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番外編「その後」



 あれから僕は精神科に入れられ、以前の生活までとは言わないが、なんとか元の方へ戻ることができた。

 あの時、先輩が止めていてくれなかったらきっと僕は人を殺していただろう。

 ――僕はそれを望んでいたからこそ、先輩を殺すことが出来なかったのだ。


「ねえ」

 隣にいる彼女が僕に声をかける。

 麗らかな日和。僕と彼女は河原の堤防の原っぱに腰を下ろしていた。

「それで、その先輩と下嶋はどうなっちゃったの?」

「ははは、コンピュータでもとに戻したよ」

「そんなんもできるんだね。……じゃあ、記憶も?」

「改ざんしたさ」

「ふぅーん……」

 ひとしきり話を聞いた彼女は納得したように突然頷いた。

「あ、もしかしてあたしの記憶も改ざんしているとか? スキになるようにさ」

「まさか、この気持ちは本当だよ。僕がここまで元の人間に戻れたのは君のおかげ」

「そっか」

 彼女はまた頷いて――


   *


 先輩はアレからどこかへ行方をくらました。やはり裏のなんとやらの組織が絡んでいるらしい。だけど僕はもう寂しくなんてならなかった。先輩がいなくても頑張れる。そう、先輩が僕に生きる勇気を与えてくれたのだから――


fin





 こんにちは、まなつかです。


 やっとこさ完結することができました。

 微妙な伏線を残したまま終わらせたのはわけがあるんでしょう。

 ――きっと。


 そろそろ夏が終わるので活動時期がきっと終わります。

 それではまた。



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