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01ゲームへ

橘亮介(たちばなりょうすけ)、25歳無職。

橘は今、人生最大の選択に頭を悩ませている。

頭を悩ませることになった理由は、今朝携帯届いたメールだ。

そこにはこう書かれていた。



「ニートの諸君に朗報だ。

君たちにこのメールを送ったのは単に君たちを小馬鹿にしたいわけではない。

即ち、君たちに人生のやり直しのチャンスを与えよう。


今夜0時に○○町の○○でゲームを行う。

勿論参加は自由だが、勝ち残った者には賞金5億が贈られる。

しかも、参加する人数が少なければ少ない程、賞金を獲得するチャンスが増える。

その金を手にすることが出来れば、将来の生活に希望が見えるだろう。


なお、参加する場合は家族に別れを告げて来い。


では、待っている。」



と、いかにも怪しげなメール内容だが橘は参加するか、しまいかを悩んでいる。

ある掲示板のニート仲間にも相談したが、賛否両論で互いの言い争いにまで発展し、決着がつかなかったのだ。


こうして朝から悩み続けたが、様々な理由で金を欲していた橘は、夜8時には母親に内容を明かさず告げた。


そして、母親が心配する暇も無く、橘は家を出た。



必要最低限の食料と荷物を持った橘は最寄駅で電車に乗り、目的地である○○町に向かった。

電車の中は客がほとんど居なく、仕事帰りかとみられるサラリーマンが客の大半だった。


そして、電車に揺られること1時間30分、ついに○○町に到着した。

電車から降りると駅の目の前にゲームの参加者とみられる者たちが緊張した感じでその場に立っていた。

その近くには一本の看板が立っていて、他は木も建物もない殺風景な場所であった。

取り敢えず橘は看板の文字に目を通した。


「コノ道マッスグ進メバ、建物ガ見エテクル。マズハソノ建物ニ入レ。」


橘は前に歩き出した。

少し歩いたところで背後を確認すると、まだ参加者とみられる者たちはその場で立ち尽くしていた。

ガクガクと震える足からは、彼等の恐怖が感じられた。

多分奴等はこれから如何すればよいのか迷っているんだと橘は察した。

賞金のためにゲームに参加するのか、もしくは電車で再び自宅へ戻るのか。

その答えは誰も分からない。正解も分からない。だが橘はその真実を知ることが目的で今ここに居るのだと心の中で繰り返した。



もう、彼此30分くらい歩いただろうか。

時間にはまだ余裕があるが、橘は精神的にも疲れきっていた。

外に出たのも久々だし、何より周りが暗く何もない状態だったためだ。

恐怖と疲労感で足元がふらついた。と、同時に彼の目の前は真っ暗になった。

気づいたときにはもう遅く、身体の周りは真っ暗の壁で囲まれていたのだった。




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