63.メイドさん
美希と別れてから、歩いていると
「湊海 碧さんですか?」
「あなたは?」
俺の後ろにいつの間にか女性が立っていた。メイド服を着ている背が高くてすらっとしている
「すみません。驚きましたね。私は、城ヶ崎家でメイドをしております春香と申します。まず、美希お嬢様とのご婚約おめでとうございます」
「いや、付き合い始めただけで、婚約してないんだけど?!」
「美希お嬢様もそう思ってないでしょうけど、旦那様と奥様はそう考えていらっしゃいます。これは、家の使用人一同嬉しく思っています。春のなかった美希お嬢様にやっと、好きになる人が出来て」
そう言いながら、春香さんは目尻に浮いてきた涙を美しい動作で拭いた
「それに、美希お嬢様と旦那様の喧嘩に終止符を打つ方法を美希お嬢様に教えてくださったおかげで、とても家の中の雰囲気が楽しいものになったので使用人一同感謝しています。ね?未来の旦那様」
「なんか、訂正するのも面倒くさくなってきた。それで、別れてからわざわざ会いに来るってことはずっとつけてたんですよね?」
「もちろんです。美希お嬢様が告白するところもバッチリと」
「あの時、周りに人いなかったと思うんだけど…」
「屋上の監視カメラを少々拝借しただけですよ」
「それ、ハッキングじゃ……」
「ちなみに告白する前辺りから学校の方にはダミーの映像と音声を流してあります」
「それはありがたいけど、俺はなんで呼び止められたんだすか?」
「そうでしたね。本題ですが、碧さんには美希お嬢様を学校で守って頂きたく思います」
「城ヶ崎…『美希様です』あ、はい。美希は普通に自分の身ぐらい守れるんじゃないんですか。合気道やってるみたいだし」
「それはそうなんですが、学校ではそういうのとは違う、要するに物理では対抗しえない者もいますから」
「セクハラ教師とか?」
「そうですね、そう言ったやからから美希お嬢様を守ってください。これはそのためのマニュアルです」
そう言って差し出された本は文庫本サイズだった。表紙には
『必勝論破法』
「タイトルからしてなんかヤバそう」
「大丈夫ですよ。少し読むだけでも力になりますから」
「必要のない力がつきそう」
「何を言いますか!これから、学校で美希お嬢様の彼氏として過ごしていくなら必須ですよ。ファンクラブの男などを撃退する為にも」
それは確かに必要かもしれない
「わかりました。読んでみます」
「良かったです。ではまた、今度は体を鍛えるための方法を持ってきますね」
「えっ!!!」
俺が驚いている間に、さっと春香さんはどこかに消えていった。あの人忍者の末永なんじゃなかろうか?
俺は家への道を歩きながら
「ゲームしたい」
そう思った
~夜~
俺はまたA&AWouldにログインした
すると
「ソフォス、遅い」
既に、パナギアが来ていた
「どれだけ待ったと思う?」
「5分」
「なんでわかったの」
「適当に言っただけなのに合ってたのか」
「それは、置いといて、この後どこ行く?」
「このエリアはこれ以上進めなさそうだし」
「取り敢えず、俺のホームに戻るか」
「わかった」
俺達は神々の隠れ家に戻ってきた。すると
「ソフォス!!!!なんで昨日置いて行ったんや」
「ポリティスか。忘れてた」
「忘れんといてくれよ。仕方なく店に行ったら、ポーションの在庫が底つきそうになっとるし…」
「わかった、後でポーション作るから、それでチャラにしてくれ」
「わかった。それでチャラやな。で、久しぶりやなパナギア」
「ひさしぶり、ポリティス。相変わらずだね」
「何が相変わらず?」
「色々と」
俺達はこの後かなりの時間話していた……
いつも読んで下さりありがとうございます
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次回の投稿は1/1 13時です
と同時に新作の1話も投稿する予定なので、そちらもよろしくお願いします




