うのだった。


▷▷▷

ザインが出発した後、カイン達は“ワールドアナウンス”以外のトレイン侯爵領までの出来事について共有をしていた。ガーディとサーシャはマリーやネオンとの話題になった時には憤慨し、サーシャなどは「今から王都に戻って粛清を」とか危ない事を言い始めたりした。


カインはサーシャを宥めながら仲間の為に怒れるって良いよねと思うのであった。次にトレイン侯爵領内に入ってからの出来事については2人とも「カイン様ですから」と妙な納得をしていたのが解せなかったが、 ガーディの「他領民にもお優しいのですね、良い事をされましたね」と言う誉め言葉に首筋がムズ痒かったが、とても気分が上がった。


「はぁ~しかし、カイン様はほんの少し目を離しただけで信じられない程大小様々な問題に巻き込まれていますね…」


「サーシャ?僕だって望んでいるわけでも、自ら巻き込まれに行っているわけでもないからね!」


カインの返答にバルビッシュ、ガーディ、サーシャ、ララが微妙な表情をしてカインを見つめている。


「えっ?みんな僕が望んで巻き込まれていると思っていたの?」


「率先してとは言いませんが、大体が良かれと思って行動された後に芋づる式に次々と問題に巻き込まれていらっしゃるので…」


「はい、周囲から見ていると自ら飛び込まれている様に見えてしまいます…」


「あっ、自覚が無かったのか。それじゃあ、回避は出来ないかも…」


「そこがカイン様の魅力ですから」


カインは自身の認識とバルビッシュ達の認識に大きな隔たりがある事が分かり大いに反省をするのであった。以前からもあったがカインとバルビッシュ達の予測の方向性が異なる事を自覚したのだった。


カインとしてはこれをすると、ついでにこれもとお願いされるのは必然かと感覚的に思っていたので先日のボンドから休憩所や橋なども請け負ったのだが、バルビッシュ達からはそれらを進んで行っている、もしくは巻き込まれていると感じていたらしい。


「ご、ごめん。ちょっと僕の認識がずれていたみたい。いやちょっとどころではないか…いっぱい迷惑をかけちゃった、ごめんなさい」


「いえ、カイン様。そこは臣下の我々が合わせるべきでカイン様が謝られる事でありません。ただ、カイン様もお感じのようにカイン様と我々では正直に申しますと常識が異なると感じています。

 ですので、我々もこれ以上にカイン様にお考えを確認しますがカイン様ももう少しだけ思っていらっしゃる事をご説明いただければ嬉しいです」


カインと一番付き合いが長いガーディがみんなの気持ちを代弁するように、カインの謝罪について進言してくれた。


改めてカインは、ガーディ達と出会えて、一緒に居られて幸せだと感じると共により一層頑張ると決意するのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ