表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
202/610

さくっとあがりました。

いつもお読みいただきありがとうございます。

連日の告知ですみませんが、『異世界領地改革 ~土魔法で始める公共事業~』の3巻が7/15に発売になります。よろしくお願いいたします。

ホワイトトラウトフライ作りを始める前に、カイン達は厨房の隅のテーブルで遅めの昼食を食べていた。簡単な物でと頼んだが、かなりボリュームのあるシャキシャキのレタスの様な葉物とトマトとしっとりジューシーな厚切りハムのサンドウィッチを作ってくれた。


カイン達がボリューム満点のサンドウィッチを食べている間に、フライ作りに必要な材料を料理長の指示の下料理人達が用意をしている。今回は卵を多めに使うので、追加で購入をしに行って貰った。カイン達が食べ終わる頃には、休憩中だった料理人も戻ってきて準備に加わり作業を始めた。


「カイン様。材料が揃いましたのでお願いします」

料理長が昼食を食べ終わるのに合わせて声を掛けてくれる。カインは「ありがとう、今行きます」と返答をし口に着いた汚れを拭いて調理場の中に入って行く。


「まずは、試作なのでホワイトトラウトを一口大に捌いてください。その時皮と骨は全部取り除いてください」

カインの説明を聞いた料理人の一人が手慣れた感じでホワイトトラウトをさばいていく。


「次は、衣用のパン粉を作りましょう。今朝焼いたパンをおろし金で下ろしてください。下ろした後はフライパンで少し水分が飛ぶくらいまで炒めてください。焦がさない様に気を付てくださいね」

説明が終わるとパンをゴリゴリと削る音が聞こえてきた。


「最後は、ソース作りです。普通のソースで食べても美味しいのですが、より美味しく食べる為に“タルタルソース”を作ります。マヨネーズ作成班とゆで卵&野菜の酢漬け刻み班に分かれましょう」


カインはマヨネーズ作成班の方に移動し作り方をレクチャーする。卵黄と塩と酢をショートケーキ作りで使った泡だて器で頑張って混ぜて貰う。混ざり合ったら少しずつ油を加えつつひたすら混ぜて貰い全体が白くなって“モッタリ”して来たところで味見をする。


「うん、美味しい。でももう一掴み塩を加えましょうか」

味見すると美味しいマヨネーズの味がした。でも少しぼんやり感があったので塩を加えて貰った。再度味見をすると味が決まっていた。


「料理長、味見をお願いします。これがマヨネーズです」

カインのOKが出たので料理長が先頭で次々と料理人達が味見を行う。


「う、旨い」「「「美味しい」」」

料理長達の口にもあった様でカインは胸を撫でおろした。


「このマヨネーズは野菜に付けても美味しいですし、肉のソテーの味付けにも使えます。でもこれをもっと美味しくしたソースがタルタルソースです」

カインの発言を聞いて料理長達が目を見開いて固まった。


「えっ、これよりも美味しいソースですか!ぜひ作り方の続きをお願いします」

料理長がカインにずずぃっと近づいてくる。


「ち、近いです。分かりましたから、落ち着きましょう。ふぅー、このマヨネーズに刻んだゆで卵と先ほど刻んだ野菜の酢づけを混ぜてください」

それを聞いた料理長は、早速マヨネーズに2つの材料を混ぜる。そして、一口味見をして叫んだ。


「う、旨すぎる!!なんだ、この旨味は」

料理長は涙をひとすじ流しながら感動していた。他の料理人達も料理長からタルタルソースを受け取り味見をして泣きながら喜んでいた。


「皆さん、まだですよー。これはあくまでソースです。フライに付けて食べて完成ですからねー」

感動に打ち震えている料理人達に少し大きめな声で語りかけた。カインの言葉を聞いて料理人達が再度再起動した。


「はい次は、少し深めのフライパンに油を5㎝位の深さになるくらいに入れてください。そして控えめな火加減で熱し始めてくださいね。その間にホワイトトラウトに衣をつけますよー」


料理人達は先程よりもテキパキとカインの指示に従って動き、次々に切り分けたホワイトトラウトに衣をまとわせていく。試作分の準備が終わると熱せられた油に次々に投入していく。


「油の温度には、気を付けてくださいね。油にパン粉を少量入れた時に細かい泡を立てて全体に広がる位が適温です。温度が上がりすぎるとすぐに焦げますからね」


そうこうしている間に、ホワイトトラウトフライがきつね色に色づいてきた。

「両面がこの色になったら大丈夫です。大きさによっても変わりますからそこは研究してみてください。さあ、お待ちかねの味見ですよー」


カインが号令をかけると他の作業をしていた料理人達も集まり、小皿にそれぞれホワイトトラウトフライを取り分けタルタルソースをかけていく。


「よし、お前ら心して味わえ」

料理長がそう言うと一斉にホワイトトラウトフライを口運んだ。“サクッ”小気味の良い音が聞こえた後ひたすら小さな咀嚼音が聞こえつづけ、“ゴク”と飲み込んだ。


「「「「おおおー、うまいっっ!!!」」」

所々で熱かったという意見も出たが、全員が感激に震えていた。


「ありがとうござます、カイン様。このような美味しい料理のレシピを教えて頂き」

料理長がカインの両手をがっしりと握りながら感謝を伝えてきた。


「お口に合って良かったです。さあ、お祖父さま、お祖母さま用にも作って食べて貰いましょう」


「はい」

料理長は力強く返事をした。

ここまでお読みいただきありがとうございす。

やっぱりタルタルソースは、最強ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] マヨネーズは既に存在する世界なのでは?
[一言] マヨネーズって、マヨネとかいう元々ある調味料があったはずですが? それでサラダとか作っていたと思うけど
[良い点] 面白いです!! [気になる点] マヨネーズを初めて知るような描写でしたが、マヨネーズは49勇者様の料理2で、存在する調味料として確認されていたのでちょっと違和感。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ