どうぞ召し上がれ
明けましておめでとうございます、本年も宜しくお願い致します。
何時もお読みいただきありがとうございます。
年末年始に体調を崩して更新が止まってしまいました、申し訳ございません。
隔日で再会致します、よろしくお願いします。
新年が始まり最初の晩餐でありいつもよりも少し豪華な夕食だった。昨日の年越しの日の晩餐よりは品数は少なかったが時間をかけて
じっくり煮込まれたワイルドブルの赤ワイン煮はフォークで触るだけでホロホロと崩れるほど柔らかく、一口食べると芳醇なワインの香りと濃厚な
肉の旨味が嗅覚と味覚を同時に襲う素晴らしいメイン料理だった。
しかし、メインを食べ終わってもルークを始め全員がソワソワとしていて、デザートが配膳されるのを今か今かと待っていた。テーブルからメインを食べ終えた皿が
片づけられるとメイド達が熱々のタルトタタンを配膳する。ルーク達は配膳されたタルトタタンを見て目を細め、カインを一斉に見つめる。
『わかっています、わかっていますとも。タルトタタンは先日食べたと言いたいのですね。そしてこれの何処が新作のスイーツだと、お気持ちはよぉーく
わかりますからそんなに見つめないでください。ロイド料理長…早く!』
カインは自分に突き刺さる視線を何とか耐えながら救世主ロイド料理長が現れるのを今か今かと待っていた。そこに扉が開かれ氷の器に入れられたアイスクリームを
もってロイド料理長がさっそうと現れた。
「皆様、お待たせしました。この新作スイーツは時間勝負です、これからアイスクリーム順番に乗せていきますのですぐにお召し上がりください。ただ食べる順番が
あります。まずタルトタタンだけ一口、次にアイスクリーム一口お召し上がりください。そして最後にタルトタタンとアイスクリームを一緒にお召し上
がりください」
ロイド料理長は説明を終えると素早くアイスクリームをルーク、リディアの順で配膳した。ルーク達はロイド料理長の案内の通りの順番で食べ始め、暖かい
タルトタタンを食べて「おおっ」と驚き、アイスクリームを食べて「おおおっ」と前回よりも濃い味を楽しみ、最後に同時に口に入れると大きく目を
見開いてお互いを見合い笑顔にり飲み込むと「「美味しい」」と感想を言って夢中で食べるのだった。
その様子を見ていたアーサー達もアイスクリームが配膳されると同じように順番を守り食べ始め、ルーク達と同じリアクションを取る。ロイド料理長とカインは
誰もが一言もしゃべらずに夢中になって食べている様子を見てニッコリと微笑みあうのだった。
「えーっ、皆様 お楽しみの所すみませんが、本日の新スイーツのお代わりは一度だけですのでご留意ください。出来立てを召し上がっていただかないと
この新スイーツは美味しさを十二分に楽しむことが出来ないので何卒ご容赦願います」
ロイド料理長の発言に女性陣だけではなく男性陣も残念そうにうなだれたが、1回だけはお代わりが出来るのですぐに気持ちを切り替えたのかお代わりの配膳を
今か今かと待ち始めた。
「アリスお姉さま? 新スイーツは美味しかったですか?驚いて貰えました?」
隣で一口食べては目を瞑り美味しさに感動を表し、また一口食べるを繰り返しているアリスにカインが尋ねる。
「もちろんよ!とーーっても驚いたし、美味しいわ!毎日こんなにも美味しい物ばかり食べれると王立学院に戻りたくなくなってしまうわ。ありがとうカイン」
アリスはこぼれんばかりの笑顔でカインの問いに答え、最後にはカインの頭をなで体全体で感謝を伝えた。その隣のスカーレットもアリスと同じように笑顔で
「うんうん」とうなずいていた。
カイン達の夕食が終わった後に、使用人達にも同じように新スイーツが振舞われ新年早々使用人達のモチベーションが爆上がりしたのだった。いつも以上に
メイド達に感謝を伝えられた料理人達はアイスクリーム作りで筋肉痛になった腕を誇りに思うのと同時に、体を鍛える事を誓ったとか。
ここ迄お読みいただきありがとうございます。
1/15に異世界領地改革の小説版 5巻が発売になります。
イシバシ先生にまた素晴らしいイラストを描いて頂きました。
是非ご覧ください。よろしくお願いします。




