表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
196/610

晩餐会

いつもお読みいただきありがとうございます。

大分更新が開いてしまいました、申し訳ございません。

その間に、『異世界領地改革 ~土魔法で始める公共事業~』のコミック2話目の連載が始まりました。ゼノン編集部さんよりご覧いただけます。https://comic-zenon.com/

よろしくお願いいたします。

カイン達が観光と買い物から戻って少しすると晩餐会の時間になり、カインは食堂へ移動した。テーブルには、すでに族長のダダナさん、サリナさん、ザインさん、メリダさんが席についていた。その他にも4名程エルフの方が席についていた。


カインは到着が遅れた事を謝罪しすすめられた席に着く。ダダナさんが全員が席に着いた事を確認して口を開いた。


「本日は、久方ぶりに人族のお客様をお迎え出来て嬉しく思う。カイン殿ようこそ世界樹の森のへ。何もございませんが、ごゆるりとお過ごしください。そして、ザイン。良く戻った!それに、パートナーのメリダさん。良く参られた、家族一同歓迎をするよ」


メリダさんは、少し緊張した面持ちで「ありがとうございます」と答えていた。


「長い口上は、嫌われるのでまずは乾杯をしよう。…よし、乾杯」「「「乾杯」」」

カインは、席の前に用意されていたワイングラスを持って乾杯をする。ワインだと思って口をつけたら、入っていたのはワインではなくぶどうジュースだった。ちょっとびっくりしていると、サリナさんがカインの方を見てニコニコと微笑んでいた。


成人前のカイン用にぶどうジュースを用意してくれたようだ。カインは静かに頭を下げお礼を伝える。乾杯が終わるとエルフのメイドさん達が食事を運んできた。後から聞いた話だが、エルフでも普通にお肉や魚などを食べるそうで、地球のファンタジーで言われているエルフがベジタリアンである事はこの異世界ではないそうだ。


「ザイン、今年のボルチ茸はどうだ?ここ最近は、瘴気が濃くなってしまったせいかあまりとれなくてな。お前に食べさせるためにわざわざ、採取隊を結成して採りに行かせたのだ」

ダダナさんは、眩しいほどのイケメンスマイルで微笑みながら説明をした。


「ありがとうございます、こんなに美味しいボルチ茸は世界樹の森でしか味わえませんね」

ザインさんも素直に感謝を述べていた。


「ダダナ、そろそろ出席者を紹介しませんか?彼らがソワソワしているわよ」

サリナさんが優しくダダナさんを促す。


「そうであった、カイン殿、メリダさん、ザイン。彼らはお前がこの森を出てから、世界樹様の祝福を授かった者達だ。まだまだ、年若いが中々の魔力量を保有してる。家族と思って接して欲しい」

ダダナさんが、そう説明すると全員が立ち上がり自己紹介を始めた。


「ザイン様、お初にお目にかかります。自分はソウヤです、よろしくお願いいたします」

ダダナさんより少し背の高い目つきの鋭い男性エルフが名乗った。

「ザイン様、初めまして私は、アイナです。お会いできてうれしいです」

エメラルドグリーンのヘヤバンドをしたロングヘヤーの女性エルフが次に名乗る。

「「ザイン様」」「自分は、ポロンです」「私は、テミスです」「「よろしくお願いいたします」」

双子のエルフの兄妹が元気に名乗った。


「此方こそよろしく、家族だからザインと呼んで欲しい。ただし、私よりも先にお客様であるサンシャムロック殿に名乗るのが礼儀だ。お前達のしている事は私の恩人に対して礼儀に反する、謝罪を行え!」

最初はとても穏やかに話し始めたザインが、最後には怒鳴る様に彼らを叱責した。4人は一斉に飛び上がる様に後ろに下がった為、椅子を倒しそのまま固まる。


「サンシャムロック殿、子供達の教育が至らなく申し訳なかった。族長として、家長として謝罪させてもらいたい」

ダダナさんが、カインに対してゆっくりと頭を下げる。


「ダダナさん、謝罪は十分頂きました。頭を上げてください。この度は、ザインさんの友人として訪問させて頂きましたのでどうかお気になさらずにお願いします」

カインは、ゆっくりとした口調で返答した。


「もう、さあ食事を楽しみましょう。せっかくザインが戻ってきて、それにメリダさんという素敵なパートナーまで一緒なのだから。2人の馴れ初めとか教えてもらいましょうよ」

サリナさんがとても心地よく響く声で場を和ませる。その後は、2人の馴れ初めや、ザインが世界樹の森を出てからの冒険の話などをして楽しく食事を行った。


◇◇◇

「カイン様、不快な思いをさせてしまってすみません」

晩餐会が終了後、カインの部屋でザインが再度謝罪をして来た。


「そんな、先程ダダナさんから謝罪を頂いているので、問題ないですよ」


「しかし、彼らの行った事は…すみません」


「人族の中にも出来ない方々は大勢いますし、ザインさんだって今まで色々嫌な思いもされてきたでしょう?それと比べたら、順番を間違えてしまうくらい些細な事です。それよりも、滞在中のメリダさんの事が心配です」


「はい、もちろん。彼女の事は私が守ります」

ザインさんは、隣にいるメリダさんの手を握り恰好良く宣言した。


「それなら安心ですね、僕達は明日予定通りシールズ辺境伯領へ戻ります。そして1か月後に迎えに来ますね。まあ、延長される時はその時に教えてください」


ここまでお読みいただきありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 世界樹の祝福を受け取った者は族長の家族になるシステムなのかな?
[一言] パートナーって、相棒みたいな意味かと思ってたら嫁(彼女)だったのか… いや、婆さんとイケメンエルフっていうから…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ