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Ⅲ Masterd of Duelling

【まえがき】

 春って、温かくて桜が咲いてるくらいで何もないので、書くのは苦手です。

 私自身はどうなのかと言いますと、今年(2016年)から花粉症になった気がするので、『好きだった』ということになるでしょうか。


 ルーモスの登場人物では一応、“リズ”が花粉症設定です。

 花粉症好きの人はどうぞ、お楽しみに!


 

 本編です!






 

 

「あれ? 今日はノアさん来ないの?」

「あの子は確か、日直だったわ」

 その旨が逐次、あたしへと伝わってきている。この“確か”は、不確定を伝えるものではなく、確実を断定するものだ。

 ノアがいない空間は、あたしが埋める。

 改めて感じる近さに、ルートは身悶えていた。

 無論、内心で。

「き、今日は天気がいいね!」

「そうね」

 言われてみれば確かに。

 午前授業の時に魔力を使い果たしたせいで、体に力が入らない。答えが淡泊なのはそのせいにして、あたしは黙々と昼食を食べる。

 複数名の男子生徒の叫び声が耳に入ったので、視線を右の方にやる。

 屋上庭園を謳っている割には、植わっている樹木の数は片手に収まる。サイズもそこまでではなく、うちにある観葉植物パキラを一回り大きくした感じ。ただ、よく手入れされているからか、それとも春の陽気のせいか、とても青々として新鮮。まるで、植えられたばかりのようだった。

 一本木の青さの隙間から奥を覗けば、どうやら校庭でサッカーをしているらしかった。


 〈あ。そこは、サイドバックに……って、ああ……ほら〉


 隣で弁当を頬張る親友(ルート)は、放心しているようだ。

 部活決定の時かなり悩んでいたようだったけれど、後悔でもしているのだろうか。

 まぁ、その答えはいつも通り、顔に書いてあるのだけれど。


 〈うわぁ……。また、点入ったよ……。もっと、ちゃんとチーム分けすればいいのに……〉


 なんてわかりやすい感情なのだろう。

 小さい頃に、ものすごくサッカーが好きで、良い所までいって、でも辞めて。結局、こうして試合を見て感動する。でも、口では拒否する。

 ルートって、本当に面白い。

「あなたも混ざって来れば?」

「ん? え? 混ざる?」

 校庭の方を指差して、あたしももう一度そちらを見る。ルートの目を見るのは、脅迫しているみたいで気が引ける。

 男子生徒たちの小さな影が数体、うようよ蠢いている。遠巻きに視点を変えれば、手前に茂った新緑の上で踊る蟻のように見えなくもない。気持ち悪いので、緑だけを見たい。

 ルートは、尚も蟻を見ていたけれど。

「混ざるって、え……? あのカップルに?」

「カップル?」

 目を凝らせば、新緑の奥の蟻……のさらに奥のベンチに、男子生徒と女子生徒が二人で座っているのが見える。全く、現実逃避も良い所だ。二人も、ルートも。

 ……けど、あんなのよく見つけたわね。

「んなわけないでしょう」

 まぁ、あたしの追随が不可避であることぐらい、ルートも知っているようで。

 ルートは、少し間を空けて、もごもごと口を開く。

「僕が混ざっても何にもならないよ……?」

「そうね」

 そのセリフよりも、会話の途切れ目を縫った春風の方が気色悪くて、あたしは物悲しい表情の親友に毒を吐けなかった。

 やっとの思いで作った即興毒は、少しばかり薬味が強かったと思う。

「でも、あなたは楽しいかもね」

「それは……ない、と思う……」

 ルートはノアと違って、すぐに俯くことはない。

 逃げるための現実を知らなければいけないから……らしいけど、そんなものは要約すれば『鈍感だから、現実に直面するまでわからない』ではないだろうか。

 全く、可笑し過ぎてならない。

「ふふっ。あなた、リズにも同じこと言われたでしょ?」

「どうして、知ってるの?」

「顔に書いてあるわよ」

「…………」

 そんな、表情を誤魔化そうとしなくても。

 不安の上から無を被せてカモフラージュしようとしているようだったけれど、全然塗り切れていない。

 これがかくれんぼなら、あたしに敗北する理由はない。

「ねぇ。部活、本当に入らなくてよかったのかしら?」

「どうして?」

 それはこちらのセリフだ、と言いたい。

 少なくとも、ルートの目が真剣に憤慨の意を示してなければ、あたしは放言していたに違いない。

「ど、どうしてもよ」

 ルートは、大きな憂慮の塊のようなものを溜息一つとともに吐き出して、また、弁当を頬張るのを再開する。

 今度は、食事のついでという形で、会話をする気らしい。

「リズがね、昨日僕に言ったんだ。『サッカーをしていたころの僕は、すごく楽しそうだった』って」

「…………」

 勿論、そんなことは知っている。

 だからなのか、でもなのか、あたしは散布できるような丁度いい毒を持っていなかった。

「それってさ。僕がやっているところを見るのが楽しいってこと、なのかな?」

「…………」

「楽しんでくれるなら、僕だって喜んでやるよ。だけど、僕に待っているのは行き止まりじゃないか。リズだって、きっと知ってる」

「…………さいよ」

「つまりさ。僕が行き止まるところを、また見たいってことなのかな? だってそうだよね? そんなの、意味無いよ」

「……やめなさいよ」

 そうだ。早く弁当を食べるべきだ。

 ルートの口に運ばれる弁当の量は減るばかり。逆に、呪言が飛び出ているけど。

「だってリズ、“あの時”泣いてたんだよ? 僕、リズが泣いてるところなんて、もう見たくないなぁ……」

「やめなさいって!」

 きっと、間にノアがいれば、場を和ませてくれていただろう。この際、サクラでもいい。

 とにかく、今、あたしは逃げ道が欲しかった。

「ごめんねアリス。僕、もう、行くよ……」

「そ、そう……」

 そうしてルートは立ち上がり、屋上庭園の木々の間をくぐって、出て行った。一人になった屋上に響いたドアの音が、あたしの逃げ場を奪うように鳴った。

 一人になるということがどういうことなのか、あたしはルートを通して知っている。けれど、どうしても引き止められなかった。後悔に埋もれて今にも泣きそうなあたしが、泣いてしまえば『いつものあたし』ではなくなってしまうから。

 こんなに悲しいのはどうして。自業自得の罰は空しさだけで十分なのに。

「ごめんなさい……。あたしが、悪かったわ……」

 この声が、ルートの心に届くまで、あと何年かかるのだろう。きっと、あたしがノアに支えられている間は、届くはずもない。

 そんなことは、知っていた。

「ノア……。今、どこにいるのよ……」

 午前の授業が、比較的消耗の少ない教科だったことが幸いして、ほんの少しだけ魔力がある。【グラスピング】一回分くらいが妥当か。ちなみに、寝てはいない。

 一人でご飯を食べるのは、あまり気分がよくない。それはノアも同じはず。

 あたしは、昼食に蓋をして、立ち上がる。

 できるだけ人目につかない木陰がある。屋上の出入り口が影になっていて、尚且つ鉄柵からも遠く、校庭から見られることもない場所だ。

 そこならいいか。

 とりあえず昼食の箱をベンチに置いて、そこまで歩く。

 近づけば近づくほど、その木は大きく見える。隣に並ぶ頃には、あたしの身長など軽く超えていて。葉の色も、遠目で見た緑とは比べ物にならないほど、鮮やかだった。見れば、幹も結構しっかりしている。

 そうね。これぐらい太ければ、登っても――って!?


「サクラ!?」


「なんじゃ。見つかってしもうたか」

 青々とした葉の陰から、ひょっこりと紅色が顔を出す。木全体を支える太い幹から出ているうち、一番太い枝を占拠して横になっていたようだ。色々な意味で場違いだ。

 まず第一に、「こんなところで何をしていたのよ」と、目的を尋ねる必要がある。距離的に盗み聞きはされていないだろうけれど、寝る場所なら別にもあるはず。サクラが好きそうな保健室とか、サクラが好きそうな体育館用具室とか、いくらでも。

「ここ、落ち着いていいんじゃよー」

「寝返りも打てなそうだけど」

「それはそうじゃが、ほれ。枝が三本あるじゃろ?」

 サクラが背中の方を指差すので、少しだけ登ってみてみる。

 なるほど確かに。三本の枝が自然的に編まれて、人が一人はまりそうな窪みができている。

「そこに挟まっとれば落ちたりせんし、快適なんじゃ」

「快適って……。虫とかいそうじゃない……」

 緑色の葉に囲まれていることに気付いて、あたしは早々に木から降りる。

 青臭いところには、決まって這う虫がいる。お約束と言えばお約束だ。

 その昔、あたしにもやんちゃな頃があって、何を思ったのか木に登ったりもした。木の上で寝たいという動機だった気もする。……ああ、そうだ。ハンモックに憧れていたのだ。ハンモックなどなかったから、木の上で寝てみたいと、そう思ったわけだ。

 結果は、お約束と言えばお約束。

 毛虫数匹が……いや、やめよう。考えただけでも背筋のあたりが寒くなる。

「お主は、虫が苦手なのかの?」

「毛虫とか何かの幼虫とか、這うやつはダメね。でも、それ以外なら……って、そうじゃないわよ。あなた、いつからそこにいたのよ」

「いつ? んー……。休みになってすぐくらいからかの。わしの席、お主の斜め前じゃから、出て行ったの見たじゃろ?」

「ええ、見たわ。じゃあ、あなた、昼休みになるまでどこいたのよ」

「あ? ああ。そうきたかの」

「当たり前でしょ」

 サクラが教室を出るところはあたしがこの目で、確かに見た。急に立ち上がったかと思えば、迷いなく教室の出入り口へ。前のドアから出て、どこかへ行っていた。同伴者はなかった。

 サクラという存在の持つ強烈な個性のおかげで、呼び起こす記憶がすべて鮮明だ。

 そう。サクラが教室を出たのは、昼休みの開始時ではなくて、二時限目と三時限目の間にある中休みの開始時だった。三時限目と四時限目は、見事にサボっていた。

 だとすれば、二時間強もの長い間、どこで何をしていたのか気になる。ずっとその窪みに挟まっていたというわけでもないだろう。

「そうじゃのー。特に何かしていた、というわけでもないのう。校内探索したり、保健室で寝てみたり、空飛んでみたり……そんなところかの」

「自由ね……。っていうか、授業出なさいよ」

「授業はつまんないんじゃー」

「いや、そうだけど……。あなたそれでテストに受かるの? この学校、成績不良者にペナルティがあるのよ」

 色々と緩い、というのがこの学校の第一印象だけど、国立ということだけあって、学業成績に関してはそれなりに厳しかった。

 なんでも、部活の先輩の話によれば、大量の宿題が課されるとか。

「カンニングでもすればよかろう」

「平気ですごいこと言うわね。でも、それは無理よ」

「なんでじゃ?」

「テストの日、何人かの先生が学校全体に結界を張るのよ。魔法を封じる結界をね」

 この学校では、サクラみたいな人間がいることを見越して、そういう対応をとることになっていた。結界魔法が得意な先生が交替で結界魔法【インターセプト】を行使するのだ。

「結界か……。でも、それも魔法を封じる魔法(・・)なんじゃろ?」

「ええ。そうよ……って、まさかあなた……!」

「まさかもなにも、それしかなかろう?」

「本気で一日中【魔法反射(リフレクト)】してるつもり? そんなの、いくらあなたの魔力が強いからって、不可能よ。あたしだって、もって一分よ。先生も、五分が限界って言っていたわ」

 すべての魔法を反射する魔法【リフレクト】は、機序こそ簡単だが、行使するための魔力は時間の二乗で爆発的に膨れ上がっていく。だから学校で教わるのは、せいぜい【フレイム】を跳ね返せる程度の一瞬のもので、あたしのように一分間続けてみたりする人間は、相当力に自信があるか、余程の反射好きくらいの話だ。

 それを半日間自分の周りに張り続ける、などという夢物語はつまるところ、余程のアホにしか語ることはできないというわけで。

 アホの顔を見るに、ポカンとしていて、いかにもだった。そして、紡がれたセリフは、

「【リフレクト】? そんな回りくどいことはせんぞ。わしは、【インターセプト】を【インターセプト】するんじゃ!」

 もっと、いかにもだった。


「はぁ……」


 あたしは、少なくとも今日は毒を吐けない気がして、溜息とともに体内にため込んでいた毒も吐き切った。

 温かすぎる春の光から逃げるように、こうして木陰に身を隠す。日差しを浴びる勇気が無くて、あのままベンチにいるのが苦しくなったからだ。

 だけど、サクラのように、理由が無くても木陰に腰を落ち着ける者もいる。……ああ。居心地がいいとか言っていたわね。

 理由は違えど、集う場所が重なる。逃げた先にいた者が、自分と同じく、何かから逃げた存在ではないことだってあるということだ。ノアを探すことで気を紛らわせようとしていたあたしと、ただ昼寝がしたくてそこにいたサクラが、それを証明している。

 もし、現実から逃亡することが夢に近づくことだと言うのなら、ルートがしていることは本当は正しいことなのかもしれない。

 夢から逃亡しているということは、一番現実に近いところにいるということなんだから。


「そんなことより、お前さんこそ、こんなところで何をしておるんじゃ? まさか、一人で――」

「違うわ。ちょっと、友達を――いえ、恋人を探しているのよ」

「ほぉ。恋人とな」

 興味を持ったのか、サクラは枝の隙間から軽やかに飛び降りて、あたしの顔を覗き込むように訝る。

 香水でもつけているのではないかというくらい強い芳香が、跳躍の反動で漂い、鼻を衝く。

 別に臭いというわけではないけれど、あたしはこの甘い匂いが苦手だ。

 この香りを嗅ぐと、なんとなく切なくなってくる。形容しがたい懐かしさを感じるとも言えるか。母親に抱きしめられる場面を想起させるような恥ずかしさ、と言えば伝わらないだろうか。……伝わらないか。

 とにもかくにも、あたしはこの子に近寄られることが、あまり好ましくなかった。変な奴だけど良い奴であるだけに、拒否しにくい。

「どんなやつじゃ? かっこいいのか? どこまでいったんじゃ? Aか? Cか?」

「全然かっこよくないわよ。Aって……それ死語じゃないのかしら? というか、あなたは知らなくてもいいことよっ」

「でも、どうせ呼ぶんじゃろー? 面白そうなやつだったら【自白心理(コンフェシオン)】するぞー」

「あ、あなたって、本当に自由よねっ!」

「それで楽しければ万々歳じゃ」

「……ったく」

 そんな持論を持っていれば、気軽に授業を抜け出す心理にも納得できる。先生のつまらない話を聞いているより、夢見心地で春風に肌を撫でられている方がいいという理屈も、筋が通っている。褒められたことではないけれど。

 サクラの喜悦に繋がるのなら、あたしが何を拒もうと通されてしまうのも、悔しいけれど納得だ。

 それなら、あたしにだって考えがある。

 サクラのことだから、きっとノアを見つけたら即刻自白を強要するに違いない。ノアに何を自白させるかは二の次にしても、あたしを困らせたりすることは、どうやら好きなようだから。

 だったら、あたしはその【コンフェシオン】を【リフレクト】してやろう。

 ただでさえ謎の多いサクラという少女に、何を自白させるか悩むところではある。どこに住んでいるとか、何が好きなのかとか、自己紹介の授業で聞き流してしまった無難すぎる情報だっていい。今はとても興味がある。もしそれが彼女の逆鱗に触れてしまったのなら、さっきの彼女のセリフをなぞって(ばく)してやろう。

「それ、早う呼ばんか。どうやるんだか知らんが」


「はぁ……。わかったわよ……」

 あたしの口から出た返事は、とても億劫そうで響かない。

 サクラのプレッシャーで重くなる腕を肩の位置まで上げて、「【グラスピング】……」と溜息を吐く。毒の含まれていない、濃密で澄んだ苦労(ためいき)を。


 [ふぅ……。やっと日直の仕事終わった……。大変だった……]


 ほとんど常時伝わってきているノアの感覚に、自分の感覚を絡ませていく。

 はじめの頃、ノアの感覚を知覚することはかなりの負担だったけれど、今は全くそんなことはない。自分の隣でノアが眠っているという想像の感覚と、ノアとの現実での間隔を思い出せば、楽になった。ルートの心理を知覚している経験もあったから、自分の感覚をノアのそれに重ねることも、難しくはなかった。

 なかなかいい表現が見つからないけれど、ノアの感覚がパスタなら、あたしはさしずめミートソース、という感じか。

 どう? 絡まりやすそうでしょう?


 [誰も手伝ってくれないよぅ……。もしかして、嫌われてるのかな……。いや、絶対嫌われてるよね……。性格暗いもんね……]


 そろそろパスタが乾燥してしまいそうだ。今思い出したけど、ベンチに置きっぱなしのあたしの昼食も湿気ってしまいそうだ。

 早い所ノアを呼んで、さっさと事を済ませてしまおう。策は万全なのだから。


 [あ。もうこんな時間だ。アリス、もう帰っちゃったかな……]


 そうよ。もっとあたしの意志に近づいて。

 強引な裏技ではあるけれど、これなら特定の人とピンポイントで念話できそうだ。


 [でも、屋上寒そうだなぁ……。さすがに水着(せいふく)じゃなぁ……。服、着たら変だよね]


 必然的に日陰になる校内は、日照時間も短いおかげで、若干外よりも寒い。対照に、屋上は日除けも少ないし、高度がある。風が涼しくはあっても、寒いまではいかない。制服でも全然事足り……ん? 水着(せいふく)

 刹那、教室中を埋め尽くすカラフルなビキニ姿の女子生徒たちのビジョンが、紫電の如く脳裏をよぎる。一瞬、視界をジャックされたのかと思った。

 目を擦ってみれば、期待で大きな瞳を輝かせるサクラがいた。

「どうしたんじゃ?」

「い、いえ。何でもないわよ」

「そうか。魔力が足りなくなったんなら、助けるぞ」

「大丈夫よ。【テレパス】くらいなら二、三回は許容範囲だわ」

「遠慮なんかせんでよいぞ」

「あなたは遠慮しなさい」

 胸に伸びてくる卑しい手を払って、頭をポンとはたく。サクラは憎たらしく赤い舌を見せて、それとなくはにかんでくる。

 将来、謙虚さと度胸を交換できる魔法でも研究しようかなと最近つくづく思う。

 そんな浅はかな思考が、あたしにまた、毒を作らせてくれる。要は、いつも通り元気になれたということ。魔力なんか供給されなくても、人間は楽しくやっていけるのだということ。


 ――だとすればどうして、【魔法】なんて力がこの世に誕生したのかということ。


 浅瀬を彷徨っていたあたしの意思は、何か(ひと)つの不思議(ふしぎ)に引きずられるように、深みへと沈んでいった。



【あとがき】

 部活というものはどうして、ああなんでしょうか。

 やってる時はきついのに、いざ辞めると日常に張り合いが無くなるという不思議。後輩に口出ししたくなるという謎。プライベートでやってみると超絶楽しいという罠。

 ああ怖い。

 


 次回は『アリスがあんなことやこんなことに……!』、のはず。

 お楽しみに。

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