sweet passion
最近お疲れの作者、畑中優月です。疲れているときにはやっぱり糖分……甘いものですよね。今回ちょっぴり甘めの話を書いてみました。甘さを感じていただけたらと思います。それでは、どうぞ。
豊橋 朝菜。
157㎝乙女座、髪は基本二つくくりにするタイプ。
花の女子高生……のはずだけどそんな人生送れるわけない。
あたしは、自分の彼氏が二股かけてる所を目撃→問いただす→お前の方が遊びだと言われる→フラレるという経験を30分ほど前にした惨めな女子高生だ。
「バカだな……。問いただすなんてしなかったらよかったのかも……。」
大きく溜め息をついて前を向く。
そうしたら前の席の男子があたしのことをガン見していた。
彼の名前は浅名…ナントカ。
全然話したことない。印象は…黒髪さらさら背が高い。
同じ「あさな」であたしは初め分からなかった。
けど今はもう慣れた。発音違うし。
「な、何?」
「フラれたんだ。御愁傷様。」
あたしは頭にきて、浅名に言ってやった。
「浅名、彼女いたことあるの?ないでしょ。ないからそういうこと平気で言えるんだよ。彼女にされたらどれだけ傷付くことか。知らないくせにホント最低。」
「あー…確かに彼女いたことないな…。じゃ、何、あんたは俺がフラレるっていう体験するのに付き合ってくれんの?」
「え、やだよ。何であたしが?」
「お前が言ったんだろ。ないからそういうこと言えるって。じゃあ実際に体験してみたいし。」
……は???
ワケワカンナイ、つまりあたしが浅名と付き合うってこと?
30分前に別れたばっかなのに??
「嫌だって。あたし、あんなことされてもまだ忘れられないもん!!それに、そのままだとあたし尻軽じゃん!!」
「それも忘れさせてあげるから。な?」
「で、でもっっ……。」
浅名があたしの片手を握ってぐっと自分のほうに引き寄せる。そして耳元で囁いたんだ。
「大丈夫だよ、朝菜。」
身体がビクッて跳ねた。
声…甘い…響く……。近いから顔も赤くなるし、恥ずかしい。
「あれ、結構まんざらでもない感じ?」
「う……うるさい!!」
にやにやする浅名にあたしはみぞおちを全力で殴った。
「ふんっっ……!!」
「ごふぅっ!!」
それから何となく付き合うことになり、あたしはいつ振ろうか悩んでいた。タイミングがいまいち……。
ここで浅名のわかったことを紹介。
まず俺様、超S。いっつもあたしのことからかってくる。背が高いから上から。それが更にむかつく。それでいてホントに彼女いたことないのか?っていうくらい女の扱いに慣れている感じ。勉強は普通、でも運動神経はいい。後……意外とかっこよくて(顔じゃなくて…や、顔もかもだけど、それ以外っていうか……)甘党。
一番の好物はクレープだとか。
可愛いなって思って笑ったら意地悪されるから顔を引き締めて頑張ってる。そのときだけハムスターみたいで笑えるんだけど。
「何にやけてんだよ、顔緩みすぎだろキモい。」
「ひどっ!?あたし、仮にも女の子だからね!?」
……。
いつもならまだまだ言い返してくるのに今日は黙っている。
何かあったっけ……。
「朝菜、そろそろ言えよ。」
「は?何を……?」
「俺のこと振るんだろ?このままだとだらだらと続きそうだし。そろそろけじめつけた方がいい。お前もタイミング探してたろ?」
あ……ちゃんと浅名も考えてたんだ。脳みそからっぽだと思ってたのに。
でも、やだな。あたしもうちょっと浅名といたいな。友達として…でもいいけど多分友達になったらもうこんな風に連れ出したりはしてくれなくなる……。何故かそれはちょっぴり寂しくて切なかった。
「あたし……それ言うのもうちょっと後でいい?」
「何で?あ、もしかして俺のこと好きになっちゃったからもっと一緒にいたいって?」
「そんなこと言ってないよ!!」
「別に俺はこのまま朝菜と付き合っててもいいけど?」
「……っっ!?バカっっ!!」
何だコイツ、さらっと恥ずかしい台詞言いやがって。
きゅんってしちゃった……。くやしいっっ!!
こんなのありえない!!嘘だぁぁぁぁぁぁぁあ。
「なんつー顔してんの。お前ホントに俺に惚れただろ。」
「うるさいなっ!!しょうがないでしょ、そんなこと言うから!」
「嬉しかったんだー。顔、真っ赤だけどー?」
っっ!?くーやーしーいー!!!
「絶対振るもん!覚悟しててよ!!」
「はいはい、わかってますよ。」
笑いながら浅名はかえすけどあたし、ホントは知ってる。
優しい目であたしに微笑んでること。
無自覚なのか、それともわざとか。
どっちでもいいけどあたしはもう少し先まで浅名と付き合うことになりそうだ。
いかがでしょうか。
甘さが控えめでつまらなかったかもしれないですね。逆に濃かったという人もいるかもしれません。内容が薄くて本当に申し訳ないです。
仕事や勉強、人間関係など疲れたときは甘いもので乗り越えましょう。